天声人語に物申す!

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    JUGEMテーマ:日記・一般
    無人島のために戦争なんて、とつぶやける国がいい。

    今日の「天声人語」の書き出しである。
    私はこの書き出しに物申したい。
    尖閣の問題を、ただの無人島だからという考えでずっと放置してきたつけが、今回の中国との対立である。

    潮だまりをつくることもなく、日本の領有を中国に堂々と示してこなかった。
    政治の落ち度である。

    ことは魚釣島だけの問題ではない。

    この地域で漁業を営む石垣島の漁師の生命にもかかわることだ。

    中国の圧力に屈することがあってはならない。
    だからとて、興奮している相手にむやみに応戦する必要はない。
    冷静に粛々と対応策を実現していくことが肝要である。

    メディアが煽動的になることの自戒をこめての朝日新聞の立場なのだろうが、認識が少し甘いのではないか。

    人が住んでいるいないにかかわらず、領土は領土である。
    領土が侵害される危機が高まっている中での冒頭の言葉は、この周辺地域で生活の糧を得ている国民に対して失礼千万である。
     

    骨太の国家戦略を立てる時がきている

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      JUGEMテーマ:日記・一般
      9・11米中枢同時テロの後、アフガニスタン攻撃を始めた米国を支援するため、集団的自衛権行使を国連に報告し、参戦した英国の例が思い起こされます。集団的自衛権行使は、海外における武力行使に道を開き、戦後日本のあり方を根底から変えるものです。一次、二次のときには冷ややかだった自民党は一転、総裁選に立候補した五人全員が「集団的自衛権行使に踏み切るべきだ」と主張しました。尖閣諸島の問題で、米国の力を借りるには相応のお返しが必要だと考えたのか、それともナショナリズムに燃えているのでしょうか。
      米国は新国防戦略で「アジア太平洋重視」を打ち出しました。国防予算を十年間で四千八百七十億ドル(四十兆円)も削減するのですから、米国だけで中国包囲網を敷けるはずがありません。

      報告書は、米軍と自衛隊のさらなる相互運用性が必要としています。具体的には、海兵隊と同じような水陸両用作戦能力を持たせることや、南シナ海の監視を米軍とともに行うよう求めています。
      報告書に従うように陸上自衛隊はグアムで米海兵隊による強襲上陸訓練の手ほどきを受け、海上自衛隊艦艇によるフィリピン訪問が始まりました。集団的自衛権行使に踏み切りさえすれば、アジア太平洋で米軍の肩代わりができる下地づくりは始まっています。

      報告書が求める法整備も進みます。安全保障や外交など重要な情報が漏れた場合、市民も罰する秘密保全法案と国連平和維持活動(PKO)で武力行使を伴う「駆けつけ警護」を可能にするPKO協力法改正案が国会上程を控えています。

      日本は報告書が示した道標(みちしるべ)通りに進みつつあります。開かれた議論の結果、こだまが返るように米国の要求通りになったのなら、まだ分かります。実態は骨太の国家戦略を立てることができず、場当たり的な対応しかできないから米国の言いなりになっている。政治の劣化はここに極まれり、と嘆かずにはおれません。

      今日の東京新聞の社説の一部である。
      最後の骨太の国家戦略のくだりはまさにその通りで、私がアメリカに隷属していると指摘していることと重なる。
      沖縄からアメリカ軍に手を引いてもらうためには、日米安保の見直しが急務である。
      しかし、それは現実的に考えて、日米同盟の破棄ではない。
      自衛隊の権限を強化することで、日本から退いてもらうということである。
      共産党や社民党のように、何が何でも反対では、国家は成り立たないのは事実である。
      集団的自衛権の行使にしても、今の尖閣をめぐる中国との関係を考えたとき、やむを得ないであろう。
      しかし、なんでもかんでもアメリカに追随する形での武力行使は容認できない。
      やはり、限定的集団自衛権という枠組みをつくるべきである。
      そうしないと、アメリカが自分の利害だけで行動する戦争にも加担することになる。
      そういう事態は絶対に避けるべきである。
      日本からこういう場合においてのみ、集団的自衛権を行使するという提言ができるようでなければ、対等な関係とは言えまい。
      そのためには、自分の国のことは自分で責任をもって守るという姿勢を見せることが必要なのである。
      平和憲法の理念は大切である。だが、平和は何もしないでいる受動という意味ではあるまい。
      能動的・主体的に平和を築くという視点が残念ながらずっと欠如していた。
      だから、アメリカのみならず、中国にも見透かされた。
      経済がしっかりしていた時には、それでも日本の地位はリスペクトされていたが、経済力が落ちているいま、軸足をしっかり保たないと日本は本当に危機的な状況に陥る。
      つまり、政治が機能不全に陥っているということである。

      経済を立て直すことと、安全保障の問題を根底から考えるということを連動させないと、日本の前途は危うい。

      自民党の安倍総裁のことを中国は極右と騒いでいる。中国から極右といわれることは、国際社会から考えれば普通の状態なのである。ねじまがった歴史観で尖閣を自国の領土と叫び、テロまがいの襲撃事件を起こして、国家として謝罪もしない。左であることが民主的なのか?
      違うということがあからさまになったのが今回の一連の反日デモ騒動である。
      常識的な議論ができない国と対峙するときには、国防を強化する選択をするのは誤りではない。

       

      オイディプスの報酬

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        JUGEMテーマ:読書
        たった今、リチャード・ニーリィの「オイディプスの報酬」を読み終えた。
        ひねりの天才。
        折原一に言わせるところの「ねじくれたプロット」。
        まさに蛇のように読者に絡み付いてくる、プロットのじめじめとした感触こそリーニィの持ち味である。
        傑作「殺人症候群」「心引き裂かれて」と比べれば、衝撃度は低いものの、上質のミステリーであることには変わりない。

        最後のひねり。そして残り1ページでのさらなるひねり。
        さすがである。

        THE SEXTON WOMENS
        この原題がこの物語のすべてを語っていることを最後に思い知ることになる。

        スラングが多いので訳者は苦労するであろうし、読み手もすいすい読むという作家ではないが、仕掛けが随所にあるので、その世界にぐいぐいと引き込まれていく。

        日本ではほとんど評価されていないのが残念である。

        訳出されている作品も多い。残念である。
         

        正論 小沢一郎の発言

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          JUGEMテーマ:日記・一般
          「国民の生活が第一」の小沢一郎代表は28日、訪問先の沖縄市内で記者団に、米新型輸送機オスプレイの沖縄配備への反対を明言した「納得のできる説明がないまま配備を強行することには疑問を感じる」と語った。生活が米軍普天間飛行場の分散移転を主張していることにも触れ、「名護市辺野古への移設は賛成できない。沖縄のきれいな海を埋め立てる必要はない」と強調した。 

          昨日のニュースである。

          小沢氏の言っていることはまさに正論である。
          このブログ上でもオスプレイのことは再三述べてきた。
          安全上、信頼のおける説明がなされていないのが最大の問題点である。
          先日も国会議員の試乗が話題を集めていたが、ただのパフォーマンスである。
          パフォーマンスを繰り返せば繰り返すほど、安全性を疑問視したくなるのは、私のへそが曲がっているからだろうか?

          普天間の基地はかつてのアメリカの国務長官がいみじくも語った通り、世界で最も危険な基地であり、住民は最悪な環境下で生活している。
          それにもましてオスプレイの強硬配備となれば、普天間のみならず沖縄県民の生命・財産をはかりにかけていると指摘されても政府は何も言えないのではないか。

          国民の命を危険にさらしアメリカに媚びる卑屈な政治は異様である。

          「国民の生活が第一」が日米安保についてどのような考えをもち、日米同盟の今後の在り方をどう考えているのか、明確なビジョンが知りたい。
           

          今の政治家に大塩平八郎の気概を

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            JUGEMテーマ:日記・一般
            40年前のきょう、当時の田中角栄首相は北京へ発った。毛沢東主席、周恩来首相と会談をこなし、中国との国交関係を回復したのは9月29日のことだ。歴史的な訪中の前日、田中は東京西郊にある高碕(たかさき)達之助の墓前に参じている▼日中友好の井戸を掘った日本人として、真っ先に名前のあがる人物だ。実業家にして政治家で、周恩来との間に信頼と友情を育み、国交正常化への道をつけた。いま泉下(せんか)で、角突き合わせる両国を何と見ていよう▼北京で開催予定だった国交40年の記念式典が事実上中止になった。節目節目に開かれてきたが、取りやめは初めてだ。他の交流事業や催しも相次いで中止、延期になっている。先人が掘り、後続が深めた井戸の水位が、みるみる下がりつつある▼本紙が両国で行った世論調査で、日本の9割、中国の8割が「日中はうまくいっていない」と答えた。中国での調査は尖閣諸島の国有化前だから、今はさらに悪化していよう。どちらの政府も弱腰批判が痛手になりかねない▼きょうは中国の文豪、魯迅(ろじん)が生まれた日でもある。魯迅といえば「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」の一節が名高い。日中の井戸も、戦後の荒野についた道のようなものだ。営々と時をかけて太くなってきた▼すぐ指をポキポキ鳴らしたがる大国は厄介だが、平和国家は「柳に雪折れなし」の外交で、譲らず、理を説いてほしい。勇ましい声に引きずられると、井戸は涸(か)れて火柱が立つ。 今日の天声人語である。 思えば、歴史の転換点には必ず傑出したリーダーシップを発揮する志のある人間が存在した。 フクシマの原発事故、尖閣諸島や竹島を巡る中国や韓国との緊張関係、沖縄の基地問題、翻って日米安保の在り方など今まさに歴史の転換点に立っていると思うのだが、小賢しい役人にしか見えない政治家は思い切った行動をとろうとせず、のらりくらりと身をかわしている。 維新の会とて蓋を開けてみなければ分からない。 つまり、大局に立ち、俯瞰で日本のこれからの有り様を考えられる政治家が不在だということだ。 目先の利害や己の保身ばかりに身をやつし、志し高く国難に立ち向かうという気概も気骨もない輩ばかりである。 以前、紹介した大塩平八郎は反乱を起こすにあたり、百姓に向けた檄文の冒頭に小物の官僚どもが世を腐敗させていると語っている。弱き者の立場を考えるのが真の政治であるとも述べている。 この志の高さと、くらぶるべきもない。恥を知った方がいい。

            すてごま

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              JUGEMテーマ:日記・一般
              米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイを10月にも沖縄県宜野湾市の普天間飛行場に配備することに対し、新崎盛暉(あらさき・もりてる)沖縄大名誉教授、評論家の前田哲男氏らが24日、東京・永田町の参院議員会館で記者会見し、反対声明を発表した。声明には作家の大江健三郎氏、加賀乙彦氏、我部政明琉球大教授ら37人が賛同している。

              声明は「オスプレイは構造的欠陥が指摘され、今年2件の墜落事故を起こしている。沖縄の人命の軽視だ」と指摘。沖縄配備は全国の0.6%の土地に、74%の米軍基地が存在する差別、不公平を維持し、拡大するものだ」と批判している。【青島顕】

              ブルーハーツ「すてごま」という曲を思い出してしまった。

              潜水艦ももってる。魚雷も積んでる。
              戦闘機ももってる。燃料はいつも
              満タンにしておいてある。
              いつでも飛び立てるように
              すべてを焼くつくすほどの爆弾が出番を待ってるぜ。

              君ちょっと行ってくれないか。
              すてごまになってくれないか。
              いざこざに巻きこまれて死んでくれないか。

              沖縄は結局すてごまなのだ。
              アメリカの、そして日本政府の・・・

              日本の民である沖縄県民の犠牲の上に成り立つ日米安保などいらない。
              右傾化で結構だ。
              それだけの軍事費を我が国も割いているのだ。
              自国の平和は自国の責任と使命において守るものだろう。自衛隊の強化を主張して何がいけない。
              今のままではアメリカの言いなり、そしてアジア諸国からは軟弱国家とみなされるだけではないか。

              日本の国家がきちんとした自前の国家戦略をきちんともたない今の現状こそ国益を損なうことにつながるのだ。

               

              日本が右傾化している アメリカの記事を嗤う

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                JUGEMテーマ:ニュース
                アメリカの有力紙「ワシントンポスト」は尖閣諸島をめぐる中国との領有権争いなどを受け、「日本が右傾化している」と題する記事を一面に掲載しました。

                この中で、ワシントンポストは「日本は徐々にだが右傾化への重要な変化の途上にある」としたうえで、「こうした変化が日本の外交安全保障政策に厳密にあてはまる」と指摘しました。その上で、日本国内の安全保障問題への関心の高まり、自衛隊の役割強化や憲法改正へ向けた動きなどを詳しく紹介する一方、「こうした変化は日本が中道路線へ向け動き始めただけのこと」とする日本の専門家の意見もあわせて掲載しています。

                今日のニュースである。
                湾岸戦争の時もイラク戦争の時もそうであった。石油利権が絡むと他国に侵略し、有無も言わさず戦争を一方的にはじめ、その国の治安を悪化させている国に軽々しく「右傾化」などという言葉は使ってほしくない。

                自国の領土を他国の力を借りずに守るという主張は独立国なら当たり前の論理であり、今までアメリカの核の傘に入っていれば安心という甘ったれたリベラルよりは民主主義が成熟したという証である。それを右傾化としか表現できないアメリカのジャーナリズムの貧困さが浮かび上がる。

                アメリカは民主党のオバマ政権のもと、ブッシュの時以上に軍事費を使い新たな兵器を装備した。
                口では「核なき世界」を標榜し、ノーベル平和賞をもらったが、全く実行力の伴わないものであった。
                アメリカは日本の右傾化に危機感をもっているのだろうが、アメリカ寄りにならない傾向を右傾化と指摘するのはあまりに稚拙であり、嗤うしかない。
                いまや、アメリカの言いなりにならない外交安全政策をめざす時が来ているのだ。
                 

                2030年原発ゼロは嘘八百 国民愚弄内閣の正体

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                  JUGEMテーマ:日記・一般
                  野田内閣が「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」を目指す戦略の閣議決定の是非を判断する直前、米政府側が閣議決定を見送るよう要求していたことが二十一日、政府内部への取材で分かった。米高官は日本側による事前説明の場で「法律にしたり、閣議決定して政策をしばり、見直せなくなることを懸念する」と述べ、将来の内閣を含めて日本が原発稼働ゼロの戦略を変える余地を残すよう求めていた。

                  政府は「革新的エネルギー・環境(エネ環)戦略」の決定が大詰めを迎えた九月初め以降、在米日本大使館や、訪米した大串博志内閣府政務官、長島昭久首相補佐官らが戦略の内容説明を米側に繰り返した。

                  十四日の会談で、米高官の国家安全保障会議(NSC)のフロマン補佐官はエネ環戦略を閣議決定することを「懸念する」と表明。この時点では、大串氏は「エネ戦略は閣議決定したい」と説明したという。

                  さらに米側は「二〇三〇年代」という期限を設けた目標も問題視した。米民主党政権に強い影響力があるシンクタンク、新米国安全保障センター(CNAS)のクローニン上級顧問は十三日、「具体的な行程もなく、目標時期を示す政策は危うい」と指摘した。これに対して、長島氏は「目標の時期なしで原発を再稼働した場合、国民は政府が原発推進に突き進むと受け止めてしまう」との趣旨で、ゼロ目標を入れた内閣の立場を伝えていた。また交渉で米側は、核技術の衰退による安全保障上の懸念なども表明したという。

                  エネ環戦略は十四日に決めたが、野田内閣は米側の意向をくみ取り、「エネ環政策は、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する」という短い一文だけを閣議決定「原発稼働ゼロ」を明記した戦略そのものの閣議決定は見送った。

                  今日の東京新聞である。
                  国民の命や安全にかかわることを、民意を全く無視して、朝令暮改的に簡単になし崩しにしてしまういまの政府の在り方に憤りを感じる。
                  結局、原発をゼロにする考えなどないのだ。
                  経済界や官僚にへりくだり、支持基盤の連合の圧力に屈し、最終的には自国のエネルギー政策をアメリカの顔色を見ながら決定せざるを得ない今の民主党政権。
                  そこには日本国民は不在である。

                  クローニン上級顧問の指摘はもっともなところもある。
                  2030年にゼロにするには、そのための具体的なシナリオを描くのが政治家の仕事であろう。
                  そういうことを全くしないで、その場その場の状況で口先だけの言葉を吐く。
                  だから、国民だけでなくアメリカも危惧をもつのだ。
                  平気でマニュフェストを反故にする政党である。
                  のど元過ぎればなんとやらで、いまの世論の目先をかわせば何とかなるという考えであったのだろう。

                  国民を愚弄するにもほどがある。
                  世界にも例のない原子力の未曾有の被災経験を後世に安全安心という形で生かそうという大局的な発想が欠如している。
                  前回も書いたが、どうしてこんなに情けない国になってしまったのか。

                  ふと、思い出してしまった。
                  徳川11代将軍 家斉の時代。政治家は賄賂および不正に明け暮れ、私腹を肥やし、一方で大きな飢饉が起こり、人々は困窮の極みの中で生活していた。
                  そんな中、立ち上がったのが大塩平八郎である。
                  平八郎は元与力。つまり地検の特捜部の筆頭という立場の人間であった。
                  幕閣にも通じたが、賄賂に手を汚すこともなく、武士の中で初めて部落の解放論をもった人物でもある。

                  「救民」の旗をかかげ、幕府の不正体質に風穴を開けようと立ち上がった。
                  世にいう大塩平八郎の乱である。
                  しかし、鎮圧され、平八郎は爆薬とともにこの世を去る。

                  徳川幕府という今以上に堅牢な封建社会にあって、義憤をもって立ち上がった平八郎の姿に感動するのは、いま、日本にそういうリーダーが不在だからである。

                  国民を愚弄するという点では家斉の時代と変わっていない。
                  野田首相の顔つきが50代とは思えぬほど、悪い面相に日を追うごとになっている。
                  まさに、大坂の人々の飢餓を省みず、自分の昇進のための賄賂として江戸にコメを送リ続けていた跡部山城守の考えと大同小異である。

                  自分の保身のために国民の犠牲を省みず、経済界の重鎮といわれる役立たずのじじいやアメリカに堂々と物申せない姿がだぶる。

                  腹が立ってしかたない。

                  40年前の超絶の傑作 「恐怖の頭脳改革」

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                    JUGEMテーマ:音楽
                    先日はディープ・パープルの名盤「マシン・ヘッド」のトリビュートアルバムのことを話題にした。
                    思えば、1970年代。
                    自分が高校時代にがんがん聴いていたのはロックばかりであった。

                    特に影響を受けたのはパープルとEL&Pであった。
                    無性にキース・エマーソンのムーグシンセサイザーの音色が聴きたくなり、最高傑作と名高い「恐怖の頭脳改革」のスペシャルエディションを購入した。

                    高校時代の懐かしさと同時に40年前の音作りとは思えない作品の質の高さに驚かされた。
                    特に、アルバムのハイライトである「悪の経典#9」の第1印象から第3印象までの流れは、驚異のサウンドである。

                    素晴らしいの一言に尽きる。

                    ギターがなくてもこれだけ聴きごたえのあるアルバムを創作できるバンドはもう表れないのではないか。ロックにギターがなければという常識を超越したサウンドは今なお衰えることはない。

                    キースエマーソンの奏でるシンセサイザー、カールパーマーのドラムの音の一音一音が意思をもって生命体のように心に響いてくる。

                    聴いたことのないという人にはぜひ聴いてほしい音楽である。
                     

                    罪悪 描かれるのは人間の狂気

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                      JUGEMテーマ:読書

                      ドイツの弁護士を本職にする作家 フェルディナント・フォン・シューラッハ「罪悪」を一気読みした。
                      1作目の「犯罪」で日本のミステリーファンに鮮烈な印象を与えたことは記憶に新しい。

                      この2作目もおもしろい。

                      題材を本当の事件および事件を起こした人間の心の闇に求めているので、嫌が応にも引き込まれる。ここに描かれているのは、紛れもない狂気である。

                      連作集なので、とても読みやすい。

                      「ふるさと祭り」「イルミナティ」「間男」「遺伝子」など出色の出来である。
                      スリリングな展開はないが、読み終えて背筋に冷たいものが走る。
                      それがミステリーの醍醐味である。

                      読書の秋にはふさわしいミステリーの傑作である。
                       

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