DAYS JAPAN休刊にふれて

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    ジャーナリズムとは何かを示してくれた月刊誌DAYS JAPANが12月号をもって休刊になる。

    シリアの内戦、福島の原発事故、沖縄、化粧品などの動物実験など様々な世界の問題を鋭い切り口で伝えてくれた雑誌であった。

    編集長であり経営の責任者でもあるジャーナリストの広河隆一がラジオで次のように語っていた。

     

    日本には、ジャーナリストを育てる素地がない。

    今の若者はジャーナリストを目指しているのではなく、新聞をはじめとする出版や報道関係の会社に入ることが目的となり、志を持たぬまま就活に追われている。

    会社の一員になることが主目的になれば、当然危険を顧みずに最前線に出向いてまで取材をすることなどなく、会社のきまり、政府の要請を諾諾と受け入れざるをえない。そこには本来のジャーナリストの果たすべき役割はない。

    テレビ局はCMのスポンサーの意向を慮り、現在戦争状態にある地域の子どもたちが血を流している映像などは一切シャットアウトする。購買意欲を掻き立てる上で必要とされる安穏とした番組しか作らない。

    戦争など他人事であり、血など流れない綺麗なものとでも思わせるようなイメージすら形成している。

     

    DAYSに限らず、雑誌の定期購読など商売として成り立たなくなってきている。

    紙媒体はもうおしまいという声も聞こえる。

    それでも私はしばしば購読して読んでいた。その理由は、自分が知らなくてはならない事実をありのままに提示し、問題意識をもたせてくれたからである。体制に媚びることなく、常に真摯に弱い人々の側に立ち続けるその姿勢に共感したからである。

    だから、この休刊が残念でならない。

    75歳になった病身の広河隆一の後を継ぐ、御用ジャーナリストではない、高い志をもつ若者を育てる環境づくりが求められているのではないか。強く感じている。

     


    Caroline

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      今日、オランダのロックバンド、ゴットハードの新譜「De Frosted2」が配信された。

      今まで発表してきた楽曲のアコースティックライブ盤である。

      10年以上前に発表された1も素晴らしい内容であったので期待は高まる。

      今日、配信されたのは日本独自のJapan Editionである。

      その中に新曲の「Bye Bye Caroline」も含まれている。

      この曲は、あのイギリスの国民的バンドともいわれるハード・ブギの雄「ステータス・クォー」の1972年発売の名盤「Hello」の中の名曲「Caroline」の返歌であり、この話題だけでも十分に楽しめる。

      そして、いろいろ探していたら、ステータス・クォーの2014年発売の「Aquostic」を見つけた。

      過去の名曲を選りすぐり、22曲をアコースティックで演奏しているのである。

      これが、感動するくらいいいのだ。

      逆に、本来の曲の旨味が素のままに伝わってくる。勿論「Caroline」も含まれている。

      思いがけずにこういう佳品に出会えて、素直に喜びを感じている。

      両バンドの「Caroline」を今日は思う存分楽しみたい。


      ベートーヴェン交響曲第2番

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        今、FM放送などから流れてくる音楽で聴きたいという欲求を満たしてくれる音楽は皆無なので、必然的に70年代後半から80年代にかけてのロックまたはクラシックを聴くことになる。

        昨日、今日とベートーヴェンの交響曲に耳を傾けていた。

        その中でも、あまり知られていない交響曲第2番ついて記す。

        この曲が作られたころのベートーヴェンの体調は最悪であり、難聴が最も進行していた時期である。

        同年には「ハイリゲンシュタットの遺書」も書かれた。

        しかし、この交響曲はニ長調ということもあるが、そういったことを感じさせる翳りのようなものはない。

        交響曲の形式を確立したハイドンの枠の中にあるといえばそうだが、1番よりは相当進歩している。

        ベートーヴェンらしい動機の繰り返しなどが見られ、スケルツォの名称を初めてつけた第3楽章など聴きどころは多い。

        後の交響曲第3番「英雄」や第5番「運命」という交響曲史上の最高峰に位置する作品があるために、目立たちはしないが素晴らしい作品であることに違いはない。

        やはりベートーヴェンは不滅である。


        戦国物語 信長と家康

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          今年も残すところあと一か月あまりとなった。

          1月からの読書を振り返ってみると圧倒的に歴史時代小説が多い。

          一方で、大好きなジャンルであった海外のミステリーを一冊も読んでいないことに気が付いた。

          その原因は一番はやはり心境の変化であろう。

          殺伐とした事件そのものを取り上げるミステリーに気持ちが傾かない。それよりも、武士道や正義、または人情といった現代社会の中で失われてしまったかつて日本人のもっていた美徳ともいえる資質を希求している自分がいる。これも年齢を重ねた由縁であろうか。

          そして、司馬遼太郎や葉室麟という作家のもつ物語を紡いでいく筆力によるところが大きい。

          しかし、何といっても今年一番読んだのは山本周五郎である。長編、短編あわせて30冊以上を読んだ。

          今日も講談社が編んだ戦国物語「信長と家康」を読了した。

          周五郎の魅力は決して歴史上の有名な人物を取り上げることなく、名もなき者の純粋ともいえる生き様を描き切るところにある。

          この戦国物語にしても、信長、家康にまつわる人々を取り上げたものであり、それぞれ4作品が編まれている。

          「死處」でも触れたが、講談社のこのアンソロジーは素晴らしい企画であると思う。編集者にあっぱれ!と言いたい。

          全部で8作品の中には既読の物も含まれていたが。改めてひとつのまとまりとして読んだとき、信長や家康の人物像がくっきりと浮かび上がってくる思いがした。

          信長編では「あらくれ武道」、家康編では「平八郎聞書」が個人的には気に入っている。

          どちらの作品もし、武士の気概とは何かが直截伝わってくる佳品である。


          「プログラミング」教育必修化に向けて

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            2020年度より、小学校教育において「プログラミング」が必修となる。

            独自の教科としてではなく、各教科や領域との関連を図った横断的な運用である。

            ということは、「プログラミング」そのものもそうだが、プログラミングの考え方がどの教科や領域に生かせるのかといった大所高所にたった「授業構想力」そのものが問われることになる。

            無料のソフトをDLしていくつかやってみたが、かわいいキャラクターが登場し、ゲーム感覚でプログラミングの基礎を学べるような内容になっており、子どもたちが楽しみながら取り組めるような工夫がなされている。

            要は、教師がその面白さや便利さをどう生かしていくのかであろう。

            頭の固い中年層の教師にとっては、しっかり研修を積むだけでなく、そのよさを授業実践を通して保護者に示していかなければならない。そのためには、小難しく考えたり、面戸臭がったりするのではなく、自らが「子ども心」に帰って、愉しみながら学んでいこうという前向きな気持ちをもつことが大切である。

            ただ、言うは易し、行うは難し。

            多忙を理由に後回しにするのではないかという懸念もある。なぜなら、新学習指導要領に沿って、各教科・領域のカリキュラムを作っていかなくてはならないからだ。

            「プログラミング」という新しい時代に向けての教育のひとつの花となるものが、最初から弱弱しく立ち枯れてしまうことのないよう、今から準備を行うことが必要である。


            じっぴコンパクト新書

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              空前の新書ブームと聞く。

              一昔前は新書といえば、岩波、中公・講談社が御三家と言われていた。

              今や、それぞれの出版社が新書を刊行し、表紙をパッと見ただけではどれがどこの出版社か分からない状態になっている。

              そんな中で、自分が気に入っているのが実業之日本社の「じっぴコンパクト新書」である。

              いつも文机の傍らに置いて時々何気なく見る時間が好きだ。

              まずその魅力は装丁である。カラフルでポップな色遣いがとてもいい。

              先日、レコードのジャケ買いについて少し触れたが、本も同様である。綺麗で見た目が良いほうがいいに決まっている。

              今日はそのシリーズの一冊である「英語おもしろノート」を読んでいた。

              決して学校では習わない英語の言葉の起源や独特の用法についてのライトな蘊蓄本である。

              たとえばbreakfast。意味は朝食であるが何をbreak(破る)のかまで知っている人は案外少ないのではないだろうか。

              実はfastは断食という意味である。

              つまり夕食から翌朝までの間、断食状態にあると考え、それを破る初めての食事が「朝食」という意味である。

              知るとなるほどと思わずつぶやいてしまうような話題が満載で飽きることはない。

              たまにはこういう本もいい。読書の愉しみのひとつである。


              影踏み鬼ー新撰組 篠原泰之進日録ー

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                このところ、ずっと葉室麟の作品を集中して読んでいる。

                いま、読んでいるのは「影踏み鬼 新撰組篠原泰之進日録」(文春文庫)である。

                新撰組を取り上げた小説では、司馬遼太郎の「新選組血風録」「燃えよ剣」、門井慶喜の「新選組の料理人」などを読んできた。

                何といっても「新選組血風録」の面白さに引き込まれた。

                葉室麟自身、インタビューで司馬遼太郎の作品及び司馬遼太郎自身を敬愛していると答えるくらいに、その小説の面白さは抜群である。

                小説には著者のものの考え方や見方が投影されている。歴史時代小説でいえばそれを「史観」とよぶ。

                よく司馬史観などという言い方をされることがあるが、今回「影踏み鬼」を読んでいて司馬遼太郎とは異なる葉室史観というものを感じた。

                それは新撰組のありよう、例えば土方歳三に対する見方である。

                司馬遼太郎は「燃えよ剣」の中で、冷血さや残忍さよりも、土方の人間的な成長を物語の主軸として描いている。

                鳥羽伏見の戦いで官軍の持つ洋式兵器に敗れた土方は、剣の時代の終わりを痛感し、オランダ陸軍が編んだ「歩兵心得」を貪り読み、最終決戦となる函館においてもめざましい活躍をする。つまり、人間としての成長を戦を通して続けているのである。

                一方、葉室麟は新撰組が京都で果たした役割の中でも「内部粛清」の非道さについて述べ、決して殺戮行為を時流に乗ったこととして正当化や美化するようなことはない。

                「内部粛清、内ゲバの陰惨さが今でも躰の中に残っているから、小説の中で人殺しを美化することはしません。」

                この言葉がその思いを端的に表している。

                だからこそ、土方の対極ともいえる篠原泰之進を主人公にし、人間にとって大切なことは「いまやっていることがきれいかどうかだけだ。」とう言葉を与えているのだと思う。

                師と仰いだ伊藤甲子太郎が新撰組の手で無残に殺され、路上に放置されている場面での篠原の思いが強く胸に迫るのは葉室史観の表れであろう。

                なんたる非道。なんたる暴虐。新撰組は禽獣か。

                泰之進は言葉を失った。

                われらがなすべきことは、涙を流すことではない。伊藤先生の復仇を果たし、近藤と土方の首を墓前に捧げることだ。


                「ベストヒットUSA」 小林克也の言葉

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                  今日の深夜FMを聴いていた。「ベストヒットUSA」である。

                  1980年代においては洋楽の最先端を紹介する草分け的なテレビの人気番組であった。

                  MCはその頃と同じ小林克也である。

                  あの独特の語り口はいまも健在であった。

                  チャート形式で曲を紹介していく中で、気になった言葉があった。

                  「アメリカではいまアルバムは全く売れない」ということである。

                  十数曲まとめたアルバムを買う人は大幅に減り、i Tunesなどを通じてよい曲があれば曲単位で購入する人が圧倒的に増えたということである。曲単位で買ったものを集めて自分のお気に入りのプレイリストを作るというのがトレンドであるらしい。

                  そういう流れ合わせて、アーチスト側も頻繁にシングルを作って配信する傾向が見られるという。

                  アリアナ・グランデなどが顕著な例であるということを語っていた。

                   

                  自分が若い頃はレコード盤のジャケットも含めて「コンセプトアルバム」というアーチストの表現したいテーマが如実に表れているものが存在し、ファンにとっては人気が高かった。もうこれからの時代コンセプトという概念すら消えていくのかも知れない。

                  少し寂しい気がする。

                  レコード店での試聴もままならない時代であったので、ジャケットから音を想像したり、ジャケットそのものに惹かれてレコード購入に走るということもあった。いわゆる「ジャケ買い」である。

                  今はどのアーチストのジャケットを見てもアートを感じさせるものが少ない。

                  レコードに比べて、表現するスペースが小さいということもあるがJPOPなどは大抵がアーチストの顔や姿を載せていればいいやくらいの感覚でつくっているものが圧倒的に多くて、没個性の極みである。

                   

                  だから、必然的に耳を傾ける音楽が70年代や80年代の音楽に回帰することになる。

                  最近、よく聴いているのは1974年発売のkansasのファーストアルバムである。

                  ヴァイオリンとキーボードの絡みが絶妙であり、40年以上前の作品とは思えない色褪せない音楽である。

                  プログレッシブ・ロックなどというジャンル名をいま言っても理解不能なのだろうが、その時代を代表する音が確かに存在した。

                   


                  司馬遼太郎と明治 標的にされた会津

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                    幕末から明治維新にかけての歴史の大きな移り変わりの中で描かれた物語が好きである。

                    その影響は司馬遼太郎の著作によるところが大きい。

                    先日、書店で思わず立ち読みをし興味をそそられた本がある。

                    「司馬遼太郎と明治」(朝日新聞出版である。

                    司馬遼太郎が様々な人物を通じて、「明治」について思う存分に語っている。

                    特に、印象深かったのは「標的となった会津」である。

                    会津といえば松平容保。司馬遼太郎は「王城の護衛者」という作品で戊辰戦争を敗者の立場から見事に描いてみせた。

                    その執筆に感激したのはその当時の会津松平家の当主 松平定保氏である。

                    「祖父容保の立場と心事を維新後初めて公平に書いて下さったという過褒であり・・・」と司馬遼太郎あてに電話をしたという記録が残っている。

                     

                    司馬遼太郎は会津との関係性を大切にした。何度も訪れ、講演会を開いた。その中で次のように語っている。

                    「会津は心ならずも明治維新に倫理的に抵抗した土地であり、その情念が精神の土壌になっている。」

                     

                    会津藩の藩祖保科正之が定めた15か条の家訓。

                    「わが子孫たるものは将軍に対して一途に忠勤を励め。他の大名の例をもってわが家を考えてはならない。」

                    この決まりが幕末の容保の大きな枷となった。

                    つまり、会津藩は幕末において我が国で唯一といえるほど「倫理」「忠義」というものを通した藩であったといえる。

                    「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉が生まれるのだが、司馬遼太郎は戦いに敗れた会津藩の示した忠節さというものに光をあてる先駆者となった。

                    そして、「太平洋戦争の敗戦ですら、戊辰戦争の敗戦の深刻さに及ばないというほどの土地の怨みは歴史の中の過去として忘れてしまっている我々の無邪気さをはげしく叱咤する」と語るのである。

                    薩長土肥にとっては明治維新150年は祝賀行事だが、長岡、会津にとっては戊辰150年の悲しみに溢れた行事と語る会津藩校日新館館長の宗像精さんの言葉が印象深く胸に響く。


                    「素朴派」 アルフレッド・ウォリス

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                      自分自身にとって初めての絵本の下書きは大体終えることができた。

                      題材は宮沢賢治とクラシック音楽とのつながりについてである。

                      まだ出来上がっていないのだが、ふと次に書くとしたら何を題材にしようかと頭を巡らせてみた。

                      気が早いと言われそうであるが、記念として一冊で終わりというのでは何かつまらないと感じたのである。

                      いろいろ考えてみた時に閃いたのが数年前に世田谷美術館で見たアンリ・ルソーをはじめとする素朴派と呼ばれる人たちの絵である。

                      「素朴派」とは、簡単にいえば画家を職業としない者が、正式の美術教育を受けぬままに絵画を制作しているという絵画のひとつの流れである。特に有名なのは、さきにも記したアンリ・ルソーであろう。

                      個人的に私もルソーの絵は好きである。

                      しかし、次の絵本の題材にしたいのはアルフレッド・ウォリスである。

                      彼についてはほとんど文献もなく、日本での展覧会も今までにわずか2回というわが国では知名度がほとんどない画家である。

                      しかし、本国の英国では有名である。

                      彼に注目した理由は、船乗りであったかれが70歳を過ぎてからキャンバスに向かったという事実である。

                      無名の彼が世に出るきっかけとなったのは、彼が住むコーンウェルの港町、セント・アイブスを訪れた画家であるベン・ニコルソン、クリストファー・ウッドが偶然にも、ウォリスの家の前を通りかかり、壁に掛かった絵を目にしたことによるものだ。

                      ボール紙の切れ端、廃材に船舶用のペンキを用いて描かれた絵が、英国の美術界に大きな衝撃を与えたのである。

                      こういういきさつを知ると、俄然ウォリスに対しての興味が湧いてきたのである。

                      どこまで調べられるか分からないが、挑戦してみたい。


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