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心打ち震える100分 「ハイリゲンシュタット」後の2大曲コンサート
音楽 / カーソン・ライダー 
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    JUGEMテーマ:音楽

     

    昨日、横浜 みなとみらい大ホールにコンサートに行った。

    神奈川フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会 みなとみらいシリーズ第340回であった。

    テーマはズバリ ベートーヴェン。しかも「ハイリゲンシュタットの遺書」後の傑作2作品である「ピアノ協奏曲第3番」交響曲の概念そのものを変えたといわれている「交響曲第3番=エロイカ」に加えて、本邦初お披露目となるシチェドリンの「ベートーヴェンのハイリゲンシュタットの遺書―管弦楽のための交響的断章」というファン垂涎のプログラムであった。

     

    どれもみな素晴らしい演奏であった。個人的にはやはりエロイカに尽きる。

    古典派の交響曲で最長のものでもモーツァルトのジュピターの35分程度である。それを10分以上超えの当時の破格の巨大交響曲であった。特に、第1楽章の大きさはその繰り返しも含め、ハイドンやモーツァルトを越えていこうというベートーヴェンの熱い思いがひしひしと伝わってくる。

     

    以前にも記したが、聴力を失うという音楽家としての絶望的な状況下にあって、死後160年経ってなお色褪せることなく、異国の地に住む人間の心をとらえて離さない音楽を創造したベートーヴェンという人間のもつ力に、ただただ恐れ入るばかりだ。

    しかもその音楽には揺るぎない力があり、生きるエネルギーに満ちているのだ。

     

    もし自分がベートーヴェンの音楽にめぐりあっていなかったら、命を絶っていたかもしれない・・・。

    そんな絶望的な状況をかかえての出合いであったことも不思議な縁である。

    心打ち震える感動の100分であった。

    指揮者の高関健氏によるコンサート前のプレトークもなかなか興味深かった。

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    「司馬遼太郎」で学ぶ日本史
    読書 / カーソン・ライダー 
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      JUGEMテーマ:読書

       

      NHK出版新書「司馬遼太郎」で学ぶ日本史を読んだ。

      特に印象深かったのは、明治期においてヨーロッパという名の憲法国家のブティックに日本が入り、どの服が自分に合うかと模索していたところ、フランスとの戦いに勝利をおさめたドイツ・プロイセンに目がとまった。そして、着てみたら、天皇や政府といった頭や上半身の大きな当時の日本の身の丈にジャストフィットした。そこからドイツ服を買って帰ろうということになった。

      勿論、イギリス服がよいと主張していた大隈重信や福沢諭吉の考えはしりぞけられ、伊藤博文らの意見が大勢を占めるに至った。

      そして、ドイツ式の作戦思想が後の日露戦争に有効であり、勝利を収めたことでいよいよ「ドイツへの傾斜」を助長させる結果になったという部分である。

      このことを司馬遼太郎は「この国のかたち」に書いている。

      しかし、明治期はまだ日本の軍人は自国を客観視し、他国と比較する能力を有していたと指摘する。

      結局、昭和期の軍人がひたすらに勝ち目のない戦争に没入していったのは、あたかもドイツ人になったかのような自国中心の、まわりに目を向けることのなかったその独善性にあったと述べている。

      そして、ただ一種類の文化を濃縮駐車し続ければ、薬物中毒になるのは必然と指摘している。

      ドイツという薬物注射の中での「統帥権」こそが日本という人体を蝕んでいった。

      やはり、この辺の語りは強い説得力をもって胸に迫るものがある。

      この新書の著者は「武士の家計簿」で評判をとった磯田道史氏である。

      司馬遼太郎が、昭和期の物語を書く代わりに「この国のかたち」に込めた思いを知ることができた。

      大変、興味深い一冊である。

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      熱狂のW杯 いよいよ始まる・・・
      スポーツ / カーソン・ライダー 
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        JUGEMテーマ:スポーツ

         

        いよいよ来週から4年に一度の世界の熱狂の祭典 ワールドカップ ロシア大会が始まる。

        初戦がポルトガルVSスペインというのもワクワク感を助長させている。

        日本も監督を解任させ、何とか勝利への打開策を模索しているがなかなか前途は暗い。

        だが、応援しよう。

        SNS上では批判ばかりだが、勝ちたいと一番強く願っているのは選手たちなのだ。

        最終親善試合のパラグアイ戦に向けて、しっかり選手間でコミュニケーションを図って試合に臨んでほしいと願うばかりだ。

         

        私は勿論日本を応援はするが、ワールドカップの愉しみ方はそれ以外にあると考えている。

        前回大会の屈辱をブラジルは果たせるのかということも気になるし、肝心なところで力を発揮しきれないイングランドが化けるのかどうか。優勝候補に挙がっていないが、優秀なタレントぞろいのベルギーに台風の目になってほしいなど興味は尽きない。

         

        しかし、本大会にイタリア、オランダが不在なのは残念である。

        それだけ、ヨーロッパでの国同士の差が僅少になっているということでもあろう。

        今までにも数々のドラマを生んできたワールドカップ。

        さあ、今大会ではどんなドラマが生まれるのか。

         

        個人的にイチ押しはベルギーだ。

        マンCのデブライユ、チェルシーのアザールの活躍に期待している。

        キックオフまであと数日・・・

         

         

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        来日10周年記念公演 チェコフィルハーモニーゾリステン
        音楽 / カーソン・ライダー 
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          JUGEMテーマ:音楽

           

          先日、クラシックコンサートに出かけた。

          場所は横浜みなとみらい小ホールである。

          来日10周年記念公演! チェコフィルハーモニーゾリステン&ピアノである。

          チェコフィルはお気に入りのひとつのオーケストラであるが、その中の弦楽の名手たち、やはり流石とうならされる音色を響かせてくれた。

          名だたる賞を受賞していることが本物であることを証明してくれる圧巻の演奏であった。

          特に第一バイオリンの音の柔らかさに圧倒された。

          モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも短調として有名な20番も、主役のピアノの演奏はいいとは言えなかった。

          ここぞという場面でのミスタッチもあり、音がキンキンと響くのもこの曲のよさを減じていると感じた。

          一方で、弦楽の響きに心奪われた。

          シューマンのピアノ5重奏曲も同様である。

          みなとみらいの小ホールは初めての音体験であったが、音響のよさは抜群であった。

          現実のストレスをひととき忘れる異次元への小トリップを堪能することができた。

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          J POPのつまらなさ 楽曲の質の低下を憂う
          音楽 / カーソン・ライダー 
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            JUGEMテーマ:音楽

             

            日脚の伸びを実感する毎日である。

            やはり太陽の光はいい。気持ちが明るく、前向きになる。

            そんな日にはPOPSが似合う。洋楽は充実しているように思える。

            チャーリー・プースやショーン・メンデスの新作は今までの作品を越え、一段と成長した音が聴かれる。

            一方でJ POPはどうだろう?

            あくまで個人的な意見であるが、最近のバンドの音がどうも金太郎飴のようで、ボーカルスタイルも似たり寄ったり、楽曲も大差はない印象を受ける。強烈に心にフックするような曲は皆無である。

            世界的にメタル離れが加速しているというが、よほどメタルバンドの楽曲の方がドラマティックであったり、メロディアスであったり充実している。

             

            J POPでは竹原ピストルくらいしか聴いていない。つまらないからだ。

            まず大声でシャウトしようと思わせてくれない楽曲をいくら垂れ流したところで、カタルシスは訪れない。

            音楽は純粋に音を楽しむものであるが、日本の楽曲の質が低下しているのは紛れもない事実であろう。

            だから、今人気のJ POPバンドには総じて見切りをつけている。

            音楽そのものをファッションとしか考えていないようなバンドが雨後の筍のように噴き出していて飽和している。

             

            唯一、大好きなクロマニヨンズも最近はその曲に力がない。

            残念至極である。

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            新選組の料理人
            読書 / カーソン・ライダー 
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              門井慶喜の「新選組の料理人」(光文社)を一気読みした。

              新選組と言えば司馬遼太郎の「燃えよ剣」「新選組血風録」がその頂点を示すであろう。

              この小説は、ひょんなことから賄い方として、入隊をすすめられた菅沼鉢四郎の眼をとおして描かれた新選組の内側を描いた物語である。

              入隊したものの、気になるのは蛤御門の変で大火となった京から伏見へと逃げ延びた妻と子の安否。

              しかし、驚きの真実を目にすることになる。

              一方で、新選組に誘った隊士の原田左之助は妻をめとり、子をもうける。

              そのことによって左之助の内面がどう変化していくのかが、この物語の主軸であろう。

               

              新選組の隊士にとって、最も贅沢なことはいい女を抱くことでも、美味い酒を飲むことでもない。

              俗世の人が当たり前に望むことこそ、ただで成しているものこそがその贅沢なのである。

              だからこそ、家族をつくった左之助に対して、批判をしながらも心の裡では強い羨望の念がある。

              それが無用な諍いや葛藤を呼び起こす。

              その描き方がとてもうまい。思わず引き込まれる。

               

              最後の場面。剣の腕も立たず、臆病な鉢四郎が戦場の土塊となろうと決意する・・・。

              それは左之助の心境の変化と強いコントラストをなし、強く心に迫るものがある。

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              6時27分の電車に乗って、僕は本を読む
              読書 / カーソン・ライダー 
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                JUGEMテーマ:読書

                 

                休みの日は「読書」に徹している。

                「読書」こそ最大の娯楽という思いは変わらない。

                 

                「6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む」

                フランスの小説を読んだ。著者は、ジャン=ポール・ディディエローラン。

                短編で二度、ヘミングウェイ賞を受賞しているだけあって、物語を紡ぎあげていく構成の巧みさに感心した。

                 

                廃棄になる本を集めて、リサイクルするために破壊し、ドロドロのヘドロ状にする仕事に就いているギレン・ヴィニョール。

                大きな事件が起こるわけでもなく、淡々と過ぎていく日々の中で、電車の中であっとランダムに選んだ廃棄処理から零れ落ちた本のページを読むことがヴィニョールの一日に彩を与える出来事であった。

                そんな中、電車の中に残されていたUSBメモリーを手に入れたことが彼の人生を大きく変えていく力となる。

                そのUSBメモリーに書かれていたこととは・・・

                 

                ギレンの恋愛前夜の物語である。

                 

                ノートに並べて書いた数字の一番下に「1」と書き加えた。「14,718」は恋の始まりにふさわしい数字かもしれない。

                 

                この世界には、色という色をより鮮やかにできる、深刻なことを深刻でなくせる、寒い冬を暖かくできる、耐えがたいことを耐えられるようにできる、美しいものをより美しくでき、醜いものを少し美しくできる、そんな力を持った人がいると僕は知ったのです。

                つまり、僕の人生をより美しいものにできる人ということです。

                人生に変えられないことなど一つもありません。たとえば、「14,717」というつまらない数字だって、ちょっとした助けで美しく変えられるかもしれない。

                 

                地味だけれど、読み終わった後に心に吹く風は暖かく柔らかい。そんな気持ちにさせてくれる小説である。

                登場人物一人一人の造形描写の輪郭も鮮やかである。

                素晴らしい作品である。

                 

                 

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                福家警部補の考察
                読書 / カーソン・ライダー 
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                  ずっと読み浸っていた「山本周五郎」をはなれ、国内のミステリーを手に取った。

                  大倉崇裕の倒叙ミステリーシリーズ最新刊「福家警部補の考察」である。

                  倒叙ミステリーといえば、刑事コロンボが思い出される。

                  原作及びテレビドラマが大好きで、DVDももっている。

                  鉄壁とよばれるアリバイをどう崩していくのかが最大の読みどころである。

                  4作品が収められている。

                  読み易さは大倉崇裕の持ち味であろう。

                  また主人公の一見すると警部補には見えない、寝ない女「福家」のキャラも立っている。

                  個人的には、「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」が最後の謎解きのための仕掛けも含め一番楽しめた。

                  気軽にミステリーを楽しみには適しているだろうが、謎解きの切れ味という面ではやや物足りなさも感じた。

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                  うなる面白さ! 平城京のごみ図鑑
                  読書 / カーソン・ライダー 
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                    JUGEMテーマ:読書

                    書店をぶらぶらする楽しみのひとつとして、思いがけずに面白い本に巡り合えるということがある。

                    先日も、横浜の有隣堂でそういう経験をした。

                    その本とは「平城京のごみ図鑑」(奈良文化財研究所 監修)である。

                    特に、興味をそそられたのは「木簡」の果たしている役割についてである。

                    「木簡」というと当時の税であった「調」=全国の特産品を奈良まで運ぶ際の荷札というイメージが強いのであるが、実は個人情報をカード化したものであったり、さらには指の関節の位置を点で記して、IDカードの役割も果たしていたりというのであるから「ははあ」とうなってしまった。

                    また、何度も削って繰り返し使ったというリサイクル感覚であるとか、習字の練習に用いたとか、絵を描いたとかいろいろな使い方をしているところなど、ものを粗末に扱う現代人は学ぶべき点が多いと感じた。

                    そして、最終的には現代のトイレットペーパー代わりともいえる「チュウギ」にまで変身させているのであるから、まさに恐れ入るほどの徹底ぶりに感心した。

                    また有名な長屋王家の木簡からは犬や鶏を飼育するための部署が設けられており、それは子どもが担当しており、しっかり役目を果たせば米が支給されていたなど意外な事実を知ることができ、大満足の読書体験となった。

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                    山本周五郎の言葉
                    言葉 / カーソン・ライダー 
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                      JUGEMテーマ:音楽

                       

                      「僕は、今後僕のような時代小説を書ける作者は出てこないように思いますね。時代小説というと、かつらをつけて刀を振り回すだけだ。時代背景の描写と、刀を振り回していっぺんに五人も十人もぶった切るということしかない。小説とは人間を描くことで、状況を書くことじゃない。小説というのは、極限されたスペースへ無限大のものを描写するということで、テーマに関係のないものは木の葉一枚加えることはできないんですね。

                       

                      私の敬愛してやまない山本周五郎の言葉である。

                       

                      小説とは人間を描くものというところを読んで、やはり私を読書の世界へと誘ってくれた小説界の巨人 松本清張の言葉を思い出してしまった。清張も推理小説という範疇にとどまるのではなく、人間小説を描くことにこだわった作家であった。

                       

                      周五郎の小説の魅力は、彼の描きたい「テーマ」というものが端的かつ明確に伝わってくるところにある。

                      余計な言葉も無意味かつ冗長な描写もない。

                      ストイックなまでにも選び抜かれ、そぎ落とされたかのように見えるその文体の中にも、人間の善なるものを描き切ろうという温かさというものが確かに存在する。

                      そこに私は惹かれるのである。

                      たとえば、「おたふく」。

                      本当に短い作品であるが、そこには見事なまでの無垢なる邪気のない清々しいまでの女性の愛の姿が描かれている。

                      この作品をして、「下町物」といわれるものにおいて誰にも負けない作品を書いてみせるという自信をつけたというエピソードが残っている。

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