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見た目ってなんだ? ラブリィ!
読書 / カーソン・ライダー 
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    久々の青春直球小説「ラブリィ!」(講談社)を読んだ。

    第57回講談社児童文学新人賞受賞作である。

    人の見た目、外見ってなんだという問いかけのもと、その意味を真摯に考えようとする主人公である中2の拓郎の姿に共感した。

     

    長い間、見た目について考え続けてきたオレだけど、今の渉おじさんの話を聞いて、見た目に対する「かわいい」とか「そうじゃない」っていう決めつけは、世間っていうサングラスをかけて見ているのと同じじゃないかって思った。サングラスを取って、自分の目で見て感じたものが本当なんだ。

     

    サングラス=色眼鏡。

    余談ではあるが、本を読み終えて時にふと岡林信康の「歪んだサングラス」を思い出した。

    色眼鏡でものを見る愚かさを皮肉った楽曲である。

     

    「世の中の多くの人は見た目で判断するかもしれないけど、オレは信じるぞ!世の中見た目じゃねえ!大事なのはここだって!オレが証明してやる!」

     

    大人なら鼻白むような言葉がストレイトに心に届くのは、世間という色眼鏡に毒されていない拓郎の心を、誰もがもっていた時代があるからだろう。

    読後感の爽やかな佳作である。

     

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    せきしろ たとえる技術
    読書 / カーソン・ライダー 
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      JUGEMテーマ:読書

      芥川賞の又吉直樹、直木賞の西加奈子と共著もある作家せきしろの技術論「たとえる技術」(文響社)を読んだ。

      思わず、なるほどと唸らされたり、ニヤリと笑ったりという表現のオンパレードである。

      特に気に入ったのが、季節の挨拶を作れるである。

      仕事柄、時候の挨拶を入れた文書を書く機会が多いのだが、決まりきった定番の挨拶文しか書けず、もっとセンスのあるものはないかと考えていたところだったので、グッドタイミングであった。

      ただ、この本は実用書ではない。

      あくまでも頭を柔らかくし、言葉のセンスを磨く上での発想に刺激を与える書であるので、いきなり、礼儀をわきまえなければならない相手に使うということはできない。

      しかし、大いに刺激されたことは事実である。

      夏の挨拶を書くときには、まずは夏のたとえを作ることが大切であることを説く。

      そこで紹介された中から、秀逸だと感じたのは次のたとえである。

      「夕立が止んだことを風鈴が知らせてくれるような夏」

      そして、このたとえを挨拶文に変えていく。夏の部分を今日この頃に変え、いかがお過ごしでしょうかと結ぶのである。

      使ってみたいと思わせてくれる時候の挨拶が出来上がる。

      また、美味しさを伝えるたとえも面白かった。

      グルメリポーターの彦摩呂方式という方法である。

      つまり、AがBだという言い方である。

      一例を。「肉の号泣会見だ!」味を例えるならニュースを見ておくべしという話にも深く共感してしまった。

       

       

       

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      興奮 大魔法使いクレストマンシーシリーズ
      読書 / カーソン・ライダー 
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        JUGEMテーマ:読書

        ファンタジーにはまっている。

        ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「大魔法使いクレストマンシーシリーズ」である。

        シリーズ2作目となる「魔法使いはだれだ」を一気に読み終え、3作目の「トニーノの歌う魔法」も残りわずかである。

        「魔法使いはだれだ」の方が個人的には気に入っている。

        簡単に言えば、パラレルワールドとガイ・フォークスの物語である。

        ガイ・フォークスといえば、ハロウィンよりも英国では有名な11月5日のお祭りの主人公である。

        その歴史的事実が大きな物語の役割を果たしている。

        また、パラレルワールドといえば、村上龍の「5分後の世界」が一番好きである。

        ともあれ、オチのつけ方も見事であり、映画のback to the futureを連想してしまった。

        子供向けと侮るなかれ。

        読み応えのある作品である。

        「トニーノの歌う魔法」はイタリアが舞台であり、一作目よりは謎解きの要素は少ない。そこがやや物足りないところではあるが、呪文作りの2つの名家の対立とその中から生まれる友情という、これまた映画的な展開となっている。

        新たな読書体験に満足している。

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        久々のファンタジー 傑作!魔女集会通り26番地
        読書 / カーソン・ライダー 
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          仕事の疲れも確かにあるが、ブログを書こうという気力がわかなくなってきているのも事実である。

          多くの人々に発信というよりも、自分自身のために始めたはずなのに、いつの間にかそれが重荷になってきている。

          何かしっかりした内容を記さなくてはならないと余計な負荷を与えている格好をつけた自分がいる。

          そういう部分に嫌悪を覚える・・・

           

          それでもこうして書くのは、久々に読書体験の中で嬉しいことがあったからだ。

          実にゲド戦記以来となるファンタジー小説を読んだ。

          「魔女集会通り26番地」(偕成社)である。

          今から、40年前に書かれた作品である。作家はファンタジーの女王といわれた、ダイアナ・ウィナ・ジョーンズである。

          ハリーポッターほどのスケール感はないにせよ、ごく普通の人間と魔法を操れる人間が一緒に暮らしているという設定は斬新であるし、主人公であるキャットの存在が名前からしてかわいらしく、わがままな姉 グウェンダリンに操られる様は頼りなくもあるのだが、キャットの名に込められた「謎」そしてあっと驚く予想外のツイストという展開にハラハラドキドキしながら450ページ超の大長編も一気に読み終えた。

          そして、読みながら、エアロスミスの「ナインライブス」を思い出しニヤリとしてしまった。

           

          今は、その作品にも登場する大魔王であるクレストマンシーのシリーズ1作目となる「魔法使いはだれだ」(徳間書店)を読み始めている。予想通り、面白い展開である。設定が身近なので、ハリーポッターよりも気軽に楽しめるよさがある。

          明日は土曜出勤の代休日。

          たっぷりと読書を堪能したい。

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          人もいない春
          読書 / カーソン・ライダー 
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            西村賢太の芥川賞受賞作「苦役列車」へと連なる私小説「人もいない春」(角川文庫)を読み終えた。

            文庫本で200ページ足らずなので、短時間での一気読みである。

            自分にとって西村賢太は得難い魅力をもった作家である。

            気分が落ち込んで八方塞がりの状況になった時に、まっさきに思い浮かべ、読みたいという衝動に駆られるのである。

            特に、北町貫太の「秋恵もの」と名付けられている小説にである。

            「人もいない春」の解説を女優の南沢奈央が書いているのだが、なかなか鋭いことを述べている。

             

            酷く孤独で残酷なところがあるのに、何故だかちょっと笑えてしまうような不思議な滑稽さや安心感も感じてしまいます。

            そして、西村作品に通底しているものとして「失うものはなにもない」強さと表現している。

             

            私は深く共感してしまった。まさにその通りである。

            滑稽なほどに不器用で、猜疑心が殊の外強く、超がつくほどの短気。秋恵に対してかわいさあまって憎さ百倍ともいうべき暴言・暴力の嵐。

            それでいて、惨めなほど後悔の念に苛まれ、自己嫌悪をいだくほどに苦しみのたうつ姿に、「馬鹿だな。貫太は」と思わずつぶやいてしまうのである。それは決して軽蔑ではなく、同じ男の心根として「分かる」と頷いてしまう共感が心の中にあるからだ。

            特にこの作品の中に描かれている秋恵への思いは、他の作品にはあまり見られないほどの「優しさ」に溢れているものが多い。

            最後に収録されている「昼寝る」の高熱を出して寝ている貫太のためにパートの休憩時間も帰宅して、甲斐甲斐しく看病をしてくれる秋恵に対してがパートに戻るときのシーンなどにそれは顕著に表れている。

            さすがに貫太も、彼女がいなくなったあとで泣いてしまった・・・

            そして、秋恵が熱で倒れた時に己が投げかけた暴言の酷さに打ち震えるのである。

            「ひと思いにこの世から自分だけ消えなくなってしまいたかった。」

             

            そんな貫太が私は好きだ。

             

             

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            私の恋人
            読書 / カーソン・ライダー 
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              第35回三島由紀夫賞を受賞した上田岳弘の「私の恋人」(新潮社)を読んだ。

              あの又吉直樹の「花火」と賞を争った作品である。

              まず、物語の設定がおもしろい。

              10万年前、クロマニョン人であった主人公の「私」が、第二次世界大戦前のドイツ ベルリンではユダヤ人 ハインリヒ・ケプラーに生まれ変わり、そして、現代の世では日本人 井上由祐と生まれ変わりを遂げ、永遠の恋人との出会いを求めるのである。

              だが、タイトルに騙されてはいけない。

              時空を超えた甘い恋愛小説ではない。

              人類が進化発展を遂げていく過程の中で、同じ過ちを繰り返しながら生きて行くのが人類そのものの歴史であるという事実を例証しながら突き付けてくる。その代表が虐殺をはじめとする殺戮である。ナチスのユダヤ人虐殺しかり、アメリカのインディアン虐殺から原爆投下。現代におけるイスラム原理主義に基づくテロ行為などなど。

               

              そんな人類の行く着く先のことなど、聞くまでもなく分かり切っていたことだと語る主人公。

               

              それなのに、なぜだろう?私はあの時、私の恋人に呼びかけずにはいられなかった。

              10万年前になした私の問いかけの答えさえ、それが眼前に現れると、きっと躊躇なく踏んづけて粉々にしてくれる、諦めを知らない、たまらなく可愛い、私の恋人。

               

              情け容赦のない不寛容な人類の歴史の繰り返しの中にあって、好きな人に逢いたいと素朴に思う真情こそが救いになる。

              ラストにそんな光を見たような気がした。

               

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              きみはいい子
              読書 / カーソン・ライダー 
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                JUGEMテーマ:読書

                 

                一週間前に読み終えていながら、書きそびれていた本がある。

                数年前に話題になった中脇初枝の「きみはいい子」(ポブラ社)である。

                確か、2013年の本屋大賞の第4位にランクインした本である。

                なぜ、書きそびれていたのか?

                それはこの本の扱っているテーマの重さである。

                「虐待」。実際に大阪でおきた児童虐待の事件にインスパアされたという話も聞いた。

                連作短編集であり、読みやすいのであるが、読み進めていくことが辛い自分がいた。

                実際、自分も少年期において父親からの虐待を体験している。

                自分に対してというより、母親に対する暴力のほうがすさまじかったのであるが、その体験は今でも心の中に巣食う「悪夢」である。

                そんな記憶も呼び覚まされてしまった・・・

                子どもを愛したいのに、愛せない。

                虐待されたつらい体験があるにも関わらず、母になったいま、子どもに対して同じ虐待を続けている女性。

                虐待された体験を乗り越えることが出来ないで、認知症になった母親と向き合う女性。

                この話に出てくる心の闇をかかえた主人公たちの思いが痛い。

                読んでいて、何度も何度も立ち止まる自分がいた。

                個人的に一番、心に残ったのは最後の「うばすて山」である。

                 

                痛くて閉じようとする目を、おかあさんが無理に指で広げた。わたしは、のけぞって逃れようとしたが、おかあさんの力は強かった。わたしをおさえつけて、わたしの目を舌でぺろんとなめた。

                わたしは目を開いた。もう、どこも痛くなかった。

                おかあさんは笑っていた。顔全体で。

                ブランコが揺れていた。一瞬のことだった。

                (中略)これからおかあさんを捨てていく。みわの家にすてていく。

                おかあさんを捨てても、わたしはこの記憶を持っていこう。

                雨にけぶるブランコをふりかえって、誓った。

                 

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                死神の浮力 
                読書 / カーソン・ライダー 
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                  久々にミステリーを読んだ。

                  伊坂幸太郎「死神の浮力」(文藝春秋)である。

                  25人に1人ともいわれる良心をもたないサイコパスVS死神である。

                  前作の「死神の精度」は短編連作集であったが、今回は400ページ超の長編である。

                  一度読んだら忘れられないキャラともいえる死神の千葉の存在感は今回も際立っている。

                  巧妙な奸計により、少女殺害の犯人であるサイコパス 本城が一転無罪釈放されたところから物語は動き始める。

                  復習を誓う山野辺夫妻。そして、山野辺の調査を請け負い、死か否かの可否判定を下す死神 千葉。

                  荒唐無稽といえばあまりにも荒唐無稽な物語ではあるが、嚙み合わない会話の妙を軸にしながらも、ハラハラドキドキ一気に読ませるところは、伊坂幸太郎の筆力のなせる業であり、「流石」である。

                  物語のいろいろな伏線が絡まりながら進んでいく展開も伊坂幸太郎らしい。

                  終盤の加速度的に盛り上がる対決シーンはさながら映画のようだ。

                  カーチェイスではなく車VSママチャリというのも想像すると凄い絵面である。

                  物語のエピローグに関しては賛否があるようだが、自分は好きだ。

                   

                  「殺伐とした世の中に、殺伐とした話では、芸がないですよ。」

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                  スマイル!笑顔と出会った自転車地球一周 157か国 155,502km
                  読書 / カーソン・ライダー 
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                    JUGEMテーマ:読書

                    時々、無性に物語ではなくノンフィクションの世界に強く触れたいと願うときがある。

                    書店で、手にして衝動的に買った一冊の本。

                    「スマイル!笑顔と出会った自転車地球一周 157か国 155,502km」(河出書房新社)である。

                    今までにもサイクリストの本は読んだことがある。

                    そして、感じるのはどの本にも共通しているのは人との出会いの素晴らしさ。言葉を超えた人間としてのつながりの温かさである。

                    15万キロ以上というのは、単純に計算しても地球4周分に相当するわけで、ただ凄いとしか思えないのであるが、不思議と読み終えたあと、自分とは全く異質のヒーローという感覚にならないのは、自転車という身近な存在があるからだろうし、小出さんの飾らない人柄によるものであろう。

                     

                    印象に残った場面はいくつもあるが、ボリビアのウユニ塩湖でのテントの写真で決まりだ。

                    ここにたどりつくまでの苦難や周囲100kmに渡ってなにもない世界観に圧倒される。

                    プロガイドでさえ、GPSを保持していても自分がどこにいるのかが分からなくなってしまうらしい。

                    まさに蜃気楼のなかの塩湖である。

                    「なんで、こんなところまで来ちまったんだよ。」

                    天に向かって咆哮を繰り返しながら進むなかで、突然廃墟のような家から「メリークリスマス」の声。

                    そこは先住民のインディヘナの家。そして、差し出されたスープ。

                     

                    僕はこの地球一周の旅で「誰もいない世界」を見たかったのではなく、「誰もいない世界などこの地球上にはなく、誰かが元気に暮らしている」ことを確認したかったのだ。

                     

                    自転車に乗って旅をしてみたいと素直に思わせてくれる本である。

                    僕は好きだ。

                     

                     

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                    劇場 切なさに胸がしめつけられるラスト
                    読書 / カーソン・ライダー 
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                      作家 又吉直樹の待望の第2作目「劇場」(新潮社)を一気読みした。

                      もともとは芥川賞を受賞した「火花」の前に書いていたという内容である。

                      最後の永田と沙希の別れの場面では、思わず目が潤んでしまった。

                      何年ぶりのことだろう。

                      あまりにも純粋な結晶のような恋愛小説である。

                       

                      他人から見れば、馬鹿同士が戯れている光景にしか見えないことだろう。でも、僕は沙希が笑っているこの時間が永遠に続いてほしいと願った。この沙希が笑っている時間だけが永遠に繰り返されればいいと思った。

                       

                      「手つないでって言うたら、明日も覚えてる?」

                      「うん? どういうこと?」

                      「明日、忘れてくれてんねやった手つなぎたいと思って」

                      「手をつなぐことを恥ずかしと思っている人、永くんだけだよ」

                      沙希の手はとても温かかった。

                       

                      感覚的に共感できる表現が多く、読んでいて大好きな女性を思い浮かべることが多かった。

                      そして、何といっても最後の場面。

                      ふたりにとっての思い出深い舞台公演の脚本にそって、お互いがセリフを交わしながら互いの思いを即興でつないでいくのである。

                      正直、やられたと思った。

                      特に、永田の言葉。切ない思いが溢れ出てくるその言葉は途中から読むのが苦しくなってきた。

                      「一番 会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろうな。」

                      その苦しさは、その言葉を聞いている沙希自身の苦しさでもある。

                      沙希の嗚咽がはっきり聞こえた気がした。

                       

                      ただ、欲をいえば、こんなに切なくも愛おしく相手を想っている二人なのだから、不器用だけれどお互いを求めてやまない狂おしいほどの性愛を描いてほしかった。おそらく、又吉直樹は意図的にそこを外したのだろうが、愛しているからこそ、些細な言動や行動で嫉妬に狂うし、暴力的に相手を欲するむき出しの思いもあるのではないかと思う。

                       

                      しかし、あくまでも個人的な意見であり、そういった描写がなくとも優れた恋愛小説であることには間違いない。

                      又吉直樹の作家としての力を改めて再確認することができた。

                      読み終えた後、大好きな女性に素直に逢いたいと思える小説である。

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