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日記・一般子どものけいれん発作の場合、呼吸抑制が起こることもあるため、速やかに発作を抑える必要があります。酸素欠乏が脳に損傷をもたらす可能性もあるからです。発作に対応するための一般的な緊急処置を実践しましたが、その子の呼吸は止まってしまいました。そこで、補助器具を用いながらの人工呼吸が必要になりました。けいれんがひどく、ベッドの上で震え、身をよじるので、大変でした。
難しい決断でした。けいれんを止める薬には、患者の呼吸数を減少させる副作用があります。しかし、けいれんは止めなければなりません。呼吸に悪影響があるとしても、薬の投与を続ける必要がありました
けいれんは25分ほどで何とか治まりました。しかし、1回のけいれんとしてはかなり長い持続時間で、脳を損傷するリスクが高い状態でした。その間ずっと、人工呼吸も行っていました。呼吸補助を2~3分止めてしまうだけで、亡くなる恐れがあったからです。
14時間の夜勤を終え、日勤のスタッフに引き継ぐ
治療の途中で、女の子が8歳で、私の娘と同い年だということを意識し始めました。そのことが治療を続ける支えになりました。40〜45分間、人工呼吸を続けました。本当に疲労困憊(こんぱい)でした。
すると突然、女の子の胸が動いたのです。人工呼吸を止めると、呼吸が戻りかけていたのです。さらに呼吸補助を続けると、少しずつ、自発呼吸を始めました。夜のうちには意識は戻りませんでしたが、容体は安定してきました。
翌日の晩、午後6時に再び出勤すると、彼女は身を起こして、何か飲んでいます。その手を止めて私に笑顔を向けました。きっと前の晩に私の顔を覚えたのでしょう。簡単な診察をしてみました。確かに、彼女の命が救われたとわかりました。特に脳の損傷もないようでした。信じられないような奇跡ですが、ときにそうした幸運も訪れるのです。
これは南スーダンの難民キャンプにおいて24時間体制のもと、夜間シフトを敷いて治療に従事している国境なき医師団のスタッフの声である。
他国の子どもの命を救うために、疲労困憊になりながら人工呼吸をつづける医師の姿に胸を打たれる。救わねばならない命を救う行為。人間がもっている善意である。
一方、自国民を3万5千人殺し続けているシリアのアサドのような人間もいる。
どちらの側に立つのか。どちらの立場を支持するのか。
常に自問しなければならない。
シリアについていえば中国の企業が体制側に武器などを大量に供与していたことが分かった。
そういう国が安全保障理事国として、シリア制裁に拒否権を3回も発動しているのである。
思えば、天安門事件のとき、民主化を叫ぶ若者に対して戦車の銃口を向けた国家である。
中国とシリアとは本質的には同じだということである。
日本は隣国として中国との外交の在り方を真剣に考える時がきている。
シリアへの武器供与に関してもはっきりと中国の対応についてNOといわなければならないのである。民主化に対する反動は国際社会においては許さざるべきことという毅然とした姿勢を見せるべきである。