JUGEMテーマ:読書
先日、2013年の本屋大賞を受賞し、いま最も注目を集めている作家 百田尚樹の異色の作品ともいわれる「幸福な生活」(祥伝社)を一気読みした。実におもしろかった。
最後に一行でやられる作品群である。
カウンターパンチのような落ち。
剃刀のごとくの切れ味。見事である。
長編だけでなくこうしたショートショートでも筆力をいかんなく発揮している。
おそるべき作家である。
個人的には一番意表を突かれたが「豹変」。
背筋が凍ったのが「残りもの」「ビデオレター」。
そして、あっけにとられたのが表題の「幸福な生活」。
日々当たり前だと感じていることが、実は本当はこんなにも恐ろしいものかもしれないということを嫌がおうにも突き付けてくる。
題材が身近なだけに、怖さが直接的に突き刺さってくる。
読んだら嵌る一冊である。