JUGEMテーマ:音楽
最近、家ではこれしか聴いていない。
ベートーヴェンの第九である。
季節を先取りしているわけではない。
魅力的な一枚のCDに出会ったからである。
若きイタリアの才能豊かな指揮者「アンドレア・バッティストーニ」の振る第九である。
オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団である。
今まで、聴きなれ親しんできた第九とは一線を画す演奏である。
その快速なテンポ設定にまずは驚かされる。第一楽章から猛烈なエネルギーの放射である。
「偉大なる天才の魔術、反逆的で非常に暴力的な音楽の魔術によって、我々は野蛮な力が解き放たれていない解釈を、本来の姿に努めななければならない。」
ここら辺の解釈は亡きアーノンクールの晩年の第五の「運命」の演奏と似ているのかもしれない。
ベートーヴェンほどの個性的な人間が一律的な調和に満ちた美しい音色を希求し、表現したかったとは思えないのは事実であろう。
「この作曲家の魅力は跳躍やスピード感、刺激的な響きにある。」
その通りであろう。
画一的な第九に一石を投じる刺激的な演奏に拍手を!