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さだまさしの描いた「検察側の証人」  完璧な短編小説

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    JUGEMテーマ:音楽

    NO MUSIC NO LIFEという言葉がありますが、自分にとっても本同様に音楽のない人生は考えられません。
    特に、その傾向が強まったのは高校時代にハードロックにはまり、大学時代ではアルバイトでコンサートのローディーの人たちの手伝いをしたことがきっかけで、日本のロックやフォークにどっぷり浸かる生活を送ってる頃です。
    一番、聞きまくっていたのは、拓郎ですが、一番衝撃を受けたのは、さだまさし「印象派」というアルバムに収録されていた「検察側の証人」です。
    「印象派」はさだまさしの最高傑作といわれる(私もそう思う)「夢供養」と言うアルバムの次に出されたアルバムで、一般的な評価は低く、さだまさしもスランプに陥ったと今でも語られるアルバムです。
    しかし、私はそうは思いません。再評価されていいアルバムだと思いますし、「検察側の証人」この一曲だけで聞く価値はあると思います。

    タイトルはさだまさしがアガサ・クリスティの同名の小説にインスパイアされてつけたものです。
    おそらく、この詩は私が今まで聞いた全ての歌詞の中でも一番のインパクトをもつものです。
    その理由は、歌詞が一つのストーリーを紡いでいるからです。完璧な短編小説です。

    検察側の証人 作詩・作曲 : さだまさし

    あいつを棄てた女は
    今頃別の男の部屋で
    おそらく可愛い涙混じりに
    鮮やかな嘘を身にまとっている
    自分の何処が魅力か
    数え尽くして知り抜いていて
    あいつの悲しい程の純愛を階段昇る様に
    踏みつけて行った踏みつけてった
    恋はいつでも必ず独りぼっちの影踏みゲーム
    足元にあるのに追いつけない
    追えば追う程きっと取り残されてゆく
    気がつけばいつも夕暮れ

    違うわ別れた夜のあの娘の姿
    見てないからよ
    一晩私の部屋で泣いて
    血を吐く程に泣いて
    謝り続けていたわ
    確かにそれはあの娘の
    心変わりがすべてだったわ
    けれどもあの娘なりにいつも
    一所懸命いつも
    生きようとしてる生きている
    恋はいつでも必ず両刃の剣と同じ
    傷つかない方がきっと嘘をついてる
    斬りつけていった方が
    斬りつけられた方より
    傷つく事だってあるはずよ

    あの娘を棄てた男は
    今頃別の女の部屋で
    自分の掌の広さと懐の狭さを
    身に浸みているさ
    あの娘は自分の姿を
    口に出すのが下手だったから
    男はあんなにすてきなひとを
    酒を変える様に
    飲み捨てて行ったに決まってる
    恋はいつでも必ずあみだくじみたいなものさ
    たどる奴以外は道程を知らない
    ひとしきり風吹けば
    風紋が消える様に
    見て見ぬふりの藪の中
     

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