チェリビダッケの新世界より

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    JUGEMテーマ:音楽

    数多ある交響曲の中でも、特に好きなものとしてドヴォルザークの9番「新世界より」がある。

    そして、先日輸入盤としてセルゲイ・チェリビダッケ指揮  ミュンヘンフィル交響楽団による1988年のライブ盤が発売された。

    早速興味津々で買い購め、聴いてみた。

    ある意味、チェビリダッケにしか表現できない「新世界より」である。

    晩年のチェリビダッケはテンポが遅いのが特徴であるが、特に第2楽章のLargoのゆったりとした流れは独壇場である。

    チェコの大地に思いを馳せたスケールの大きな演奏は心地よい。

    チェリビダッケといえば、リハーサルが長く、楽団員には厳しく、完璧を要求したことでトラブルが絶えなかった。

    中でもベルリンフィルとの確執は有名な話である。

    来日した際にもチューニングだけで数十分を要したというエピソードもある。

    それくらい自分の求める音にこだわった指揮者である。

    この「新世界より」も一度聴いたら忘れられない名演である。


    Windowsなど糞食らえ!

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      JUGEMテーマ:日記・一般

      今までもそうであったが、人間関係や職場環境というストレスも緩和されたいま、大概頭にくるのはwindowsPC絡みのことである。

      以前、茂木健一郎も語っていたが、マイクロソフトという会社はユーザーの使い勝手いう人間工学的な見地に立ったものの考え方がどうもできない会社である。

      サクサク仕事をするなどというのはwindowsを使っている限り妄想である。

      今日もこのブログを更新しようとして立ち上げたのだが、一向に接続できず、できたかと思いきやログインができない。

      仕方ないのでi PADを使っている。

      原因は分からない。それが一番腹立たしい。ネットに接続するだけで何故途方も無い時間を要するのか?

      以前のパソコンも使っているうちに同じ状態になった。

      何か根本的、構造的に欠陥があるとしか思えない。余計なお世話的なアップデートも腹立たしい。

      ヘビーユーザーではないので、ネットの閲覧か文書処理の仕事がしたいだけだ。

      それも覚束ない。

      windowsなど糞食らえだ!

       

       


      久々のファンタジー 傑作!魔女集会通り26番地

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        仕事の疲れも確かにあるが、ブログを書こうという気力がわかなくなってきているのも事実である。

        多くの人々に発信というよりも、自分自身のために始めたはずなのに、いつの間にかそれが重荷になってきている。

        何かしっかりした内容を記さなくてはならないと余計な負荷を与えている格好をつけた自分がいる。

        そういう部分に嫌悪を覚える・・・

         

        それでもこうして書くのは、久々に読書体験の中で嬉しいことがあったからだ。

        実にゲド戦記以来となるファンタジー小説を読んだ。

        「魔女集会通り26番地」(偕成社)である。

        今から、40年前に書かれた作品である。作家はファンタジーの女王といわれた、ダイアナ・ウィナ・ジョーンズである。

        ハリーポッターほどのスケール感はないにせよ、ごく普通の人間と魔法を操れる人間が一緒に暮らしているという設定は斬新であるし、主人公であるキャットの存在が名前からしてかわいらしく、わがままな姉 グウェンダリンに操られる様は頼りなくもあるのだが、キャットの名に込められた「謎」そしてあっと驚く予想外のツイストという展開にハラハラドキドキしながら450ページ超の大長編も一気に読み終えた。

        そして、読みながら、エアロスミスの「ナインライブス」を思い出しニヤリとしてしまった。

         

        今は、その作品にも登場する大魔王であるクレストマンシーのシリーズ1作目となる「魔法使いはだれだ」(徳間書店)を読み始めている。予想通り、面白い展開である。設定が身近なので、ハリーポッターよりも気軽に楽しめるよさがある。

        明日は土曜出勤の代休日。

        たっぷりと読書を堪能したい。


        ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番の最高峰

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          JUGEMテーマ:音楽

           

          連日のラフマニノフのピアノ協奏曲についてである。

          いやはや凄い演奏に出逢ってしまった。

          レイフ・オヴァ・アンスネスとアントニオ・パッパーノによるピアノ協奏曲2番のライブ盤(2005年6月)である。

          アンスネスはベートーヴェンのピアノ協奏曲全集も録音しており、私の愛聴盤として欠かせない存在になっている。

          しかし、この組み合わせによるラフマニノフはその出来栄えより数段いい。

          確かにリヒテルのようなスケール感はないものの、ラフマニノフがもっているロマンチシズムの表現としては、アンスネスのほうがしっくりと耳に馴染むし、流麗さにおいては格段に上である。

          一番の違いはそのピアノを支えるバックのオーケストラの違いである。

          リヒテル盤のほうはワルシャワ国立フィル・ハーモニー交響楽団であった。あくまでもリヒテルの引き立て役でしかなかった。

          このアンスラス盤はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団である。

          ヴィルティオジティにおいては流石に世界一の力量であることは間違いがないであろう。

          それくらい、ベルリン・フィルの演奏力か際立っている。

          ど素人の私ですら一聴して感じてしまうのだから、耳に肥えたクラシックファンならばその違いに歴然とするはずである。

          2番の演奏終了後、飛び込んでくる「ブラボー」という声と熱狂的な拍手がこの演奏の素晴らしさを証明している。

          私が今までに聴いてきたラフマニノフ2番の最高峰である。

          まさに圧巻である。

          繰り返して何度も聞いていたい名演がここにある。


          ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番・3番の抒情の凄味

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            JUGEMテーマ:音楽

             

            「チャイコフスキーにかえれ」

            ロシアの大作曲家 ラフマニノフの主張である。

            調性音楽の枠が崩れ、現代音楽が台頭してきた20世紀前半に19世紀のロマン主義を継承する形で登場してきた。

            中でも、ピアノ協奏曲2番、3番がお気に入りである。

            どちらも映画に使われており、抒情的なメロデイが心にしみる。

            また、ピアノ弾きにとつてみれば超絶技巧が求められる曲でもある。

            2番では、やはりロシアの20世紀を代表する名ピア二スト スヴァトスラフ・リヒテルの演奏が秀逸である。

            骨格のしっかりしたスケール感の中にも、表情を豊かに表すそのピアニズムは圧巻である。

            佐渡裕指揮による辻井伸行の作品も好きだが、やはり足元にも及ばないといったところである。

            思えば、ピアノ協奏曲というジャンルを聴こうという気持ちにさせてくれたのが、リヒテルが幻のピアニストから西側諸国に初めて登場した時に演奏したベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番であった。

            彼自身「1番が好きだ。」と語っていたように、その語り口は導入部から風格に満ちており、終始一貫堂々としており見事である。

            3番はホロヴィッツである。

            作曲者から「この曲を完璧に消化している。」と言わしめたその演奏は、繊細な音の細部に行き届く表現からフォルテの強奏まで、目も眩むばかりの鮮やかさである。

            しばらくはラフマニノフのピアノ曲に浸っていたい。


            人もいない春

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              西村賢太の芥川賞受賞作「苦役列車」へと連なる私小説「人もいない春」(角川文庫)を読み終えた。

              文庫本で200ページ足らずなので、短時間での一気読みである。

              自分にとって西村賢太は得難い魅力をもった作家である。

              気分が落ち込んで八方塞がりの状況になった時に、まっさきに思い浮かべ、読みたいという衝動に駆られるのである。

              特に、北町貫太の「秋恵もの」と名付けられている小説にである。

              「人もいない春」の解説を女優の南沢奈央が書いているのだが、なかなか鋭いことを述べている。

               

              酷く孤独で残酷なところがあるのに、何故だかちょっと笑えてしまうような不思議な滑稽さや安心感も感じてしまいます。

              そして、西村作品に通底しているものとして「失うものはなにもない」強さと表現している。

               

              私は深く共感してしまった。まさにその通りである。

              滑稽なほどに不器用で、猜疑心が殊の外強く、超がつくほどの短気。秋恵に対してかわいさあまって憎さ百倍ともいうべき暴言・暴力の嵐。

              それでいて、惨めなほど後悔の念に苛まれ、自己嫌悪をいだくほどに苦しみのたうつ姿に、「馬鹿だな。貫太は」と思わずつぶやいてしまうのである。それは決して軽蔑ではなく、同じ男の心根として「分かる」と頷いてしまう共感が心の中にあるからだ。

              特にこの作品の中に描かれている秋恵への思いは、他の作品にはあまり見られないほどの「優しさ」に溢れているものが多い。

              最後に収録されている「昼寝る」の高熱を出して寝ている貫太のためにパートの休憩時間も帰宅して、甲斐甲斐しく看病をしてくれる秋恵に対してがパートに戻るときのシーンなどにそれは顕著に表れている。

              さすがに貫太も、彼女がいなくなったあとで泣いてしまった・・・

              そして、秋恵が熱で倒れた時に己が投げかけた暴言の酷さに打ち震えるのである。

              「ひと思いにこの世から自分だけ消えなくなってしまいたかった。」

               

              そんな貫太が私は好きだ。

               

               


              私の恋人

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                第35回三島由紀夫賞を受賞した上田岳弘の「私の恋人」(新潮社)を読んだ。

                あの又吉直樹の「花火」と賞を争った作品である。

                まず、物語の設定がおもしろい。

                10万年前、クロマニョン人であった主人公の「私」が、第二次世界大戦前のドイツ ベルリンではユダヤ人 ハインリヒ・ケプラーに生まれ変わり、そして、現代の世では日本人 井上由祐と生まれ変わりを遂げ、永遠の恋人との出会いを求めるのである。

                だが、タイトルに騙されてはいけない。

                時空を超えた甘い恋愛小説ではない。

                人類が進化発展を遂げていく過程の中で、同じ過ちを繰り返しながら生きて行くのが人類そのものの歴史であるという事実を例証しながら突き付けてくる。その代表が虐殺をはじめとする殺戮である。ナチスのユダヤ人虐殺しかり、アメリカのインディアン虐殺から原爆投下。現代におけるイスラム原理主義に基づくテロ行為などなど。

                 

                そんな人類の行く着く先のことなど、聞くまでもなく分かり切っていたことだと語る主人公。

                 

                それなのに、なぜだろう?私はあの時、私の恋人に呼びかけずにはいられなかった。

                10万年前になした私の問いかけの答えさえ、それが眼前に現れると、きっと躊躇なく踏んづけて粉々にしてくれる、諦めを知らない、たまらなく可愛い、私の恋人。

                 

                情け容赦のない不寛容な人類の歴史の繰り返しの中にあって、好きな人に逢いたいと素朴に思う真情こそが救いになる。

                ラストにそんな光を見たような気がした。

                 


                きみはいい子

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                  一週間前に読み終えていながら、書きそびれていた本がある。

                  数年前に話題になった中脇初枝の「きみはいい子」(ポブラ社)である。

                  確か、2013年の本屋大賞の第4位にランクインした本である。

                  なぜ、書きそびれていたのか?

                  それはこの本の扱っているテーマの重さである。

                  「虐待」。実際に大阪でおきた児童虐待の事件にインスパアされたという話も聞いた。

                  連作短編集であり、読みやすいのであるが、読み進めていくことが辛い自分がいた。

                  実際、自分も少年期において父親からの虐待を体験している。

                  自分に対してというより、母親に対する暴力のほうがすさまじかったのであるが、その体験は今でも心の中に巣食う「悪夢」である。

                  そんな記憶も呼び覚まされてしまった・・・

                  子どもを愛したいのに、愛せない。

                  虐待されたつらい体験があるにも関わらず、母になったいま、子どもに対して同じ虐待を続けている女性。

                  虐待された体験を乗り越えることが出来ないで、認知症になった母親と向き合う女性。

                  この話に出てくる心の闇をかかえた主人公たちの思いが痛い。

                  読んでいて、何度も何度も立ち止まる自分がいた。

                  個人的に一番、心に残ったのは最後の「うばすて山」である。

                   

                  痛くて閉じようとする目を、おかあさんが無理に指で広げた。わたしは、のけぞって逃れようとしたが、おかあさんの力は強かった。わたしをおさえつけて、わたしの目を舌でぺろんとなめた。

                  わたしは目を開いた。もう、どこも痛くなかった。

                  おかあさんは笑っていた。顔全体で。

                  ブランコが揺れていた。一瞬のことだった。

                  (中略)これからおかあさんを捨てていく。みわの家にすてていく。

                  おかあさんを捨てても、わたしはこの記憶を持っていこう。

                  雨にけぶるブランコをふりかえって、誓った。

                   


                  ボブ・マーリー、ジャクソン・ブラウン、ストーンズ。今日も音楽にどっぷりと浸る。

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                    JUGEMテーマ:音楽

                     

                    今までの自分のこのブログのスタイルではない書き方で今日は思いを綴ってみたい。

                    入梅をした。

                    じめじめと鬱陶しい気分が続く季節である。こんな時は、無性にボブ・マーリーが聴きたくなる。

                    ボブ・マーリーの「白鳥の歌」となったアルバム「UPRIZING」を聴いている。

                    やはり出色の出来は、ラストを飾るアコースティックギター一本で歌い上げる「Redeption Song」だ。

                    バンドversionのものより圧倒的にいい。

                    改めて、ボブ・マーリーの歌のうまさを堪能できる。

                    詩は思いテーマを含んでいるが、心にすっと沁みいる救いの歌だ。

                     

                    ほかにはジャクソン・ブラウンの「孤独のランナー」をDLした。

                    1977年発表のライブ盤である。

                    1977年といえば、今から40年前。自分は高校生であった。レコード盤を擦り切れるほど聴いた覚えがある。

                    青春を代表する一枚である。

                    特に好きなのが、ラストの「The Load Out」から「Stay」にかけてのメドレーである。

                    ぞくぞくと鳥肌が立つ感覚。久々に思い出した。

                    バックのローズマリー・バトラーの歌がジャクソン・ブラウンを支えている。

                    圧巻の歌の力だ。そして、奏でられるスライドギターの音色にノックアウトだ。

                     

                    そして、今日はローリング・ストーンズの2016年発表の「Totally Stripped」(ライブ盤)を聴いている。

                    やはりR&Rの王者はストーンズであることを再確認させてくれる。

                    個人的には「Dead Flowers」がお気に入りだ。

                    ミック・ジャガーは稀有なシンガーだ。決して美味いといえる声ではない。

                    だが、一たび彼の喉から放たれた言葉はルーズなロックのメロディと相俟って、心地よいスイング感を与えてくれる。

                    これがR&Rの神髄だろう。

                     

                    NO MUSIC NO LIFE。 

                    今日も僕は音楽にどっぷりと浸る。


                    天からの贈り物 

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                      JUGEMテーマ:音楽

                       

                      2007年からロンドン・フィルの首席指揮者を務めているウラディミール・ユロフスキベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を聴いている。

                      ピリオド奏法を意識しながらも、特定の楽器の響きを強調することのない淀みのない曲展開は新鮮であり、流麗ですらある。

                      ノリントンの指揮する「英雄」とどこか共通するものがある。

                      私はいろいろなジャンルの音楽を聴く。

                      ポップスも勿論好きだが、クラシックには叶わないと感じることが最近は多い。

                      以前にも書いたが、耳に馴染むということは飽きるということでもある。

                      だから「流行歌」なのだ。

                      流行歌に人を変える力はない。所詮、消耗品の役目しか果たさない。そういう運命なのだ。

                      だが、クラシックは違う。

                      特に、自分にとってのベートーヴェンの楽曲の中でも、交響曲は別格の存在である。

                      今、聴いている英雄=シンフォニア・エロイカもその一曲である。

                      自分の人生そのものに大きな影響を与えてくれた曲である。

                      そんな馬鹿なと人は言うかもしれないが、事実である。

                      ベートーヴェンを聴こうと思ったのは偶然であり、精神的にも危うい時期と重なっていた。

                      CDショップの試聴機に誘われるように足を運び、ヘッドフォンを耳にあてた瞬間、ショックを受けた。

                      その時は確かピアノ協奏曲1番だったと思う。バレンボエムによる指揮と演奏であった。

                      まさに天から与えられた音楽があった。

                      それからクラシック中心に音楽に親しむ毎日を過ごしている。

                      べートーヴェンの音楽は飽きるということはない。指揮者や演奏者の解釈でいかようにも変化する。

                      しかし、元の骨格である曲そのものの力は強靭であるので、ぶれない音楽としての力が確かに存在する。

                      大袈裟のことを言うようだが、ベートーヴェンの交響曲を聴いたことのない人と、ある人とでは人生観が異なってくるとさえ思う。

                      音楽の至福体験をしたかどうかの差である。

                      聴いていない人はそれだけ損をしているということになる。本人が気づかないだけで・・・

                      最近、聴いているのはサン・サーンスの交響曲4番「オルガン付」、プロコフィエフの「交響曲第5番」、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」である。ストレスから解放される時である。心から息がつけるひとときでもある。

                      クラシック音楽と出会えてことに心から感謝している。


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