JUGEMテーマ:音楽
以前、このブログで昨年一番聴いた曲はブラームスの交響曲第一番ということを紹介した。ただ、作曲家レベルでいうと、ロシアの20世紀を代表する作曲家 ドミトリ・ショスタコーヴィチである。
正直、昔はショスタコーヴィチは苦手であった。
重苦しさが漂う楽章からスタートする交響曲が多いからである。
しかし、音の劇性という点ではブルックナーやマーラーを凌ぐ。
評論家の宇野功芳氏などはベートーヴェンの正統的な後継者はショスタコーヴィチではないかとライナーノーツで書いている。
同感である。
いま交響曲第7番のレニングラードを聴いている。
体制に迎合した作品ととらえがちであるが、そんなに簡単に言い切れる音楽ではない。
「言葉が窮まったところから音楽が始まる。」
ショスタコーヴィチの音楽には一筋縄ではいかない深さがある。
その深さとは人間の悲しみや喜びを多面的かつ包括的にとらえた深さである。
そして、奇妙な音彩とずれたハーモニーなどが心にフックしてくるのである。
一般的にはムラヴィンスキーの5番が有名であるが、私は個人的にはクリュイタンスが指揮した11番が好きである。
ただ、8番や10番も甲乙がつけがたい。