巨人軍の目に余る凋落

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    JUGEMテーマ:スポーツ

     

    野球そのものの地上波での放送の激減のひとつに巨人軍の成績不振というのが挙げられるだろう。

    野球賭博、暴力事件にとどまらぬ様々な不祥事に加えて、今季は12年ぶりの負け越しとなればその凋落ぶりは悲しいほどだ。

    まだ、私の子供が小さい頃はナイターを見ながら晩酌をするという生活スタイルがしっかり根付いていた。

    長嶋監督時代だ。メイクミラクルなど野球関連の言葉が流行語になっていたよき時代である。

    それにしても、今年の勝負弱さは目も当てられぬほどである。

    責任は監督及びコーチ陣の無能無策であろう。

    高橋由伸に監督としての器量はない。

    あれだけの戦力で負け越しというのは首脳陣の責任である。

    しかし、いつまでたっても「球界の盟主」という殿様気分が読売グループ自体にはあるので、生え抜きにこだわりこの体たらくな現状をつくりだしているのだ。

    また、勝っても負けても無表情では選手の気持ちが高まるはずもない。

    そこそこの野球センスで苦労もせず大学、プロと過ごしてきたためか「ハングリー精神」がもともと希薄なのであろう。

    そんな指導者など不要である。

    いまの巨人軍に必要なのは、選手を鼓舞するモチベーター型の指導者である。

    ただコーチの村田などは現役時代はよかったが、指導する力量のないその場しのぎの指導法しか持ち合わせていないので不要である。

    もはや「生え抜き」にこだわっている時ではないだろう。

    少なくとも、私の周囲に巨人ファンだと公言する人はいなくなってしまった。

    ファンは最後まであきらめずに真剣にひたむきにプレーする姿を欲しているのだ。

    そこが自分たち「野球人」の原点であることすら忘れている。末期的症状である。


    チョコフレーク製造中止とスマホの関係

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      JUGEMテーマ:ニュース

       

      今日の朝日新聞の天声人語はとても興味深かった。

      森永製菓のロングセラーであった「チョコフレーク」が製造中止になったことについてである。

      販売が不振になった理由は「スマホ」だということだ。

      今の若者はポテトチップも箸で食べるのが常識ということだそうであるが、結局スマホを操作するにあたってチョコが指先についてべとつくいうことが大きな原因だというのだ。

      指先をなめながらというのが不潔ととらえられることもあるらしい。

      指先をせわしく動かす現代人には受け入れられないということなのだろう。

      その他、スマホによって退場を迫れらたものとして腕時計や地図などが挙げられていた。

      スマホの便利さは日常生活の大切なツールであるが、一方で、立ち止まってじっくり考えたり、時には悩んだりすることも大切なのではないか。

      そんなことを感じる日々である。

       

       


      ブルックナーの音世界

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        JUGEMテーマ:音楽

         

        数年前のブログを読み返してみた。

        ブルックナーの交響曲4番を初めて聞いた時の感想である。

        メロディは豊かであるが、音楽としてのドラマ性に欠けるなどと記していた。

        赤面する思いである。何も分かっていなかった・・・

        最近毎日のように交響曲4番、5番を聴いているのだが、心に深く響く音世界がそこにはある。

        いま、日本でも馴染みの深いヘルベルト・ケーゲル指揮によるライプツィヒ放送交響楽団の5番を聴いているのであるが、ケーゲルらしい紛らわしさを排した輪郭のくっきりとした深い味わいの演奏に酔っている。

        先ほど、偶然にもNHKの第2ラジオでN響の過去の名演奏ということでギュンターヴァント指揮の5番が流れていたが、素晴らしい演奏で聞きほれてしまった。

        ブルックナーの交響曲は演奏時間が長い。その長さを緊張感を持続させながら、緩むことなく演奏するためには相当の力量が演者に試されるのある。音楽家の池辺晋一朗氏の話によれば特に金管楽器が難しいと述べておられた。

        N響の実力を改めて知った気がする。

        ブルックナーの交響曲に出会ったことはオペラに開眼したのと同様に、今年の自分自身にとっての大きな収穫である。

         


        天地静大

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          クラシック音楽と山本周五郎の本。

          最近の休日の決まった過ごし方である。

          ブログでは音楽のことをテーマに書くことが多くなったが、本にも親しんでいる。

          周五郎の長編「天地静大」(新潮文庫)を読み終えた。

          時代は幕末。王政復古の大変革の中、倒幕派と佐幕派の分かれての殺戮が横行している中で、自分の未来の行く末に怖れ、戦き、右往左往しながら生きている若者たちが主人公である。

          杉浦透もその一人である。

          「おれたちに、はたして将来はあるだろうか。おれたちに生きていくことができるだろうか。」

           

          上巻は時代のうねりが押し寄せてくるその前夜という感じで、物語が静かに大きく動いていくさまを表している。ともすれば、周五郎らしからぬドラマ性の薄い展開が淡々と続く。

          しかし、下巻に入るやいなや、一気に様々な人間模様がドラマティックに展開し、奔流のような勢いで進んでいく。

          そこには、時代の変革に伴う政治的な色合いだけでなく、男と女の真実の愛、狂人になってまで女性を思い続ける悲哀、弱い者同士が結びつく人情、一命を嫁して問う武士の誇りなど、周五郎作品のテーマの集大成ともいえる内容がぎっしり詰め込まれている。

          面白くないわけがない。

           

          「人間が苦しんだり悩んだり、殺したり愛し合ったり、権力の争奪に狂奔したりしているとき、山河はいつも変わらず、このように静かに、重々しくしっかりと存在している」

          ーおれは自分の学問を守り抜いていくぞー

          杉浦透のこの言葉は、不確実・不透明な現代社会に生きる私たちにそのままあてはまる言葉であり、強いエールでもある。

           

          最後に、透と結ばれるふくの存在がこの作品に実に清々しい色どりを与え、大きな魅力を放っていることを付け加えておく。


          心の解放区 クラシックコンサート会場にて

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            今年の一番の収穫というか自分のライフスタイルの大きな変化は、クラシックのコンサートに行くようになったことである。

            先週の金曜日の夜も、サントリーホールに出かけてきた。

            読売日本交響楽団の定期演奏会である。

            カンブルラン指揮による演奏を聴くのは今回が初めてであった。

            お目当てはブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」であった。

            大体、コンサートに行く前にその日に演奏される曲については調べたり、聞いたりして行くようにしているのであるが、今回は仕事の面での忙しさもあり、下調べなしで聴くこととなった。

            正直、ブルックナーの交響曲を聴く機会は個人的には少ない。

            3番の「ワーグナー」くらいのものであった。

            4番はブロムシュテットによるドレスデン・シュターツカペレのCDしか持っていない。

            それにしてもあまり聞かずにいるので初めて聴くに近い状態であった。

             

            ブルックナーといえば、いろいろな版があるので有名な作曲家である。

            今回、耳にしたのはあまりコンサートで演奏されることがないという1888年稿/2004年刊コーストヴェット校訂版であった。

            今、部屋で聴いているCDのほうはノヴァク版である。

            その違いを聴き比べるのも楽しみのひとつであるが、第2楽章のチェロの哀愁を帯びた音色、第3楽章、別名「狩りのスケルツッオ」のホルンの響きに酔わされた。また、私の客席の目の前がコントラバスということもあり、低弦の弱音の響きがとても印象的であった。

            やはり生の音には心を揺さぶられる。

             

            サントリーホールなどのクラシックコンサート会場は今の自分の心を解き放す場であり、現実を忘れさせてくれる異次元の空間である。

             

             

             

             


            ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら

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              先日、神奈川フィルハーモニー管弦楽団による定期演奏会みなとみらいシリーズ342回を聴きに行った。

              演目は名匠 小泉和裕によるドイツ プログラム ブラームスとR.シュトラウスであった。

              ブラームスは交響曲第3番。R.シュトラウスは交響詩「ドン・ファン」と「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」であった。

              ブラームスは尊敬するベートーヴェンの偉大なる交響曲9曲に圧倒されるがあまり、生涯にわずか4曲の交響曲しか作曲していない。

              第一番を完成させるのに構想から実に20年以上の月日を要した。

              第3番は彼が50歳を過ぎてからの作品であり、老成といった趣をたたえている。演奏機会も他の3曲に比べて少ない。

              一言でいえば、地味でありいぶし銀的な色合いの交響曲である。

              この日も演奏で一番心をとらえられたのは、神奈川フィルにとって初めての演奏になる「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」であった。

              実は私にとってもこの楽曲に触れるのはこのコンサートが初めてであった。

              R.シュトラウスといえば、映画やテレビCMでも有名な「ツァラトゥストラはかく語りき」の序奏が有名である。

              しかし、人気という点では「ティル」らしい。

              多彩な楽器の音色が楽しめる楽曲であり、特にティンパニーの響きが心に強く響いた。

              コンサート帰りに早速タワーレコードに立ち寄り、ショルティのCDを買い求めた。

              普段あまり耳にしない交響詩に触れることができたことは、新たなジャンルへの扉を開くという意味においてもよい機会となった。


              ベートーヴェンが嫌悪したオペラ

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                この前に、ベートーヴェン唯一のオペラのことを書いたばかりだが、その続きである。

                ベートーヴェンが「フィデリア」を完成させるために多大な心血を注いだことは周知の事実であり、出だしの音楽はモーツァルトの「フィガロの結婚」を参考にしたのは有名な話である。

                いま、私は「フィガロの結婚」を聴きながらこのブログをしたためている。

                だが、彼はモーツァルトのオペラを嫌っていた。特に最高傑作と名高い「ドン・ジョバンニ」に対してである。

                主人公、ジョバンニは女性のことしか考えていない破廉恥な男である。

                常に新しい獲物を狙い、甘言を弄して犯すことだけ考えている。

                オペラの出だしが婦女暴行未遂というのも前代未聞であろう。

                ベートーヴェンはこれが許せなかった。

                音楽とは人間の精神を高める崇高なる使命をもった芸術であるという思いが強いからである。

                彼にとって、モーツァルトの創り出すオペラはポルノそのものであった。

                だからこそ、オペラを創り出すことも敬遠していたという識者の論もある。

                その一方で晩年の傑作「ディアベリ変奏曲」の中の22変奏において、「ドン・ジョバンニ」の中の「昼も夜もこきつかわれて」というメロデイを挿入した。それは依頼者への異種返しともいえるものであった。

                オペラの内容そのものは毛嫌いしていたのだが、その歌劇の中で使われるメロデイの美しさには目をとめていたということであろう。

                面白い逸話である。


                読書の愉しみ・思わぬ掘り出し物との出合い

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                  先月は一か月で12冊の本を読破した。

                  中心は司馬遼太郎や山本周五郎であったが、意外な掘り出し物もあった。

                  柳広司の「シートン探偵動物記」(光文社)吉森大祐の「幕末ダウンタウン」(講談社)である。

                  柳広司は今までにも夏目漱石を探偵役に見立ててのミステリーがあり面白く読ませてもらった。

                  やはり今回もシートンの動物に関する博学な知識をベースにしながら緻密に謎を解いていく過程を楽しませてくれる。

                  なかなかの佳品である。

                   

                  「幕末ダウンタウン」は第12回の小説現代長編新人賞を受賞した作品である

                  新選組とお笑いを組み合わせての京都・大阪など上方を舞台にしてのストーリー展開は実に小気味よくおもしろかった。

                  吉森氏はよほどお笑いが好きなようで随所にギャグやお笑い番組名が取り込まれている。そこも本書のひとつのみそである。

                   

                  「およそ男子の仕事とは、やりたいことをやることではない。やるべきことをやることだ。誰にもやるべきことがある。」

                  新選組隊士・濱田精次郎の人間としての成長を描いた爽やかな青春小説といえよう。


                  フィデリオを聴け!

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                    JUGEMテーマ:音楽

                     

                    聴く音楽に迷ったときは、ベートーヴェンを選ぶことにしている。

                    この夏、一番聞いたのは彼が唯一残した歌劇「フィデリオ」である。

                    ベートーヴェンはオペラの作品作りには相当、苦しんだ。

                    スタートにあたって、お手本にしたのはモーツァルトである。

                    だが、次第次第に従来のオペラを脱却していくのである。

                    「フィデリオ」はいわゆる救出オペラといわれる内容である。

                    無実の罪でとらわれている政治犯をいかに救い出すかという物語の筋立ててある。

                    しかし、ただ「スリリングなオペラ」で終わらせないところがベートーヴェンである。

                    「自由」と「正義」を朗々と歌い上げ、思想と倫理の領域にまで高めたのである。

                    オペラ好きからは「堅苦しい」といわれるゆえんであるが、そこがベートーヴェンの芸術なのだと思う。

                    「自由、平等、博愛」を旗印に掲げたフランス革命を目の当たりにしたベートーヴェンにとって、その旗印こそ彼の理想そのものであった。

                    いろいろなディスクを聴いてみたが、最終章のフィナーレの高揚感・疾走感はショルティの手によるシカゴ交響楽団の演奏が格別であった。

                    全体を通してのドラマティックさという点ではバーンスタイン指揮のウィーンフィルのものであろうか。

                    クラシック音楽好きではあるがオペラに馴染めずにいた自分にとってオペラのよさを教えてくれたのはベートーヴェンである。

                    いまはドイツ語の対訳本を見ながら楽しんでいる。


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