ベートーヴェンの凄みにひれ伏す

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    JUGEMテーマ:音楽
    ベートーヴェンばかりを聴いている。
    クラシックというかベートーヴェンの楽曲の深遠さにはまっている。
    先日紹介したピアノ協奏曲もそうだが、ピアノソナタも素晴らしいの一言である。

    ファンの人からみたら「何をいまさら」と怒られそうだが、確かに今までこんなにすばらしい音楽と疎遠だったことは恥ずべきことである。

    三大ソナタといわれる「月光」「熱情」「悲愴」。
    どれも甲乙つけがたい名品である。
    「テンペスト」もいい。
    個人的には月光の第3楽章が好きである。

    ピアニストはゼルキンがお気に入りである。リヒテルも好きだが・・・
    何とも言えぬ疾走感。
    ため息がもれるほどの見事な表現力である。

    それにしても、自死するよりも命を芸術のために捧ぐという遺書を書いて以降に傑作がひしめくというのがベートーヴェンの凄さである。
    耳が聴こえないにもかかわらず、ピアノの打鍵の振動で音符にしたためていったという執念。
    まさに聴く人の心に響く鬼気迫る作曲である。

    ポップスというが、まさにその通りで軽いのだ。

    しばしはベートーヴェンの楽曲の重みと深さの中に身をたゆらせていたい。
     

    ニーチェの箴言

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      JUGEMテーマ:日記・一般
      ベストセラーになった『超訳 ニーチェの言葉』(白取春彦編訳)に味わい深い箴言(しんげん)がある。<この人生を簡単に、そして安楽に過ごしていきたいというのか。だったら、常に群れてやまない人々の中に混じるがいい。そして、いつも群衆と一緒につるんで、ついには自分というものを忘れ去って生きていくがいい>▼哲学者が皮肉った安楽な人生を諺(ことわざ)で言い換えるとすれば、「寄らば大樹の陰」が近いだろうか。身を寄せるなら、大木の下が安全だ。頼れるのは、勢力のある人や組織…▼転機には人間の素の顔が出る。政治家もしかり。泥舟から逃げ出すかのように、第三極や自民党に擦り寄る民主党離党者の心の声が聞こえてくるようだ▼党に残っても議席を失うのは確実だ。ならば勢いのある党から出馬したい。理屈なんて、後からいくらでも付けられる…。政権交代後の離党者は衆参で百人を超えた。理念のない「選挙互助会」の末路なのか▼引き締めに必死の党執行部は、候補者に党への忠誠を誓う文書に署名させ、当選後に党の方針に従わないときは、活動資金を返上させる「純化路線」を貫く。民主党を創設した鳩山由紀夫元首相は、この“踏み絵”を踏めずに事実上、追放される形で政界引退に追い込まれた▼群れてやまない人々の中で、安楽に生きていくのか。有権者もまた、覚悟を問われる総選挙である。

      先日の東京新聞の「筆洗」である。
      紹介されているニーチェの箴言に深く共感した。

      安楽をもとめるのか。あえて茨の道を選ぶのか。
      世渡り上手といわれるのか、孤高の道といわれるのか。
      それはその人の生き方そのものである。

      自分のよって立つべき信念の軸がしっかりある人間は、決して群れない。
      いい加減な人間と同調する必要もない。

      それは国会議員のみならず、どの職業にもあてはまるものであろう。
      覚悟をもたずして、孤高の道を歩むことはできない。

      自分はひたすら群れることなく、険しい道を歩んでいる。
      ひとえに教師のプロとしての力量を高めるために・・・
       

      アメリカ海兵隊の地に落ちた規範意識

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        JUGEMテーマ:ニュース
        沖縄県警は22日、米海兵隊キャンプ・コートニー所属の1等兵グレゴリー・カーソン容疑者(20)を建造物侵入の疑いで逮捕し、発表した。米兵による侵入事件は3週間で3件目。まったく歯止めがかからない。

        発表によると、カーソン容疑者は22日午後2時15分ごろ、沖縄県うるま市天願の「市軍用地等地主会館」の敷地に無断で入った疑い。「間違いない」と容疑を認めているという。

        カーソン容疑者が会館の壁の配管をのぼっているのを通行人が目撃し、「不審な外国人がいる」と110番した。駆けつけた警察官が、配管を下りて数十メートル先を歩いていたカーソン容疑者を発見し、逮捕した。呼気からアルコールは検出されていない。22日は米国の祝日にあたり、カーソン容疑者は私服だった。県警が動機などを調べている。
         
        これは不埒なアメリカ海兵隊の兵士の問題ではなく、アメリカ軍そのものの軍隊としての規範意識の欠落とみなすべきである。
        日米地位協定の見直しは必至である。
        沖縄だから何でも許されていいといった差別観や驕りが透けて見える。
        12月の選挙の争点になりうる問題であると思う。

        これだけコンプライアンスの欠落した兵士たちが有事の際に日本を本気で守るということを信じることは不可能である。また、守ってもらいたくもない。

        自民党の掲げる公約に自衛隊の国防軍としての位置づけも、名前だけとらえると、軍国主義回帰ととらえられそうだが、自分の国は自分で守るということを念頭におけば、あながち非難だけするのは現実的ではない。沖縄からアメリカ海兵隊に去ってもらうには、それくらいの腹のくくり方が必要であると個人的には思う。

         

        ガリレオシリーズ7 虚像の道化師

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          JUGEMテーマ:読書
          東野圭吾のガリレオシリーズ「虚像の道化師」を読んでいる。 
          シリーズ7作目である。
          読みやすさは抜群である。

          ただ、ミステリーとしてはいただけない点が浮かび上がる作品となっている。
          帝都大学の物理学者の湯川に事件解明を依頼するということは、どんなに不可思議な事件であっても科学的に解決できることを意味する。
          そうなると、シリーズが進むにつれ、どうしても最新の科学知識を用いないと解けない謎という展開になる。

          そこが最大の問題点である。
          つまり、犯人の使う凶器も現時点では開発途上の技術を用いるものなどが登場してくるからである。
          それは禁じ手であろう。
          つまり、不可解な謎を設定すれば、そういったあざとい手を使わないと解明できないということである。

          ただ、「偽装う」はよかった。
          物語の運びにあざとさがなく、見事な謎解きになっている。

          東野圭吾は売れっ子の小説家であるが、多作ゆえにあざとさとマンネリに陥らないでほしい。

          アナザーフェイスシリーズ最新刊「消失者」

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            JUGEMテーマ:読書
            たったいま、堂場瞬一のアナザーフェイスシリーズの最新刊「消失者」を読み終えた。
            文春文庫のための書下ろしである。
            正直、ミステリーとしての肝である、謎解き、犯人探しという点に関しては可もなく不可もないといったシリーズである。

            しかし、私が惹かれるのは、主人公の刑事総務課勤務の大友鉄をはじめとする登場人物の人物造形である。
            最愛の妻を事故でなくし、捜査一課から子育てのために総務課に配置換えになった大友 鉄。
            妻を今でも愛しながらも、一人息子である優斗を懸命に育てようとする姿に共感を抱く。
            と同時に、いざ難事件となれば、特例という形で捜査に加わるという設定が興趣を呼ぶ。

            大友鉄にかかれば、だれでも自供したくなるという点も実におもしろい。

            大友とかかわる刑事たちも、みな個性的でよい味を出している。
            最新刊では3課の定年を間近に控えた森野刑事が際立っている。

            こういう警察小説があってもよいと思う。

            派手なアクションシーンはない。

            あくまでも大友鉄という一人の人間の心象風景を軸にしながら、静かに展開していく。

            今までのミッションの上司であった福原指導官の異動。同僚刑事 敦美の男性関係の謎。
            そういったシリーズを愛する読者に対しての今後の展開に期待感をもたせる要素も加味して、物語は終わりを迎えた。
            はやくも5作目が待ち遠しい。
             

            イスラエルの暴挙を容認してはいけない

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              JUGEMテーマ:ニュース
              【ガザ=山尾有紀恵、カイロ=石合力】パレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の空爆が激しくなっていることから、アラブ連盟(本部カイロ、22カ国・機構)は17日、緊急外相会合を開いた。「アラブの春」を経てエジプトでイスラム組織を母体とした政権が誕生するなど地域情勢は大きく変わった。地上戦の準備を進めるイスラエル軍がガザ侵攻に踏み切れば、反発を高める周辺国を巻き込み、事態はさらに流動化しかねない。

              ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの政府によると、これまでのパレスチナ人の死者は少なくとも40人、負傷者は430人。

              アラブ連盟筋によると、外相会合では「国際社会は国際的な平和と安全を守る責任がある」として、ガザを含むパレスチナの市民、指導部、土地、資源に対する国際的な保護を求める声明について協議する。一方、チュニジアのアブドルサラーム外相は17日、エジプト経由でガザ入りした。同日未明に爆撃された首相府跡などを視察し「イスラエルの行為は到底容認できない」と述べた.

              イスラエルの反応は異常であり、過剰防衛である。
              ハマスからのロケット弾が着弾したということを理由にして、女性や子供という国際法上許されることのない民間人を殺戮し続ける。
              現にイスラエル国内の犠牲者についての報道は皆無である。
              ガザへの非人道的な空爆は過去にも再三行われてきたし、国際世論も非難してきたが、大きな力になりえなかった。

              その理由はアメリカである。イスラエルの過剰攻撃を黙認、許容しているのがアメリカである。
              アメリカの後ろ盾があるから、こういう攻撃を繰り返すのである。

              日本も政府として何の対応もしない。
              ここでもアメリカ隷属外交の負のつけがまわっている。
              女性や子供を平気で殺戮する国を容認してはいけない。
              自国の政権争いだけに目を剥いている国会議員など今の時代には必要ない。
               


              いつか見た光景 イスラエルのガザへの攻撃

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                JUGEMテーマ:ニュース
                エルサレム花岡洋二】パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの軍事部門「カッサム旅団」トップの司令官を殺害したイスラエル軍は14日、ガザへの空爆を継続し、20カ所以上の軍事施設を爆撃した。ロイター通信によると、14日の死者は司令官をはじめ子供など計10人となった。イスラエル軍は、ハマスのロケット攻撃能力を破壊する作戦の開始だとして空爆の継続を表明。ハマスの反撃次第では、地上侵攻も辞さない姿勢を示した。

                ハマス当局によると、犠牲者の中には生後11カ月と6歳の子供2人が含まれる。ハマスはラジオ番組を通じて報復を宣言。イスラエル南部ベールシェバなど都市部にロケット弾約80発を発射した。死傷者はいない模様。ネタニヤフ首相は14日の会見で、「必要があれば作戦を拡大する用意がある」と述べ、地上侵攻の可能性を排除しなかった。一方、地元テレビに出演したイスラエル軍報道官は「現時点で地上侵攻する予定はない」と語った。

                イスラエル軍は戦闘機による空爆や地中海の艦船上からの砲撃で、ロケット弾の地下格納庫や発射施設などを攻撃したという。また、一部の歩兵部隊をガザ近くへ配備しており、地上侵攻に備えた態勢を取っている。

                昨年のリビア政権崩壊に伴い、ガザ地区にはエジプトのシナイ半島経由で旧リビア軍の武器が大量流入しているとの情報がある。今月10日以降、イスラエル領内にはガザからロケット弾が100発以上撃ち込まれ、緊張が高まっていた。

                またもや中東からのきな臭いニュースである。
                イスラエルという国は、過剰なまでの攻撃をパレスチナに加える。
                今回もハマスのトップ司令官を殺したことで幕引きをするのではなく、見せしめ的な攻撃を続けている。殺されているのは何の罪とがもない女性や子供である。
                ガザへの空爆はいつもこの調子である。普通の生活を送っている人々へのロケット攻撃。
                その感覚が分からない。
                第二次世界大戦時にはドイツによるホロコーストでさんざんな目にあったユダヤ人が今度はアラブの民を根絶やしにしかねない攻撃を続ける。
                前は白リン弾まで使用した。
                憎しみの連鎖は止まらない。いつまでこんな愚かなことを続けるのだ。
                アメリカが後ろについていると高をくくっての攻撃であるのは見え見えである。
                オバマはイスラエルに何もできない。何もしようとしない。
                シリアでの中国とロシア。イスラエル擁護のアメリカ。これらの国が国連の常任理事国であることが世界の平和を脅かせているのだ。それが現実である。

                 

                ベートーベンのピアノ協奏曲

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                  JUGEMテーマ:音楽
                  「さよならドビュッシー」に触発されるかたちで、最近、クラシック音楽を柄にもなく聴いている。
                  特にお気に入りはベートーベンのピアノ協奏曲である。
                  音楽評論家によれば、ベートーベンにとってピアノ協奏曲というのはあまり重きをおかれたものではなかったらしい。

                  その数も第1番から5番までしかなく、5番は「皇帝」として有名であるが、特に1番や2番は評価も低いとされている。
                  モーツァルトからの影響を大きく受けた作風である。

                  自分はいま聴いているのが、その1番である。

                  ピアニストはソ連の巨人 リヒテルである。
                  ボストン交響楽団との相性もばっちりの圧巻の演奏表現である。

                  ベートーベンの耳がほとんど聞えなくなったために、自ら演奏するのをやめ、作曲に専念したことがピアノ協奏曲の作品が、他の作曲家に比べて極端に少ないゆえんである。

                  だからこそ、少ないピアノ協奏曲が好きなのである。

                  1番は伝統的な形式といわれているが、ベートーベンならではの雄大さと繊細さが感じられ、聴いていると精神が安定してくる。

                  楽聖。ベートーベンはすばらしい。

                  音楽青春小説+どんでん返し=さよなら ドビュッシー

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                    JUGEMテーマ:読書
                    さっきのブログの続きである。
                    この週末に読んだ本の中で、一番おもしろかったのが中山七理「さよなら ドビュッシー」である。

                    しかし、この本については読者の評価がまっぷたつに分かれている。
                    これだけ分かれている本も珍しいのではないか。

                    否定的な意見として多いのが、ミステリーとしての質に関してと表現の稚拙さ、設定の粗さを指摘しいるものが圧倒的である。
                    もし、そうならば肯定的な意見は出ないと思うのだが、肯定している読者には圧倒的な支持を得ている。それがこの本の不思議なところである。

                    自分はおもしろいと感じた。

                    確かに物語の設定に関しては、いろいろとつっこみを入れたくなる部分もある。
                    しかし、本というのはどんなジャンルの本であれ、おもしろいのか、そうでないのか。
                    最後まで一気に読んで、読後感がいいのか。悪いのか。
                    それに尽きると思う。

                    この小説は音楽青春小説であり、クライマックスに事件の核となるあっといわせるどんでん返しが用意されているので、ミステリーとしての体をなしているのである。

                    ミステリーはこうであるべきという頭の固い読者が辛口の評を述べているのであろう。

                    ミステリーであれ、青春小説であれ、人物をどう描くかが鍵である。
                    人物の描き方が甘く、トリックなどのギミックに走るミステリーも数多くある。
                    それが、ミステリーとしては優れているなどというのはおかしな見方である。
                    この本をスポ根青春小説と揶揄するのは的外れである。
                    青春小説としても読ませるだけの内容をもっている本として認めるべきであろう。

                    400ページ。まさにノンストップで読み切った。それがこの本の魅力をそのまま表している。
                     

                    腕貫探偵 異色の探偵登場

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                      JUGEMテーマ:読書
                      11月になって、初めてのブログ投稿である。
                      この週末は読書の楽しさを満喫した。
                      3冊の本を読んだ。

                      まず一冊めは、西澤保彦「腕貫探偵」である。
                      ジャンルでいえば、安楽椅子探偵物のひとつであるが、この探偵には姓名がない。
                      しかも設定が市役所の公務員という異色中の異色である。

                      帯の「おもしろさNO.1 」にひかれてつい購入したが、まずまずといったところか。
                      言い回しがやたら古臭いところもあり、それがねらいなのかはどうかはわからないが、少し違和感を覚えた。

                      連作なので読み易い。ただ収められた7作の間に質の差がある。
                      「腕貫探偵登場」「喪失の扉」はおもしろかった。

                      東川篤哉でユーモアミステリーが一躍脚光を浴びたいまの日本のミステリー界である。

                      雨後の筍のひとつで終わるのかシリーズとして定着するのか。
                      真価が問われるのはこれからの作品の質にかかっている。

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