気がかりなこと 忘れ去られていく惨事

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    JUGEMテーマ:日記・一般

    4月の最後を締めくくるのは自分らしく硬派な話題にしたい。
    東日本大震災からはや1ヶ月半以上が経過した。
    テレビでは良心的な番組が、被災状況を伝えているが、もとのくだらない番組だらけになってきた。
    しかも、たちの悪いことに、原発の災害については楽観論が多い。

    広瀬隆氏に言わせれば、これからが大変なのだ。
    テレビに出てくる評論家連中は福島原発の内部の構造を知らない。
    知っているのは当然、設計した日立や東芝、三菱の技術者のみだ。
    そして、多くが原発推進論者であることに注意しないといけない。

    アメリカの「憂慮する科学者団体」は今回のようなメルトダウンにおいて、福島原発のような格納容器は壊れやすいとずっと警告を発してきた。
    そして、このフクシマの被爆による死亡推定者の数を1000人以上とニューヨークタイムスでもCNNでも伝えている。
    その数を提示したのは、福島原発の建設に携わったデール・ブランデンボー氏である。

    ところが、そういったニュースは日本では一切流れない。
    菅も枝野も、保安院の連中も何を根拠に6ヶ月で安全になるといっているのか信じられない。
    被災者に対する欺瞞である。

    冷却にしても海水を入れるのはもってのほかだと広瀬氏は指摘する。なぜなら、塩分が付着し、みんなくっついてしまい、原子炉そのものの制御が不能になるからだ。

    それから、放射能の測定もいんちきだ。空気中にある放射能はどう考えても体の中に、呼吸をすれば入り込むわけで、服についているどうかを測定器ではかっても意味はない。つまり、体内被曝になぜ触れないのか。なぜ、メディアはこのことを厳しく東京電力に追求しないのか。
    都合の悪い事実を隠し、結局は悲惨な眼にあうのは誰でもない、国民。
    そして、被災している方々である。薬害エイズの問題と本質的に変わらない。

    日本中の原発は福島と同じ運命をたどるのだ。忘れてはいけない。
     

    ストロベリーナイト スピンオフ「感染遊戯」

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       「ストロベリーナイト」で警察小説に類稀なるスピード感とスリリングな展開、個性的な登場人物(刑事や警部)を配し、新風と衝撃を与えた誉田 哲也「感染遊戯」をいま読んでいる。
       まさに、「ストロベリーナイト」のスピンオフ作品である。
       スピンオフと言う言葉が盛んに使われるようになったのは、「踊る大捜査線」のドラマら映画のヒットを契機にしてそれに登場する人物を主役にした作品が続々と作られるようになってからだと記憶している。

      だから、「ストロベリーナイト」の主役である姫川 玲子はほとんど登場しない。

      今回の読みどころは勝俣こと「ガンテツ」の再登場と、個人的にはシンメトリーの「倉田修二」の登場がたまらなく嬉しい。

      筋立ては極めてシンプル。でも、好きな脇役が主役を張っているので誉田哲也の警察物が好きな人なら、楽しめるはずである。

      誉田哲也といい大好きな作家である伊坂幸太郎しかり、冒頭の数ページで読者を惹きつける力。
      さすがだ・・・
      だから、久々の単行本だ。

      しかし、一気に数時間で半分以上読んでしまった。この事件で取り上げている話題は、かつて、自分も興味があって調べたり、いろいろなノンフィクションを読んでいたので、シンプルとはいえ、ワクワクしながら読んでいる。

      読了したらまた書き込みをしようと思います。

      最後に昨日の時点で4月のアクセス数の合計が3000以上になりました。
      一日平均すれば100以上のアクセスということになります。
      立ち寄ってくれたみなさんに感謝します。

      デジャブ・ジャンプの世界観が現実に

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        今月の20日に「愛おしさの記念日」という極めて、このブログでは異色の極私的な記事を書いた。
        ところがである、あのときの主人公であるというか本当の人物であるMさんが消えてしまった。

        まるで、佐藤正午の名作「ジャンプ」の世界である。
        彼女はリンゴを買いに行ってくるから、5分くらいかなと言い残して失踪してしまう恋愛小説である。

        その世界が自分の周りで現実に起こった。
        「派手なデコメのメールあとで送るから。じゃあね。」
        あの笑顔は多分一生見られないだろう。

        だから、あの時の記事は削除した。

        人の気持ちの揺れ動きは儚いし、常にとどまることはない。

        今の自分の心にあるのは何とも言いがたい喪失感である。
        亡くしたわけじゃない。でも大事なものを失ったような無力感。

        あと一週間後に職場復帰だが、なんだかぽっかり心に穴が空いたままだ。
         

        梶 聡一郎の眼  「半落ち」再読

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          一般的に「半落ち」が横山秀夫の代表作といわれている。
          はじめに読んだのが5年前だ。
          このときの印象と今の印象では自分の気持ちが変わっていた。

          ねたばれになるし核心部分にかかわるのであまり書けないのであるが、自分も50歳を意識するあたりから人生観が大きく変化した。これは梶の心境と一致する。

          自分は2年前に鬱病にかかり、今はストレスによる突発性難聴と闘っている。
          アルツハイマーに比べればというが、自分も死にたいと追い込まれたことはある。

          それはこういった精神的な病気になったものでないと理解不可能だと思う。
          そして、その病気の発症とともに、自分は妻の了承を得て、脳死判定または心臓停止の場合の際には自分の臓器を全て提供することにした。
          正式名称は「臓器提供意思登録カード」である。

          なぜカードをつくったのか。簡単に他人に言えることではない。

          そのカードは常に携帯していなくてはならないので、財布の中に入れている。

          再読して気付いたことは、梶 聡一郎の眼の描写が多いことである。
          梶の眼と自分の眼は同じだろうか。
          そう考えながら読んでいた。

          絶望の深淵の先にあるかすかな、あまりにかすかな光。それを見据える限りなく澄んだ眼。

          読後感は悪くはないが、最終章を読むのは苦しかった・・・
           

          衝撃・圧巻! この完成度を感じよ 「ルパンの消息」

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            「ルパンの消息」。
            この作品で佳作なら、この年のサントリーミステリー大賞は誰のなんだっんだろうと考え込んでしまいました。
            デビュー作にして、この完成度。
            人間関係の複雑な綾の中で交錯する二転三転もする展開。
            最後の最後に明らかになる衝撃の真相。

            素晴らしい作品です。

            所轄の刑事の動き。取調室での緊迫感など、後の「クライマーズ・ハイ」につながるようなスピーディーさスリリングさも感じました

            久々に一気呵成の読了。これだからミステリーはやめられません。

            いま、「半落ち」を再読しています。
            初回読んだときとは違った感覚になるかもしれません。
             

            名手 横山秀夫のデビュー作「ルパンの消息」

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              横山秀夫というと、自分にとっての最高傑作は「クライマーズ・ハイ」である。
              警察ものでは「動機」が集録された短編集か松本清張賞を受けた「陰の季節」が出色であると、個人的には思っている。

              その、横山秀夫の長編デビュー作である「ルパンの消息」を今、貪る様に読んでいる。深夜の高校に侵入し期末テスト問題を盗もうとする三人の男子。その日に発生する高校女性教諭の自殺。
               
              しかし、時効前日にもたらされる殺人をうかがわせる信用筋からの情報。情報により15年前の三人が再び警察の取調室で出逢う。
               この事件と微妙にリンクする三億円強奪事件。謎のマスター。奔走する刑事達。魅力的な登場人物と巧緻な構想過去と現在を行き来し錯綜するスピーディーな展開。
               
              今はなくなってしまったサントリーミステリー賞の佳作というのも納得だ。軽いタッチのミステリーを最近読んでいたので、こういう骨太の作品に出会うと嬉しくなる。一気加速に残り70ページになってしまった。
               
              さすがは、名手 横山秀夫である。

              完璧なシンクロ小説 「鉄のライオン」

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                重松 清「鉄のライオン」(光文社文庫)を2時間で読了した。
                単行本の時のタイトルは「ブルーベリー」である。
                単行本の際はちら見もしなかった。
                理由は簡単。薄いのに確か1500円か1600円したからだ。

                読み終えてみて、奇妙なデジャブにとらわれている。
                それもそのはず、重松 清と自分は年齢にしてわずか2つしか違わない。
                自分のほうが先輩である。

                あとがきらしきものの中で、この小説の主人公は80年代と言う時代の空気そのものだと、重松 清は語っているが、まさに自分の青春時代=大学時代にシンクロして懐かしささえ感じながら一気読みしてしまった。

                しかし、「黄昏のイエローサブマリン」で今はなき、横浜の戸塚区にあったドリームランドが登場したときには腰が抜けるほど驚いた。なぜなら、横浜に赴任しての第一校目がなにを隠そう、ドリームランドが学区の小学校だったからだ。
                当然、高層マンション群のドリームハイツも登場する。自分は4年間、そのマンションから通ってくる子どもたちの担任をした。
                最初に受け持った子どもたちも36歳、まさにアラフォー世代である。
                月日の流れの速さを痛切に感じる。

                個人的にすきなのは4時間17分目のセカンドサーブ」。

                ジミーコナーズVSジョン・マッケンローのウィンブルドンでの死闘をモチーフにした内容である。
                この試合もNHKテレビでリアルタイムで見ていた。

                鉄のライオンについては、ボブ・マーレーの曲がヒントになっている。
                80年代世代にはたまらない一冊である。
                 

                ギャグ&本格の確立  密室に向かって撃て!

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                  東川 篤哉の鵜飼探偵シリーズとして発刊された第二弾「密室に向かって撃て!」を丸一日で読み終えた。

                  書評家連が最高傑作と呼ぶ「交換殺人には向かない夜」よりも好きだ。
                  奇抜な文章構成やプロットはない。
                  ストレイトに章立てごとに物語りは進む。
                  単純な自分は、こういうシンプルさが好きだ。

                  内容は面白かった。
                  ギャグ満載の会話のテンポに加えて、鵜飼自身がショウタイムとして披露する「銃声のカウントダウン」の推理の明晰さと、トリックの斬新さには「あっぱれ」という印象を受けた。

                  そして、いつも何気ない伏線が大きな意味をもつのだが、今回もやられた。
                  仮説を構築し、崩れればさらに構築しを繰り返す、コリンデクスターのモース警部には及ばないが、
                  基本がギャグ&本格だと信じているので、あまり、凝ったプロットに走りすぎないでほしいというのが、一読者の率直な感想である。

                  読んで損はなし。
                   

                  下町の上、山の手の下

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                    最近、IPADで聴きまくっているのが中島みゆき「下町の上、山の手の下」だ。
                    「私の子どもになりなさい」というアルバムに収録されている。

                    タイトルからも想像できる様に、所詮、恋愛も人生も所詮は紙一重という内容だ。
                    くだらない枠組みなんてぶっこわせというメッセージを感じる、痛快なロックンロールだ。

                    その証拠に、みゆきが珍しく、メロディを歌いきった後で、何度も繰り返して「WOU WOU」などとシャウトしている。それだけでも元気付けられる。

                    「背広の下のロックンロール」も大好きで、昨年度の自分のテーマ曲にしていたが、今年は、この歌で決まりだ。

                    最新作の「真夜中の動物園」もいい。その話題については次回にでも・・・
                     

                    東川氏はヒッチコック好き? 交換殺人には向かない夜

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                      JUGEMテーマ:読書

                      大ブレイク中の東川 篤哉の鵜飼杜夫探偵シリーズ交換殺人には向かない夜」をやっと読み終えた。
                      交換殺人と言うと、やはりパトリシア・ハイスミスの「見知らぬ乗客」が有名であり、拍車をかけるようにヒッチコックの映画もこれまた有名である。
                      そんなことを思いながら、読んでいたらやはりそういった話が出てきました。
                      「サイコ」の話題も作中に出てきたし、東川さんはおそらくヒッチコックのファンなのだと感じました。

                      この本を読み終えた感想ですが、なかなかギャグ満載ながらも、構想といいトリックといい本格の構えをしたなかなかの良作だと思います。

                      ただ個人的には、鵜飼と戸村の探偵師弟コンビが分かれて活動しているので、活躍の場面が少なかった気がします。そこが残念でした。

                      それと、現在進行形の事件と3年前の事件とが交錯しているということが明確になるのが終盤近くなので、前読んだ「猫」のほうが自分としてはすんなり楽しめたといういうのが本音です。

                      男勝りの口調の女性が多いということを先日指摘しましたが、完全にやられました。
                      ネタばれになるのでこれ以上書くのはやめておきますが、 自分のような読者は東川氏の思う壺ってことですね。

                      気に入った作者の作品は最低でも立て続けに3冊は読む主義なので、今日から、鵜飼探偵シリーズの2作目となる「密室に向かって撃て」を読み始めています。
                      すでに200ページ読んでしまいました。

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