怒涛の忙しさの中で・・・

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    今月を乗り切れば何とかなる!という感じの忙しさの中で、またまた久しぶりの書き込みとなってしまいました。
    先週には5冊同時に本を読んでいましたが、3冊は読了したので紹介します。
    2冊は椎名誠の本。一時期、椎名誠の「怪しい探検隊」シリーズや赤マントのエッセイ集にはまりまくっていたこともあったのですが、このところ理由はないのですが、遠ざかっていた作家の一人です。
    今週末に一気読みしたのが「ワニのあくびだなめんなよ」「長さ一キロのアナコンダ」。2冊ともおもしろエッセイです。特に、「長さ一キロのアナコンダ」は興味深い話題満載で面白かったです。中でも羞恥と糞便、笑う犬、地球発熱衰弱状態は読みながら笑い半分、怖さ半分で読みました。怖さといってもホラー的な怖さではなく、現実に起こったら戸考えさせられる怖さです。
    推理小説は読んでもSF物はアイラ・レビィンくらいしか読まない自分にとって椎名誠が紹介してくれるSF小説は読んでみようかなあという気持ちにさせてくれます。
    3冊目は小説です。タイトルは「田村はまだか」。新鋭の作家、朝倉かすみの作品です。本屋で立ち読みしていて衝動買いしてしまいました。
    小学校のクラス会の三次会。一人の旧友をまつ5人の仲間。
    そして口癖のように出る言葉「田村はまだか」。
    そして待つ間に語られる一人ひとりのちょっとビターな人生遍歴。
    変わったものと変わらないもの。その変わらないものを持ち続けているのが田村。
    いや変わらないでいてほしいと願っているものをもっているのが田村と言ったほうがよいかもしれません。
    そういう感覚ってすごく分かる気がします。酸いも甘いも経験しながら、時折、ふとかすめるくだらないほど大事にしていた学生時代の熱い思い。
    この作品は最近のCDタイトルのようにR35だなという気がします。
    作者の朝倉さんは自分とは同年齢。同級生。だからこそ、いっそう内容に共感できるのかもしれません。
    「田村はまだか。」なかなかお薦めの一冊です。
    4冊目は、新潮新書の「漢字は日本語である。」
    「|」。この漢字読めますか?人名漢字として使用可能な漢字だそうです。しかも上から書くのと下から書くのではまったく意味が違う。漢字ってミステリアスですね。
    興味深かったのは、斎藤さんと斉藤さんは全く意味が違うということ。身近にいたら「ごめん漢字書き間違えちゃった。」ではすまないということがよく分かりました。
    5冊目は、これも新書の「1万円の世界地図」。ビッグバーガー指数でその都市の裕福さを図る指標がおもしろかったです。
    やっぱり読書は最高の娯楽ですね。仕事漬けの週末でしたが、空いた時間は全て読書につぎこみました。心が満腹状態です。

    ジャンプ まだ心が揺れている

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      「ジャンプ」の余韻がまだ心に残っています。
      コンビニにリンゴを買いに行くといったまま失踪をする恋人。
      その真相を聞きだすために、結果として5年の月日を要することになるかつての彼氏。
      しかし、答えは5年という月日の中にあったのではなく、彼女である南雲みはるが失踪をしたとされる次の日にあったという真実。
      恋愛や人生に、たら、ればを語ったらきりはないのは承知ですが、読んでいて胸がどんどん苦しくなったのは、同じような経験とまでは言わないまでも、あの時、あの言葉をかけていたら、あの行動をとっていたら、確実に現在の人生とは違う人生が待ち受けていただろうという瞬間があるからだろうと思います。
      それが不幸か幸福かは別問題として・・・
      だから、読み終わって数時間経っているのだけれど、心が揺れているのです。
      ページを繰りながらも、一方で何だか真相を知るのが苦しくなっていく・・・
      男だからでしょうか。このひとつ前のブログでも書きましたが、この作品は読み手によって全然違った読後感を抱くのではないかと思います。
      もし誰か今までに読んだ人がいたら、コメントください。

      小説のもつ力を堪能できる作家

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        今まで、書店に行って何となく気になっていたのだけれど、読む機会を逸していた作家っていませんか?
        自分にとっては佐藤正午がそうでした。デビュー作の「永遠の2分の1」は読んだものの、それ以降は遠ざかっていた作家です。
        この休みに2冊の作品を、本当にどちらも一気読みしました。
        1冊目は「リボルバー」。理不尽な暴力にあった高校生が、ふとしたことから手にする拳銃。そして、その男を求めて、暴力の怖さを味わせたいという衝動的な思いを胸に九州から北海道の薄野までの追跡劇を主軸におきながら、拳銃を奪われた刑事と同級生の女の子もその跡を追う展開。そして、物語の主軸とはずれるものの、その追跡と同時進行で同じく薄野をめざす二人のギャンブラー。これくらいの説明だけでも、思わず読んでみたくなりませんか。
        その追跡劇の結末はいかに・・・
        ロードムービーを見ているかのような気分に浸れます。会話文が多く、余計な装飾がないので、一気に読める作品です。2冊目は佐藤正午の代表作といわれている「ジャンプ」。
        さっき読了したばかりです。小説の力を思う存分堪能できる作品です。
        「一杯のカクテルが時には、人の運命を変えることもある。」この書き出しが全てを物語っています。とにかく読んでください。
        自分は主人公に共感しましたし、何となくほろ苦さが読み終わったいま、心に残っています。読者アンケートでは主人公への共感度は半々に分かれるとか・・・
        この2冊とにかく読んでみてください。

        音楽漂流記とは言いながら・・・

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          ゴールデンウィークは、息子二人が部活三昧ということもあり、家族で一同にという行動もなく、のんびりと読書・音楽に浸っています。
          しかし、ブログタイトルにもある音楽に関する書き込みをほとんどしていないというのが現状です。
          音楽は毎日聴いていますし、蔵書に比較すると少ないもののCDは軽く300枚以上はあると思います。
          今、聞いているのは新譜ではなく、スイスの国民的ロックバンド「ゴットハード」の旧譜です。特に気に入っているのはLET IT RAIN
          「雨よ降れ 雨よ降れ
           また太陽が顔を出すまで
           二人が再会することは分かっているから
           結局は自由になれるんだ
           君にとっての安楽の地が見つかるといいね
           頑張ってくれよ
           愛を信じてくれ そして泣かないでくれ」

          鮮烈な疾走感! つきのふね

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            お気に入りの女流作家 森 絵都「つきのふね」(角川文庫)を一気読みしました。
            完成度は「永遠の出口」などには及ばないものの、クライマックスへと一気に加速していく終盤の疾走感は鳥肌ものです。
            「1998年 最後の満月の夜
             水城小学校の屋上に
             真の友 4人が集いし その時
             月の船 舞い降り 人類を救う
             すると人類は もう宇宙船を造らなくてよくなるであろう」
            一人の心を病んだ仲間を救うために考えた稚拙ともいえる古文書めかして創作した上記の文章。この文章に導かれるように、クライマックスへと奔流のように流れ込んでいく展開に圧倒されました。
            重松清の「疾走」が文字通り、絶望感を抱いた人間の心の救済を求めての、心が苦しくなるような言い換えれば救いようのない疾走なら、「つきのふね」は絶望感の中に立ちすくみながらも、生を希求し、脆弱な生を互いに支えようとするための疾走であると個人的には感じました。
            人より壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時にもっている。」心に強く響いた言葉です。
            そして、ラスト1ページの最後の2行。心が打ち震えます。森絵都はやっぱりいいです。
            絶対お薦めです。

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