いま、とても刺激的な本を読んでいる。
タイトルは、「スティーブ・ジュブズ 驚異のイノベーション」である。
どこのページにも折り目を入れたくなるほどの面白さ、目から鱗のおもしろ本である。
カテゴライズすればビジネス書になるのであろうが、そんな枠組みはジョブズ自体が一番嫌うところであろう。
スティーブ・ジョブズが一時期Macを追われて、11年後にCEOとして復活した際の企業としてのMacは死に体であった。魅力的は製品は見当たらず、一方でマイクロソフトの急成長があり、誰もがコンピュータ業界での先駆者という存在を見限り始めていた。
そして、彼が唱えたのは、宿敵ビルゲイツの率いるマイクロソフトからの一億五千万ドルもの投資提携。Macワールドエキスポにつめかけた人々からはブーイングにさらされた。
しかし、ジョブズはこのときに新たなイノベーション戦略をもっていた。
有名な言葉。「シンク ディファレント」にその思いは表れている。
11年間の空白を30秒で回復させたといわれるこの広告。
今のMac復活劇はここから始まったのだ。
彼が11年間もMacから追放されてもなお前に進むことができたのは、エレクトロニクスと宇宙に衝撃を与えたいという、壮大な思いと情熱があったからだ。
だからこそ、Macには単なる顧客やファンにとどまらない、ジョブズの考えに惹かれついていく膨大なエバンジェリスト(伝道者)たちが誕生するのである。それがアップルという会社の正体なのである。
スティーブ・ジョブズ。
地平線の彼方を見る男は夢を真摯に語り、夢の実現に向けて大量のインスピレーションと強烈なビジョンを放射し続け、今日も伝道者を増やし続けている。