作家の筆力とは?

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    JUGEMテーマ:読書
    ポール・アルテのツイスト博士シリーズの「虎の首」を読んでいる。
    しかし、まあよくも続けて不可能密室犯罪を考え出すことができるものだなあと感心というよりも感嘆している。
    アルテのツイスト博士シリーズの一般読者の書評の中にこんなのがあった。
    本家ディクソン・カーに比べて筆力が劣ると・・・

    では、筆力とは何だろうか。結局、個人の主観によるものではないだろうか。

    個人的に日本の推理小説家の中で書きぶりが好きなのは、松本清張であるが、よみづらいという知人もいる。
     つまりは、好みの問題なのだと思う。
    アルテは大長編を書くタイプではない。重厚長大な作品が優れていると考える人には物足らないのかも知れない。自分はそうは思わない。
    要は、著者の考える作品の世界観の中に読者をどう引き込むのか。そして、ー気に読ませる力こそが作家のもつ力だと考える。
    いつまでもクリスティやカーではないだろう。アルテは筆力のある作家である。私はそう感じている。

    贅肉をそぎ落としている文体なだけである。それだけ、切れ味が鋭いということの裏返しでもある。


    「虎の首」に見られるある意味、ハードボイルド的な犯人に対するけりのつけ方も鮮やかである。

    野田首相の言動を疑う リーダーの資格なし

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      JUGEMテーマ:ニュース

      フクシマの人たちはどのような思いで、今日の野田首相の発言を聞いたのだろうか?
      原発の海外への輸出の継続、脱原発の大幅修正、建設途上の原発の建設続行、可能な限り早期の再稼働。

      そして、将来的にはより安全性の高い原子力の利用。

      まったくの素人のくせに、御用学者のいいなりになって、本当に誠実な学者の意見には耳も傾けない。世論の動向にも目を向けない。フクシマの災禍をどのようにとらえているのだろうか。

      確かに原発すべてをいきなり廃炉にしなさいなどと極論を支持するつもりはない。
      しかし、将来への方向性いかに電力を消費しない社会を築くのか。
      原子力の安全利用などという地震大国のわが国にとっては妄信を捨てて、安全な電力の供給を図っていくのかではないのか。

      菅首相は確かにリーダーシップのない人であったが、脱原発の方針を述べてことは評価すべきであると個人的には考えている。

      電力の不足など起きないことは多くの科学者が述べていることである。
      プールできない原子力発電の電気を揚水発電などという馬鹿げた方式で上にくみ上げ、下に落とすという無駄なことをやっているから、電気代が高くつくのだ。

      こういう事実はいま、書店に並べられている原子力発電に関する本を読めば、子どもでも分かる。

      野田首相はそんな初歩的な知識すらないということであろう。
      民主党の最大の支持母体が連合であり、自民党以上に原発に依存しているから、国民の感情を逆なでするような発言を繰り返すのだろう。

      一国のリーダーの発言ではない。自分の票のことしか考えない政治屋である。
      ふざけるなと言いたい。
       

      ピカソのキュビスム ランボーの武器商人

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        JUGEMテーマ:読書

        今年一番の刺激的な書を読み終えた。
        「憂鬱でなければ、仕事じゃない。」

        幻冬舎の取締役社長の見城徹氏とサイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏の共著である。

        ただ、含蓄のある自筆の言葉はすべて見城氏のものだ。

        どのページから読んでもおもしろい。ジャンルでいえば、ビジネス書になるのだろうが、そういうカテゴリーを超えている。

        ピカソがキュビスムに到達したのは、若い時期の精緻きわまるデッサンの技術を習得したからだという主張からなるこのページは、強固な基礎の上に基づいた、類稀なる創造に対する研さんが大きな飛躍をもたらすというものである。

        「突き抜けたことをしたいなら、基礎を徹底的に学ぶことだ。
        基本を超えるには、格闘しながら基本を極めるしかない。」

        また、ヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」のエピグラフを引用しての次の言葉も心に強く残る。
        神の家といわれるキリマンジャロの西側の頂に、一匹の豹の屍が横たわっている。
        何を求めて、遥か頂まで豹はやってきたのか?
        その一文になぞられて、見城氏は自分は頂で死ぬ凍えた豹をめざしているというものだ。
        逆はふもとの太った豚である。

        自分もそう思う。自分の職場でも全く向上心のかけらもなく、日々を安穏と過ごし、仕事をこなしている太った豚が大勢いる。すでに自分が専門職のプロという自覚すらない。

        そういう奴ら、多数はばばあどもであるが吐き気がする。

        ふもとの太った豚になるな。頂上で凍え死ぬ豹になれ。

        パレスチナの国連加盟申請の陰で

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          JUGEMテーマ:ニュース
          パレスチナが国連加盟を申請した23日、ヨルダン川西岸の自治区各地では、パレスチナ独立を支持する集会が開かれた。

          ラマラ中心部の広場には大型テレビが設置され、自治政府のアッバス議長の国連演説の生中継に、1万人以上が集まった。アッバス氏がこれまでのパレスチナ人の苦境を語り、イスラエルによる占領の不当性を訴え、「アラブの春」ならぬ「パレスチナの春」を呼びかけると、参加者からは大きな歓声が上がった。
           
          先週の国際的なニュースの中で一番の注目度を集めたニュースが上記に紹介したものであろう。

          ところがである、イスラエルの首相は自国との和平が優先と述べ、オバマにいたっては拒否権を発動する構えだ。

          アメリカの中東政策とはイスラエルだけを認め、パレスチナを許さないという構図であることがこれではっきりした。オバマ大統領は偽善者である。WE CAN CHANGEとかっこのいいことを発言して大統領になったものの、やっていることは全くひどい。何も変革など起きていない。

          この問題に関して、あるテレビ番組のコメンテーターは、拒否権をもってまで国連決議に臨めば、アメリカの国際社会での孤立は目に見えていると述べていたが、全くその通りである。

          大体、イスラエルがパレスチナのガザ地区で行った2008年12月27日からの市中に白リン弾を放射する空襲や地上戦において国連パレスチナ難民救済事業機関の小学校への攻撃など、非人道的な攻撃を繰り返して行ってきたのは多くの国際ジャーナリストが報じている通りである。
          その結果、3週間で1330人の何の罪咎もない市民を殺害したのである。

          言い訳は、われわれの攻撃で市民をハマスの攻撃から守ったという嘘っぱちであった。
          そういう国を一方的に支持しているオバマが信じられない。

          アメリカにいるユダヤ人からの圧力に屈しているともいわれている。
          人の命をかえりみない大統領など大統領としてどころか人間としての資質を疑う。

           

          放射能測定基準値の欺瞞

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            JUGEMテーマ:日記・一般

            次の3.11は必ず起きる。
            認めたくはないが、それは自明の理である。
            人間は忘れる生き物だが、今年の災禍から学び、決して忘れてはいけないものがある。
            それは、ひとたび巨大地震が起きれば原発という名の原爆の数百倍の被害をもたらす放射能がばらまかれるという事実だ。

            野田首相はあと半年をめどにして原発の再稼働という考えを提示した。
            何も学んでいない。
            松下政経塾あがりで、何の職業経験もしていない初の首相はことの重大さに全く気付いていない役立たずだ。

            現在の放射能の測定に異議を唱える科学者 木村真三氏の言葉が胸に響く。
            現在は獨協医科大学で准教授をつとめる放射能測定の第一人者である。

            彼は日本の基準値はありえないと断言している。
            信頼にたる測定値は、チェルノブイリの被災3国の基準値だとも述べている。
            水であれば1リットルあたり2ベクレル以下、野菜で1キログラムあたり60ベクレル以下などのデータである。
            この被災3国ではこれらのデータに基づいて、食べた摂取量を全部合わせても被曝限度年間1ミリシーベルトを超えないということを考えている。

            わが国の500ベクレルなどもってのほかと呆れている。

            私たちは日々、国や官僚や電力会社の人間にだまされているのだ。
            こういう暴挙を許していていいのか。
            未来の大人になる子どもたちの命を守る責任を果たす時だ。
             

            普天間問題再び オスプレイの配備を許してはいけない

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              JUGEMテーマ:ニュース
              いま、沖縄がどうなっているのか?
              自分はDAYS JAPAN10月号のTOPICSを読むまで知らなかった。
              それはとても恥ずかしいことである。
              日本の多くの人々の関心がフクシマに注がれている間隙をぬって、事態はとんでもない方向に進んでいる。もちろん、悪いほうにだ。

              イラク戦争の際のあの悪名高いラムズフエルド国務長官をして、「世界で最も危険な米軍基地」と言わしめた普天間になんと、地元の住民の反対を無視して、オスプレイの配備に着手したというのであるから、あきれてものも言えない。

              オスプレイとは垂直離着陸輸送機のことである。

              旧来のヘリコプター以上に飛行距離を伸ばすために、垂直に離陸した後で、プロペラの角度を変えて飛行機のように水平飛行してスピードを増す仕組みになっている。
              そして、着陸に際には再び垂直態勢をとるのである。

              言い換えれば、機体は常にバランスを保つのに不安定であり、開発過程からその機体の構造的な欠陥は指摘されてきた。現に30名以上の乗員が墜落事故で犠牲になっている。
              実戦配備されたアフガンでも昨年、墜落事故を起こしている。

              さらに離着陸の際の高温、排気熱と爆音はすさまじいものがあり、機体の下側にある直径45メートル範囲にあるものは高圧高温でなぎ倒されるのだ。

              世界遺産クラスの沖縄の自然が壊滅的に破壊されることは火を見るよりも明らかである。

              政府の正体ここに見たりである。辺野古への基地移転がスムーズにいかない場合には日米同盟再編問題にひびが入るとクリントン国務長官に脅されて、腰がひけているのだろう。

              沖縄の人々の命や、自然と引き換えに危険度超一級のオスプレイを配備することに抗議できない政権などいらない。
               

              ポール・アルテの凄さ

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                JUGEMテーマ:読書
                この三連休は読書で過ごした。
                毎度で申し訳ないが、ポール・アルテのツイスト博士シリーズである。
                「死は招く」の結末には度肝をぬかれた。
                そして、昨日は書店で購入したばかりの「カーテンの陰の死」を一気に読みとおした。

                ポール・アルテの凄さは不可能密室などの犯罪に直球で挑む本格派ということもそうだが、フーダニット、ホワイダニッット、ハウダニツトと3つの要素を入れ込んでおきながら、重厚長大な作品にならず、しかも読み易いという点に尽きると思う。

                これは、並々ならぬ構成力のなせる業である。
                筆力と一言で言ってしまうのは簡単であるが、緻密なプロット、展開、終末とよほどしっかりと頭の中で構築されていないと、ぐだぐだになってしまう危険性を孕んでいる。それを軽々とこなしている。

                読み易さという点では余計な情景描写などの飾り文章を排し、謎解きに焦点をあてて、会話文を多用し、解決に向けてつき進むという文章運びが功を奏している。
                それでいて、シドニー・シェルダンなどと一線を画しているのは、人間の内在する因業を描いているからにほかならない。

                扱っている素材が猟奇的な殺人事件であっても、不思議と嫌悪感を抱かないのは、猟奇的な部分が核ではなく、あくまでも犯罪を犯すにいたった人間の心のうちのどす黒い部分や哀しさをきちんと書いているからだと自分は考えている。

                ジョン・ディクソン・カーへのオマージュなどと作風を評論されることの多い作家であるが、自分は恥ずかしながら名前は知っていても、カーの作品は読んでいないので、純粋にアルテの作品を堪能している。ポーの黒猫のエピソードなどはよい効果をもたらしている。
                そういう遊び心のあるところも好感がもてる。

                今は、「虎の首」を読んでいる。帯にはこう記されている。
                「ツイスト博士 愚弄される。」
                この一文だけで、つかみは十分だ。ポール・アルテ。日本でもっと認知されてよい作家である。
                 

                直球ど真ん中 ときどきビーンボール

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                  JUGEMテーマ:日記・一般

                  先日、友人とガールズ居酒屋に行った。
                  その際に注文を取りに来てくれた女性がとても綺麗でかわいかったので、「綺麗ですね。唇がとても魅力的だね。」と言ったら、「思いっきり直球ですね。」と言われた。
                  「変化球は投げられないから」と言うと、笑って「直球嫌いじゃないです。」と答えてくれた。

                  今の世の中、わけのわからない変化球が多くはないか。
                  政治家にしろ、東電の幹部にしろ、紳助やその取り巻きにしろ・・・
                  改めるべきことがあれば、素直に非を認め、心から謝ればいいのだ。

                  それをのらりくらりとごまかしや嘘や、見え見えの言い訳をするから、人に揶揄され軽蔑されるのだ。

                  直球で勝負できなくなるなら終わりくらいの覚悟が、どの世界でも働く人間の矜持として必要ではないかと思う。

                  自分の場合。時にその直球がすっぽぬけてビーンボールになるのが欠点ではあるが・・・
                   

                  ACミラン ガットゥーゾの言葉

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                    JUGEMテーマ:日記・一般
                    サッカーが好きだ。
                    日本代表の試合だけでなく、ヨーロッパのリーグ戦に注目している。
                    好きな選手は何人かいるが、イタリアではガットゥーゾが断トツでいい。
                    自分はワールドカップでは、イタリアは贔屓国ではない。デルピエロやトツティというイメージがどうも好きではないからだ。
                    そんなイタリアチームにあって、ガットゥーゾは異彩を放っている。
                    イケメンでもなく筋肉の塊のような体で激しい闘志でボールに食らいついていく。
                     
                    「自分のプレイは誰にでもできるくらいのレベルのものさ。しかし、俺ぐらいやるのは相当難しいぜ。」

                     「俺のガキの頃のコーチはサッカーのことは何も知らなかった。戦術のことなんか何もおそわらなかった。ただシンプルにプレイしろと言われただけだ。しかし、今ふり返るとこの言葉以上の助言はないと思うようになったんだ。」

                    シンプルに。これは簡単なようで実に難しく、奥が深い。スティーブジョブズの発想の原点もシンプルの一言につきる。探求心や向上心がなければシンプルの真髄は見えてこない。そう思う。どの仕事にもあてはまることだ。

                    面白い!ポール・アルテに嵌る

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                      JUGEMテーマ:読書
                      またまた、ポール・アルテである。
                      ツイスト博士シリーズの「死は招く」を読んでいる。
                      密室不可能犯罪をどう解くかがこの本の鍵である。
                      謎の招待状から始まり、推理作家が自分の次作の仕掛け通りの方法で殺されている。
                      誰が?だけでも興味深いのであるが、この不可能犯罪をツイスト博士がどう解明していくのか。

                      面白くない訳がない。文体もとても平易で読みやすい。

                      抑えながらじっくり読んでいるのであるが、あっという間に既に半分をよんでしまった。新刊ではないが自分自身の今年の作家賞は、ポール・アルテで決まりである。

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