JUGEMテーマ:読書
今、書店で話題の一冊として取り上げられている「世界から猫が消えたなら」(マガジンハウス)を読み終えた。作者は映画プロデューサーの川村 元気である。
余命宣告をされた郵便局員が悪魔と出会い、何かを世界から消すことで一日の延命を授けられるという物語である。
際限なく消していけば、何百年も生き長らえることも可能だ。
果たして主人公の下した決断は?
200ページ余りなので、一気に読める。
しかし、内容はなかなか哲学的な部分もあり、考えさせられた。
たとえば、世界から電話を消してしまう前に、一体最後の電話は誰にかけるのか主人公が考える場面がある。
これを自分にあてはめてみる。なかなか答えは出てこない。
最後にもう一回見る映画は?
ひとつひとつの答えを見つけるには、大げさにいえば、自分の人生を振り返ることであり、その中で誰との出会いを大切にしてきたのかということに行き着くのではないかと、自分なりに考えた。
結末は実にすがすがしい。
現実にはこういう終わり方ができないにしても、こうありたいと思わせてくれる。
それが小説の力であろう。