JUGEMテーマ:音楽
まさに圧巻。言葉にならない感動。音楽の力そのもの。世評には轟いてはいたが、自分は体験していなかったその真実。
それがリヒテルのラフマニエフのピアノ協奏曲2番である。
聴き終えたあと、しばし呆然としていていた。
古今東西。素晴らしいピアノアーティストはあまた存在している。
しかし、ラフマニエフのピアノ協奏曲2番に関していえば、リヒテルで決まりではないのか。そう思う。
聴いていないじゃないかと反論されたらそれまでだが、聴かずとも分かる。
逆にこれに相当する感動がそこここに転がっていること自体がおかしなことになってしまう。
何度も記しているが、自分がクラシック音楽に傾倒する契機となった曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲1番であった。
そのピアニストがリヒテルであった。
冷戦時代において西側において「幻のピアニスト」として呼ばれていたリヒテルが西側であるアメリカに登場するのが1960年であった。その時に弾いたのがベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番であった。
リヒテルがその形式・構成が最高のバランスのとれている曲であると賞賛し、数多の協奏曲の中では大好きな曲であると述べていることにも私自身とても共感したのである。
それにしてもこれだけ格調高く、しかも緩急の見事なまでの配置、曲全体の雄大さには恐れ入る。
ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団の演奏も見事である。指揮のドライブ感がひしひしと伝わってくる世界遺産的な名演である。