やっと読了 読み応えあり「十の罪業」

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    ようやく「十の罪業 BLACK」を読み終えました。
    REDと合わせて、1400ページはさすがに重量感に溢れ、読み応えは十分でした。
    REDかBLACKかどちらか一冊をとなると、私はBLACKを薦めます。
    決してREDがよくないということではありません。あくまでも個人的な感想です。
    ディーバーの「永遠」もそうですが、キングの「彼らが残したもの」、ジョイス・キャロル・オーツの「コーンメイデン」、モズリイの「アーチボルドー線上を歩く者」、アン・ベリーの「人質」。それぞれが味わい深く、読後に余韻が残りました。
    キングの抑制をきかせた語りには新鮮さを感じましたし、「コーンメイデン」のじわじわと迫り来るこわさ、心理描写には緊張感を味わいました。
    アン・ベリーは自分自身初読の作品でしたが、ミステリーを超えた親と子の相克や宗教間の問題などの提示もあり、個人的には好きな一編となりました。
    しかし、これだけの作家が結集するアンソロジーはもう不可能なのではないでしょうか。
    さすがは、マクベイン。


    苛立ってます!!

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      読書をする時間がほとんどなく苛立ってます。どの職場でもそうでしょうが、本当に身勝手な人間はいるものです。
      自分で安請け合いした仕事を人に簡単にふる。
      お笑いの世界で「むちゃぶり」という言葉がありますが、お笑いの世界はそれで笑いがとれるから芸人たちにとってみればおいしいでしょう。
      しかし、私はちっともおいしくも何もない。ただただ腹立たしいだけ。
      それではあまりに悔しいから職場の帰りに書店に立ち寄って衝動買いしたのが、茂木健一郎氏の「感動する脳」。
      「日本車のデザインはなぜ劣っているのか」「東大に世界的な研究者が少ないわけ」など興味深い話が満載です。
      まだほんの数ページしか読んでいませんが、人間にとって一番大切なものは、「意欲」であるという言葉です。意欲ややる気を精神論で語るのではなく、脳の前頭葉の発達と密接に関係しているという科学的な見地から述べている点にはっとさせられました。そのやる気や意欲を喚起するキーワードのひとつは「欲望」。欲望をもつことは悪いという旧態依然とした価値観の教育から脱却するときであると茂木氏は述べています。
      しかし、欲望のベクトルをどこに向けるか、つまり価値観のベクトルをどこへということは重要であると付け加えていますが・・・
      興味深い話です。


      さすがはディーバー

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        中篇アンソロジー「十の罪業 BLACK」の一編。ジェフリー・ディーバーの「永遠」昨日読み終わりました。
        警察機構の中の統計科の警察官が主人公という設定の妙はあるものの、終盤近くまでのストーリー展開は、予想されるべきもので、ディーバーでも中篇は厳しいのかと思っていたところ、さすがはディーバー。最後にはひねりに加えて、スリリングな締めくくり。
        そして、最後には見事なおちという幕切れにもっていくところに改めて筆力を感じました。
        今は二編目のキングの「彼らが残したもの」を読んでいます。
        とはいっても、仕事が山のようにあるので、その合間をぬっての悲しい読書ですが・・・


        結局 ジェフリー・ディーバーに惹かれ

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          十の罪業 RED」を読了した後、何の本を読もうかと書店に立ち寄り、あれやこれやと迷った挙句、結局購入したのは「十の罪業 BLACK」です。
          巻頭がジェフリー・ディーバーとあっては、読みたいと思う衝動を抑えることはできませんでした。ディーバーといえば、リンカーン・ライムシリーズが爆発的に有名ですね。
          私もほとんど読んでいます。一番衝撃を受けたのは、2作目の「コフィン・ダンサー」ですね。真相が分かったとき、【やられた】と思いました。「石の猿」も好きですね。
          展開にスピード感が一番あるような印象を受けました。
          そのディーバーの中篇小説。主人公は警察官でありながら、統計学が専門の数字を操る男。設定がうまいなあと思います。
          東野圭吾のガリレオこと湯川も物理学でしたね。今は、そういったある意味、専門性の高いキャラクターが人気がおるのでしょうか。
          さて、「永遠」と題された、このストーリー。
          一見、普通の自殺または心中と見える事故に統計学的見地から、事件性を見出していく展開は派手さはないものの、じわじわと読み手の心に迫ってきます。結末が楽しみです。

          十の罪業  いよいよ終盤!

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            昨日で読了予定だったエド・マクベイン編の「十の罪業」も、酷い二日酔いのために90ページ位しか読み進めることができず、まだ80ページを残しています。
            しかし、実力派の作家たちが揃っているだけあって、それぞれに味わいは違うものの、読み応えはあります。
            ミステリーの範疇を超えた、シリアスな人間ドラマ的な内容も含まれていたりと、堪能しています。
            午前中で読了する予定なので、今日はまた本屋に行って何を読むか探すのが今から楽しみです。
            それにしても、このブログにアクセスする人の多くが検索文字として、「重松清」「希望ヶ丘の人々」を入力しているのには驚きです。
            外国の作品を好む人ははやはりまだまだ少数派なのでしょうか・・・


            悲しい休日・仕事漬けの一日

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              今日の休日は「十の罪業」をひたすら読むことを楽しみにしていたのですが、それもかなわぬ仕事三昧の一日となりました。
              仕事があることに喜びを感じなければいけない今の時代なのでしょうが・・・
              それでも、ちょっぴりは読書しました。
              そこで思わぬ収穫がありました。
              「十の罪業」の中の一編である、ジョン・ファリス「ランサムの女たち」です。
              実はこの作家の作品を読むのはこれがはじめてでした。アメリカでは大変評価されているらしいのですが。
              いやー、予想に反して、なかなか読み進めていくうちに、謎めいていく展開でおもしろかったです。最後のおちもなかなかひねりがきいていて楽しめました。
              これだから、読書はやめられませんね。

              エド・マクベインの呼びかけ   十の罪業RED

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                まさか、エドマクベインの正真正銘87分署シリーズの最後となる作品を読めるとは思いもよりませんでした。
                「ストロベリーナイト」の本紹介で何気なく、警察小説の白眉は「87分署シリーズ」といったニュアンスでかいたことが天に通じたのか、書店にいって文庫本をさがしていたら、背表紙にエド・マクベインの文字。パラパラッとめくってみると中篇のアンソロジーだということが分かりました。冒頭はエド・マクベインの87分署シリーズの「憎悪」。
                序文でマクベイン自身が言葉を寄せているのですが、中編小説がいかに作家にとって難しいかということを述べていたのですが、確かに言われてみると連作集というのはあるけれど、中編小説の傑作と問われて「この作家のこれ」と言えるものがあるかと問われれば困ってしまう読者が多いのではないでしょうか。しいていえば、松本清張くらいかなと個人的には思います。外国ではスティーブン・キングかな・・・
                しかも、エド・マクベインの呼びかけに応じた作家の顔ぶれがすごい。REDではウェストレイク、ローレンスブロック、BLACKではジェフリーディーバー、さきに紹介したキング。まあなんと贅沢な布陣です。さすがはエド・マクベイン。
                さて、中身は。何しろ700ページの超大作。しかし、やはり名手ぞろい。まだ半分しか読んでいませんが、なかなかいいです。まずは御大のマクベインの「憎悪」。作品はまさに今のイスラエルとサマスの争いを見透かしたかのようなテーマを下敷きに、マクベインお得意の落としどころで幕を下ろす展開。予定調和といってしまえばそうですが、ファンはそこが魅力なのです。なにしろ、87分署シリーズがかつての日本の名刑事ドラマ【太陽にほえろ】に多大な影響を与え、【踊る大捜査線】にしたって結構、ねたを下敷きにしているところはありますからね。「殺意の楔」とか・・・
                明日は読了目指して読書三昧の休日となりそうです。

                ラスト一行・最後の一撃とは!?

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                  ついつい本の帯につられて購入した一冊の本。
                  米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」。
                  その帯の言葉とは、「あらゆる予想は、最後の最後で覆される。」
                  ラスト一行の衝撃。
                  これは、ミステリーファンにはたまらない惹句でしょう。
                  読了した感想は、収録されている5作の中で、強烈に「やられた。」と思ったのは自分自身は「玉野五十鈴の誉れ」ですね。それから、しばらくしてじわりとそのこわさがせまってきたのが2作。とすれば、なかなかの佳品ということになるのでしょう。
                  ただ、ジェフリー・ディーバーの「クリスマスプレゼント」あたりを読んでしまっていると、正直、帯の言葉が大げさかなという気はします。
                  まあ、ディーバーはひねりの天才ですからね。
                  しかし、「玉野五十鈴の誉れ」のラスト一行は、強烈ですね。この1作品だけでも読んでみる価値はあると思います。

                  ソウルケイジ  作品が問いかけているもの

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                    誉田哲也の「ストロベリーナイト」の続編ともいえる「ソウルケイジ」読了しました。
                    ストロベリーナイトは、その意味が作品の中で明らかにされますが、ソウルケイジは読者にその意味を問うている作品だと思います。
                    書評家ではないので、うまくは言えませんが、ソウルケイジが問うているのは、檻に閉じ込められた魂が檻から解き放たれたときに何が起こるのか。
                    勿論、この作品はミステリーであり警察小説ですので、起こるものは犯罪ではあるけれど、読んでいて、何かミステリーを超えた胸苦しさを感じました。
                    作品自体、「ストロベリーナイト」に比べての派手さやスピード感はないものの、ワンボックスカーから発見された左手首の謎解きを軸にすえて、地味ながらも丁寧にその謎を追いかけていく展開に静かに引き込まれました。
                    キーワードは父性。それ以上は書きません。実際にストロベリーナイトと併読してみてください。犯罪を犯す側の業や性をもっと描いてほしいということを前作では書いたのですが、この作品はそれがしっかりカバーされていると思います。だから、地味ではあるけれど、奥行きのある人間のドラマになっているような気がします。あくまでも個人的な独断ではありますが・・・

                    ひたすら自己嫌悪の夜

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                      いつもは本や作家の紹介や話題でこのブログは成り立っているわけですが、今日は最近考えていることを書き連ねてみます。
                      「DAYS」というフォトジャーナリズム月刊誌があります。
                      1月号の特集は奴隷にされた子どもたちです。舞台はハイチ。
                      身柄を売買されて、わずかな食べ物だけで休みなく重労働を課される子どもたちのほとんどが女の子。200年前に終わったはずの奴隷制度が現代に蘇っているわけです。
                      どの写真の子どもたちの眼は暗い。その先に何の未来も希望も現段階ではない。
                      横行する性的虐待も深刻な問題である。
                      一方で日本では非正規雇用の派遣社員の馘首が3月までに製造業関係で40万人にのぼると報じられている。高齢者の自殺も孤独死を含めて深刻な問題である。
                      なぜ、こんなことを書いているのかというと、いま自分自身、精神的にも肉体的にもちょっとダウンという状態を迎えている中で、一方で自分のかかえていることはハイチの子どもたちや派遣社員の方のそれと比べれば、きっと取るに足らないレベルのことなんだろうなと思う自分がいて、それがとても情けなくもあり、かといってケセラセラとはいえないことも事実で・・・
                      苦しさとか辛さとか、誰かと比べるべきものではないけれど、やっぱり自分は甘えているなと感じること自体が傲慢なような気がして・・・
                      ひたすら自己嫌悪の夜です。

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