「ルワンダ大虐殺」 心に突き刺さる戦慄の書

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    「ルワンダ大虐殺」−世界で一番悲しい光景を見た青年の手記−
    今、読み終わりました。一言、映画「スリング ブレイド」のコピーではないですが、心に突き刺さる刃のような本でした。
    ジェノサイド。つまり虐殺。虐殺といえば第二次世界大戦時のナチスによるユダヤ人大虐殺を思い浮かべますが、この「ルワンダ大虐殺」はルワンダ人がルワンダ人に対して行い、ルワンダ人が終結させたという特徴をもっています。
    4ヶ月にわたり、一日一万人、計100万人にも及ぶ大虐殺。理由はツチ族であるという理由のみ。この事件は今から13年前1994年の出来事です。
    恥ずかしながら、私はこの事実を知りませんでした。その当時の先進国の首脳も無視していたという事実があります。フランスのミッテラン大統領に至っては、「ああいった国では、虐殺などたいした問題ではない。」と人種及び人権を侵害する発言をしています。
    しかし、この本の内容は戦慄の一言に尽きます。著者であるレべェリアン・ルアンギグァ青年は自分の目の前で43人の家族が殺されるのを目の当たりにしました。その時間わずか100秒。殺したのは昨日までともに暮らしていた隣人であるフツ族の人々。
    殺害の光景についての記述はあまりにも想像を絶するものであり、何度もページを繰る手が止まりました。それでもこのブログを読んでいる人には分かってほしいので、一文だけ書きます。
    「母の耳は二つに裂かれ、お腹は切り開かれている。」これだけでもう十分でしょう。なぜこういった事実を私たちは今まで知らされなかったのか。知る機会を与えられなかったのか。
    だから、一人でも多くの人にこの本を読んでほしいと思います。

    崖っぷち犬一匹の飼い主のことで大騒ぎしているこの日本の裏側では、想像することさえ難しい苦しみや呻き声が響いているという事実から目を背けてはいけないと思います。
    このルワンダの大虐殺については折に触れてこのブログで伝えていきたちと思います。

    昨日の続き 今東光大僧正の「喝」!

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      昨日の続きです。グッとくる「はげまし」言葉の中で、気に入った説教を紹介します。天台宗大僧正 今東光の雑誌の人生相談のなかでの「喝」。
      相談者は23歳の左官業の男性。悩みとは仕事が忙しいので友達も彼女もできないので、できる方法を教えてほしいというもの。その回答は。
      「オレはおめえの言うこと聞いていて、最も情けなくなるのは、どうしてそんなに友達が欲しいのかっていうことだ。友達なんて要りゃあしないよ。自分が立派になりゃあ、向こうが友達になってくれと来るんで、友達なんてものは、いくらたくさんもっていたところで、いざとなって役に立つっていったらひとりもいないもんだ。」
      そのあとで、左官という仕事とはいい仕事を選んだと認め、こう言い切る。
      「今は、ひたすら壁を塗りまくれ。金を使う暇も無いんならなお結構な話じゃないか。塗りまくって、金もためまくってりゃ、いくらでもいい嫁さんをもらえるじゃねえか。何をぐだぐだ言いやがる。しっかりせえ!。」
      私はこの喝にすごく共感しました。この男性の悩みは今の時代の子どもたちの抱える悩みそのものではないでしょうか。友達と常にメールをやりとりしていなければ不安になる症候群。(勝手につけました)付和雷同ではなく自己確立を。そう大僧正は言っているのではないかと私は感じました。

      今こそ熱い渾身の説教を!

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        元気が出ないときにこの一冊という本の帯の言葉に引き寄せられてついつい購入。一気に読了しました。
        タイトルはそのまま「グッとくるはげまし言葉」。時代を超えて心に残る著名人を初めとして、アニメや小説のなかの登場人物の言葉まで、おもしろく読ませてもらいました。
        また、著者の齋藤孝さんのはしがきや乙武洋匡さんの解説もいい。
        はしがきや解説がいい本ってそうはないですよ。そのはしがきにはこう書かれていました。
        みんなはげましの言葉を待っている。渇望しているといってもよい。メロスが走り疲れ、心が折れかかったとき、泉の水が彼を復活させた。みんが「泉の水=はげましの言葉」を欲している。(中略)
        大人が手加減なしで全力で発した言葉には危険がある。受け手が取れなければケガをする。言葉を発した大人にも誤解され嫌われるという危険性がある。
        愛のある説教は、嫌われる危険性を引き受けている点で、得がたいはげまし言葉だ。しかし、そうしたはげまし厳しい言葉を「はげまし」ととらえて受け止めるだけの心のタフさが欠けてきている。
        子どもたちを教えている立場は齋藤さんも私も大学生と小学生の違いはあるにせよ、同じだと思います。タフさ、言い換えれば精神的な強さをどうつけさせていくかが、これからの課題だなと思うことはあります。話が本題からずれていってしまいました。
        私は、この本の中で登場するはげまし言葉の中で、一番心に残ったのは、天台宗大僧正 今東光の「馬鹿野郎節」の説教でした。内容はまた次回に・・・

        感覚を研ぎ澄ます

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          今日は直接的に本、作家、活字とは関係ないですが、言葉の持つ意味の本質というか、それ以前の感覚について自分の思いを書きます。
          今日、自分にとって素敵な出会いがありました。それは手話ダンサーのKさんと会って話ができたことです。Kさんは聴覚障害者です。話は口話、筆談でしたが、話される一言一言の重みが僕とは違うなあと感じました。
          つまり、僕らは言葉を軽々しく扱っているのではないかということです。
          振動で音を感じるというKさんの「CDラジカセを私のお腹に当ててください。」という言葉によい意味での衝撃を受けました。
          言葉は言霊であり、震えながら相手に伝わるものです。その震えをぼくらは感じ取っているかと問われれば、NOではないでしょうか。
          綺麗で、当たり障りのない言葉の羅列。一方的に人を貶めようとする暴言・虚言。
          言葉に魂がなくなっているから、僕らは常に安易な言葉を求め、言葉に飲み込まれて生きているような気がします。

          せめて、自分が発する言葉には魂を込めたいと感じた夜でした。

          チェルノブイリの傷 奇跡のメス

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            中島みゆきの「地上の星」でも話題を集めたNHK番組「プロジェクトX」
            その中で紹介された人々の言葉を集めた本があります。
            そのまま、プロジェクトX 新リーダーたちの言葉〜ゼロからの大逆転〜これはいわば2冊あるうちの続編なのですが、私は何度も再読しています。
            特にいつも心に刻んでいる言葉は、原発チェルノブイリ事故の後遺症でろくな手術も受けられないベラルーシに旅立った医師、菅谷 昭の次の言葉です。
            「もし、自分が突然、死を迎えたとき、納得して死ねるか。改めて考え直したとき、自分は本当はそういう生き方をしていないじゃないか。お前は今のまま死ねるのかと言った時、答えはすぐにノーだった。」信州大学医学部の助教授の職を捨て、53歳でしかも無給でベラルーシに旅立った菅谷を突き動かしたものは。自分は患者さんに診てもらってよかったという医療をいましているのか?研究論文、教授への道。そこには何か大切なものが欠けているのではないかという激しい己への問い返しあったのです。
            自分は教師のはしくれですが、何か忙しさにかまけて子どもたちの姿を見失いかけたときに、この言葉を思い返します。

            養老節炸裂!!

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              今、読んでいるのが、前にも紹介したことのある「よりみちパンセ」(理論社)シリーズの「バカなおとなにならない脳」という本です。
              著者は「バカの壁」のベストセラーでも有名な養老孟司さん。
              この本は小学生から高校生までの素朴な質問に答える形式のスタイルになっているので、読みやすいし、なんといってもその質問が笑わせてくれます。
              たとえば、しょっぱなから中2の男の子の質問。「養老先生、バカって治るんですか。」など。
              でも読み進んでいくと、さすが養老先生、「バカの壁」や「涼しい脳味噌」で見られた切れ味鋭い養老節の炸裂となります。
              ある子などは、一生懸命に書いた悩みの回答が「それでいいんです。」の一言。肩の力がぬけて痛快でした。

              不覚にも電車の中で・・・

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                今日の帰りの電車の中で、不覚にも本を読んでいて泣いてしまいました。
                作品は重松清「幼な子われらに生まれ」です。
                ラストシーンの生まれたばかりの幼な子が大きく成長していくことを想像してのつぎの言葉に思わず涙があふれてきてしまいました。
                いつか私は、私にとって初めての息子に、長い話を聞かせるだろう。父と母について、三人の姉について、彼が母のおなかにいたころのさまざまな出来事について。
                幸せとは、一番近くにいる人を一番好きでいられることで、遠く離れてしまった人に「お帰り」と言えることで、助けを求められたらいつでもどこへでも駆けつけられること。
                38歳の私が思う幸せの定義に、38年後の息子はうなづいてくれるだろうか。
                この言葉の真意はこの本をじっくり読んで堪能してください。
                まだ1月ですが、今年のマイベストテンに確実に入る本です。とはいっても重松作品の中では古いものですが・・・

                小さい っ が消えた日

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                  タイトルに興味をひかれ、一気に読みました。
                  50音村の住人たちが誰が一番文字として偉いかを競い合ってる中で一つだけ出た結論。
                  それは、誰が一番偉くないかということ。その文字が小さな 
                  なぜなら、それ自体では音をもたないから・・・
                  そして、小さな はこう考えます。
                  「文字としての資格がないというなら、この世に自分のいる場所なんてないのではないか。」
                  「口がきけないなら、つまり単独で音をもたないならいつまでも立派な文字にはなれないのだろうな。」
                  「役に立たない僕が消えても誰も淋しがらないだろう。」
                  そう考えた末に、家を出た小さな  。
                  でも困ったことがおきます。ある弁護士が商売で騙された人から相談を受け、最後に裁判で訴える覚悟があるかどうか確認したところ。
                  「どうしましょうか。訴えますか。それとも訴えませんか。あなたからOKがあれば、訴えますよ。」
                  ところが実際に口から出た言葉は
                  「どうしましょうか。歌えますか。それとも歌えませんか。あなたカラオケがあれば歌えますよ。」
                  こんな調子で世の中は混乱をきたしました。そこで、小さなっにあるメッセージをおくったのです。それは次回に・・・


                  寒い夜に心温まる本は?

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                    寒さが身にしみる季節。
                    そんな時にこそ、心温かくなる本と出逢えたら幸せですね。
                    私のお薦めは「たいせつなきみへ」絵本です。作者はマックス・ルケード
                    だめだめシールを貼られた小人のパンチネロに、作り主のエリがかけた言葉が心にしみます。
                    あなたにとって心温まる一冊を教えてください。

                    誕生日に考えたこと

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                      今日はとても嬉しい一日でした。
                      1月15日は私の誕生日なのですが、教室に入ると子どもたちがクラッカーを鳴らしたり、手作りのメッセージカードや花束をプレゼントしてくれたりしたのです。本当に感激しました。それは子どもたちの心の温かさが伝わってきたからです。幸せだなあと思いました。
                      「幸」とは人間が囚われ、手枷をはめられている姿から生まれた字なのですが、きっと幸せは十人十色なので、究極の不幸せなイメージから、「当たり前のことを素直に受け入れ、喜びと感じることが大事である。」というメッセージをこめた字と考えられています。
                      果たして、私たちは何を幸せと感じるのでしょうか。
                      殺伐とした事件が連日報道される中でふと思います。
                      ベトナム戦争の従軍記者であった石川文洋さんの>「死んだらいけない」の本の巻頭にこう書かれています。
                      「命が大切なこととは誰でも知っていることという。でも本当に知っているのだろうか。」「生きていると嫌なこと、辛いこと、苦しいこといっぱいある。でも感動もたくさんある。」
                      今日は子どもたちから感動をもらいました。ありがとう。

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