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橋本五郎ワールド 読書は消閑にあらず

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    JUGEMテーマ:ニュース

    先週から、新たな職場で働き始めたのだが、仕事に忙殺されて読書をする時間が見出せない。

    今日は、外は雪雲に覆われているので、家でじっくり読書したいと考えている。

    今朝の読売新聞を読んでいて、気になる記事を見つけた。

    11面の編集委員 橋本五郎の「五郎ワールド」である。

    タイトルは読書は「消閑」にあらずである。消閑とは時間つぶし、暇つぶしという意味であるが、言葉の変換予測が進んでいる最新パソコンでも候補に出てこない熟語である。

     

    この言葉を述べたのは、「日本外交の祖」とも言われた陸奥宗光である。

    陸奥宗光といえば、坂本龍馬の弟子とも言える存在であり、幕末から明治維新にかけての時代小説にも登場する。

    門井慶喜の「ゆけ、おりょう」では龍馬の妻であったおりょうさんとの関わりの中で、あまり好ましい人物とは言い難い描写が出てくるし、実際、勝海舟は「小利巧な小才子」という酷評を下している。

    それは措いといて、彼は明治11年に政府転覆計画に加担したかどで逮捕され、計4年4ヶ月にも及ぶ獄中生活を過ごしている。

    獄中において、彼は貪るようにして膨大な書物に触れるのである。

    「一昨年来は毎朝八時ごろより夜は一二時まで努めて書物などを閲し、一日も怠ることなし」と妻宛に手紙に認めた。

    彼はこの読書を通じて、「政治」という実像に対峙するための精神の活動を始めた。

    つまり、読書が政治家としての陸奥の誕生を促す役割を果たしていたのである。

    それ故に、「読書は消閑の具ではありえず、心底を傾けて行かねばならない作業」だったのである。

    荻生徂徠に始まり、ベンサムの功利主義までを読み耽り、心中にその内容を蓄えていった作業は逆境の中でこそ、生きていく道を探ろうという執念を感じる。


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