僕達にはメタリカがいる PART5

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    JUGEMテーマ:音楽
    「俺は窒息させるような愛し方しかできない。」
    メタリカ ジェームズ・ヘットフィールドの言葉である。

    「メタリカというのはひとつの強固なユニットであり、そのこと自体に俺たち自身誇りをもっているし、多くの人に尊敬されてもいる。単なるミュージシャンの集合体とは違う。俺たちはもっともっと自分たちのやることに集中してきたんだ。」

    盟友 クリフ・バートンの死を乗り越え、重度のアルコール中毒とのリハビリを含む壮絶な闘い。
    もっと言えば、決して恵まれているとはいいがたい家庭環境。
    よすがにしてきたのは叩き付けるような激しい音楽。
    今でこそ名盤の誉れ高い「キム・エム・オール」ははじめは批判や非難の矢面に立たされるなど、歩いてきた道は平坦ではない。
    平坦ではないからこそ、外圧に対抗するかのようにバンド内部の結束の純度をひたすら高めてきたのである。
    その精神性、ストイックなまでの頑固ともとれる一徹さに私は惹かれるのである。

    アイアン・メイデン的な音づくりをするバンドは生まれても、メタリカ的な音づくりをするバンドは生まれない。
    よく言われることである。
    メタリカの音の背景にあるものが決して一筋縄ではいかぬものであるからであると同時に、その精神性が孤高であるからである。

    僕達にはメタリカがいる。そう思うだけで少しだけ、心は強くなれる。
    それがメタリカというバンドの一番の魅力である。

    山田一雄 最後の名演

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      噛みしめながら聴いている。
      山田一雄の幻の名演 べートーヴェンの交響曲3番「英雄」(エロイカ)である。
      1991年の大阪センチュリ―交響楽団を指揮した演奏である。
      日本のクラシック界を牽引した名指揮者による名演奏である。
      弦編成は10型と従来のオーケストラの考え方からすれば小ぶりであるが、室内楽的なアプローチをという考え方を大切にした楽団のコンセプトに基づいており、非常に落ち着いたシャープな演奏になっている。
      聴いていて非常に落ち着くのである。
      大げさな豪華絢爛な「英雄」も悪くはないが、好みからすればこういった演奏のほうが自分は好きである。
      テンポの設定も遅すぎず、さりとて慌てすぎず周到な準備がなされたことがうかがえる。
      演奏者の力を巧みに引き出している。
      この数か月後に逝去した山田一雄渾身の名演である。

      堪能している。

      アートブック 「図書館奇譚」

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        「新月の夜は、目のないイルカみたいにそっとやってきた。」

        村上春樹
        の第三弾アートブック「図書館奇譚」を購入した。
        初出は「カンガルー日和」に収められていた名短編である。
        村上春樹本人によるあとがきを読むと、なんと初出のものをヴァージョン1だとすると今回のものは4であるということだ。
        つまり、その都度楽しみながら手を加えている作品ということになる。
        アートブックにふさわしく今回もドイツのカット・メンシックの女流画家の切っ先のするどいイラストが興を添えている。
        図書館の地下に迷いこんだ主人公が謎の美少女の力を借りて羊男と脱出できるかという短いながらスリリングな展開で自分はとても好きである。

        美少女の登場にしろ、井戸にしろ、その後の大傑作となる「ねじまきどりクロニクル」において重要なファクターとなるモチーフも既に登場しており、興味は尽きない。
        アメリカ版、イギリス版ではイラストが異なっているということなので、見てみたいという強い衝動に駆られている。

        つくづく情けない時代

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          JUGEMテーマ:日記・一般
          つくづく情けない時代になったものだと思う。
          人間が行うことにはエラーがつきものだ。だからこそ、人間的ともいえる。
          確かにエラーの質によっては人間の生命や安全を脅かすものもあり、万全には万全を期さなければならないことは当然である。
          果たして、子どもの通知表の誤記載による過失度はどの程度のものなのだろうか?
          誰かと誰かの通知表の結果をすべて取り違えたとしたら大問題だろう。
          ここで言いたいのは、ただ、欠席日数を1日多く記入した誤記載についてである。
          その過失は目くじらを立てて、声高に責任を追及しなければならないミスといえるのか?
          そのミスが小学生のその子の今後の人生なり、その保護者の人生に何の汚名をきせ、何の不利益を与えるというのか。
          実にくだらない話である。

          そういうくだらないことに奔走するあまりに、ミスをおそれ思い切ったことのできないサラリーマン的教師が増えているのは事実である。その程度のミスも許容することのできない教育現場で子どもたちの心を育てるなどと語ること自体が笑止千万である。

          ミスを許さない世界は閉鎖的であり、自由な発想が生まれるはずはない。

          教育の本質を外れたところで、教師がびくびくしながら子どもに接している現場において深い信頼関係など構築できるはずがない。
          金八先生や熱中時代の北野先生が醸し出していた空気感はもはや幻想であり、夢物語である。

          悲しいかなそれが事実である。

          アイアン・メイデン名曲中の名曲 「審判の日」

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            JUGEMテーマ:音楽
            久々にアイアン・メイデンを聴いている。
            タワレコでヘビメタ関係の本を立ち読みしていたら、リスナーの選ぶアイアン・メイデンの曲紹介ベスト10の記事に目が留まった。
            嬉しかったのは伊藤正則が第一位に「オペラ座の怪人」をセレクトしていたことである。
            10年に一枚と称される歴史的名盤「鋼鉄の処女」の中の楽曲である。
            自分の大好きな一曲であったからだ。
            アイアン・メイデンが世に出たとき、私は大学生であった。
            FMで流れてきた音源に初めて触れた時の衝撃は今でも覚えている。
            パンキッシュでありながら、曲展開の起伏が激しくどこかプログレ的でもあった。
            ぶっ飛んだというのが正直な感想である。
            メイデンの中で一番好きなアルバムは「鋼鉄の処女」である。
            ファーストアルバムでこれだけ完成度の高いアルバムが他にあるのだろうか。
            ないと断言したい!
            メタリカでもかなわない。
            素晴らしいアルバムである。
            最初の話題に戻る。自分自身にとって一番好きなメイデンの曲はサードアルバム「魔力の刻印」のラストナンバー「審判の日」である。
            メランコリックな出だしからたたみかけていくシャウト。
            これでもかという怒涛のリフ。
            ブルース・ディキンソンの初めて参加した名盤である。
            繰り返し聴いても飽きないハリス渾身の名曲である。

            圧巻のミステリー。一発の銃弾説に心射抜かれて・・・

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              JUGEMテーマ:読書
              読み終えたくない本というものがある。
              前回、このブログで紹介したマイクル・コナリー「スケアクロウ」もそんな一冊である。
              下巻も一気読みである。
              上巻を読み終えてから、仕事上の忙しさで読書する時間がとれなかったのであるが、読み始めたら下巻の350ページもあっという間にあと30ページである。
              スケアクロウという犯人の記す署名にたどり着く過程の描き方など実にコナリーはうまい。
              上巻でも記したが、このミステリーを格別なものにしているのは、レイチェル・ウォリングとジャック・マカヴォイとの微妙な関係の綾である。普通はこういう登場人物同士のサブスト―リー的な要素をいれるとただの付け合わせで終わるか、本来のミステリーそのものの醍醐味を削ぐものになりかねないのであるが、コナリーは作品の質を高めることに成功している。
              特に、引用される「一発の銃弾説」は強烈な印象を与えてくれた。

              「誰の人生にも、ひとりの人がいる。一発の銃弾が。運がよければ、その人に逢える。そして、いったん逢ってしまったなら、いったん心臓を射抜かれたなら、もう他人の入る余地はなくなるの。たとえなにがあろうと。」

              サスペンスもふんだんに、切れ味の鋭い矛盾のない見事な展開。

              圧巻のミステリーの誕生。まごうことなき読むべき一冊である。

              スケアクロウ

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                JUGEMテーマ:読書
                まいった。これがミステリーの醍醐味である。
                マイクル・コナリーの長編「スケアクロウ」である。
                上下700ページの長編であるが、一気に上巻を読み終えてしまった。
                まさにノンストップである。
                ベージをめくる手が中盤から止まらなくなった。
                描き方がとにかくうまい。
                コナリー史上最高に不気味といえる犯人像。
                インターネットの番人にして、下肢装具に性的興味を覚えるアベイショフィリア。性的倒錯者。
                しかも彼を追うのは刑事ではない。
                レイオフを2週間後に控えたロサンジェルスタイムスの記者。
                伝説の事件 詩人(ポエット)と対決したジャック・マカヴォイとくればおもしろくないわけがない。
                しかも犯人の狡猾さはあのディ―バーの傑作「ソウルコレクター」の卑劣な犯人ともだぶる。

                これだけじゃない。
                サブストーリー的な元恋人レイチェル・ウォリングとの微妙な男と女の心の綾も描かれており興味深い。
                そう。レイチェルの登場の仕方。このあたりから加速度的にサスペンスの度合いが増していくのである。
                コナリーのうまさである。

                狡猾かつ卑劣な罠をどうマカヴォイが破っていくのか。
                楽しみは尽きない。

                フライングV 神は健在なり

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                  JUGEMテーマ:音楽
                  時にたまらなく聴きたいギターの音がある。
                  ジェフ・ベック、リッチ―・ブラックモアそして神 マイケル・シェンカーである。
                  フライングVである。
                  そのシェンカー率いるバンド、テンプル・オブ・ロックの新譜を今日聴いている。
                  全世界に向けての先行発売である。
                  一時期、何をやっているのか分からないという迷走状態にシェンカーは陥っていた。
                  それ以来である。
                  いやはや、予想以上の出来である。
                  オーセンティックなロックに戻ってきた。そのことがとても嬉しい。
                  楽曲も充実している。疾走感のあるナンバーもミドルテンポのブルージーなナンバーもである。
                  ボーカルはドゥギー・ホワイト。個人的にはゲイリー・バーデンなんかよりよほど好きである。
                  ブラックモアと組んでいた時は声量が足りない、高い音域が出ないなど酷評であったが、あの当時より確実にうまくなっている。
                  歌に艶が出てきた感じだ。
                  ドラムはスコーピオンズの全盛時代を支えたハーマン・ラレベルである。
                  痺れるドラミングである。
                  それにしてもシェンカーのギターはつややかでありのびやかである。切れもある。
                  UFO時代の神がかり的なギターソロにKOされて以来シェンカーのギターが好きであるファンとしてはたまらない音色である。

                  予測不能の音遣いが楽しめる「サムシング・オブ・ザ・ナイト」、正統的ハードロック「ヴィジランテ・マン」、マイケル独特のグルーブともいえる「レストレス・ハート」。ヘビロテ必至のナンバーが揃っている。

                  神は健在である。

                   

                  IN THE LIGHT OF MIDNIGHT REVOLVER

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                    JUGEMテーマ:音楽
                    昨日のアクセスログをみたら検索ワードに「スコーピオンズの新譜」というのが最上位に入っておりなんだか嬉しくなった。
                    自分の職場でもそうだが、若い世代のロック離れは深刻である。
                    これだけ素晴らしい音楽を未体験のまま人生を過ごすのは不幸である。
                    スコーピオンズの新譜は素晴らしいの一言である。
                    楽曲の質が高いということが何よりの魅力である。
                    ぜひ、若い世代の人にも聴いてもらいたい。

                    今日はメタリカのビヨンド・マグネティックを聴いていた。
                    ビヨンドとはいうもののデス・マグネティックのアウトテイクの4曲である。
                    30周年記念ライブで演奏され話題になった。そして、日本の伊藤正則がぜひCD化をとラーズ・ウルリッヒに直談判したことが功を奏してCD化にこぎつけたというエピソードをもっている。

                    すべての道 それは不名誉へとつながっている
                    皆が非難に溺れている
                    すべての反射が同じに見えるから
                    真夜中のリボルバーが放つ輝きの中では
                    皆が皮膚の中に潜んでいる
                    希望は紙のごとく薄い


                    「JAST A BULLET AWAY」である。

                    ヘットフィールドが歌うとき、IN THE LIGHT OF MIDNIGHT REVOLVERがまるで呪文のように聴こえる。
                    陶酔感が心を揺さぶる・・・

                    僕達にはメタリカがいる PART4

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                      JUGEMテーマ:音楽
                      体調の悪さは相変わらずで、日々鬱陶しいことの多い日々は続いている。
                      そんな中、今日は朝から精神がメタリカの音を求めていた。
                      朝っぱらから通勤電車の中でメタリカを聴くことは滅多にないことなのだが、たまらなく聴きたかった。
                      メタリカがこれでもかと繰り出すキラーリフを。
                      そして、ヘットフィールドのあの声を。

                      今もバックでメタリカが鳴っている。
                      先日紹介したデス・マグネティックである。
                      ヘットフィールドのボーカルは決してうまいとは言えず、クラウス・マイネなどと比べてみるとわかるのだが、艶があるとか、バラードで温かく包み込むという歌唱とは対極である。
                      ぶっきらぼうに歌い放つというか温かみのかけらもない突き放し方である。
                      リスナーに媚びるということが一切ない。
                      その妥協なき冷たさが好きだ。それがメタルだろうとも思う。
                      「とにかく黙って聴きやがれ!」っていう感じである。

                      ハメットのギターソロも久々にかっこいい。

                      そして、何より複雑に展開する起伏の多いリフの嵐である。

                      「ALL NIGHTMARE LONG」
                      圧巻である。
                       

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