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ニュース【アンタクヤ(トルコ南部)=今村実】アサド政権の武力弾圧を逃れ、シリアから国境を越えてトルコ南部に押し寄せた難民が二万人余に上っている。国連主導の停戦が発効し半月がたつが、政権は攻撃を続け、トルコ側への難民流入は止まらない。「停戦なんてどこにもない」。難民キャンプの一つキリスを二十八日訪れると、生活を奪われた憤りが満ちていた。
「これを見てくれ」。同キャンプに数日前、北部アレッポ周辺の村からたどり着いた運転手サクランさん(28)が、携帯電話機に録画した映像を示した。
黒こげの男性数人の遺体が、室内に折り重なるように倒れている。今月二十日、政府軍に殺害された親類たちという。この虐殺で脱出を決意。妻と生後七カ月〜三歳の子供三人を連れ、森などを数時間歩き国境を越えた。途中、上空のヘリに見つからないよう神経を使いながらだった。
十二日の停戦入り後も、無差別の発砲は昼夜を問わず続いている、と話す。村では知人らが次々に逮捕され、安否が分からない。政権は家々に放火する戦術を進め「近隣の十三村が被害に遭った」。
政府軍は大きな穴を掘って戦車などを隠し、国連の停戦監視団の目をごまかそうとしているという。停戦を含むアナン前国連事務総長の調停について「初日から崩壊しているのが実態。政権にこれ以上、時間を与えるべきじゃない」と語る。
トルコ政府が運営するキャンプは八つ。うちキリスは、現在も急ピッチで拡充が進み、さながら一つの街のようだ。二千戸以上の仮設住宅のほか、スーパーや病院、モスク(イスラム教礼拝所)、学校もある。現在、約九千五百人が暮らす。
食事のほか、一定額の生活資金も提供され、命からがら逃げてきた人々がようやく一息つく場所だ。だが、わずか数百メートル先の国境地帯では、政府軍と反体制派の兵士の戦闘も発生。今月、流れ弾とみられる銃弾で、キャンプ内に死者が出た。
現場で父親を亡くした少女(13)は「お父さんとは、もう永遠に会えない。アサドの責任よ。殺人はもうたくさん」と目を伏せる。
主婦オムソブヒさん(50)は「多くの隣人が殺され、逮捕された。着の身着のまま逃げ、先のことは全く分からない。アサド政権が崩壊するまで、家には帰れない」と語った。
今日のニュースである。
国連の停戦監視団も全く意味をなしていないというのが実態である。
何を監視しているのだ。
国連安保理の決議に全く効力がないのなら、国連の役割とは一体何なのかという根源的な問題に当然行き着くであろう。
13歳の子供に殺人はもうたくさんと言わせる国際社会の責任は重い。
再三、このブログでかいているが、日本の大手メディアはほとんど実情を報道しない。
毎年、恒例のGWの混雑状況など糞くらえだ。
似ても焼いても食えない報道などいらない。
いま、世界で何が起きているのか。感度を鍛える真実の報道をしてほしい。
シリアの話にもどる。
不当な虐殺行為や攻撃を目の当りにしたら、市民を守る意味での威嚇的かつ限定的な攻撃はやむを得ないのではないか。
綺麗ごとだけならべていてもアサドの思うつぼであり、難民の数、つまり、普通の暮らしを破壊された人々の無念は消えない。