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戦国物語 信長と家康

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    今年も残すところあと一か月あまりとなった。

    1月からの読書を振り返ってみると圧倒的に歴史時代小説が多い。

    一方で、大好きなジャンルであった海外のミステリーを一冊も読んでいないことに気が付いた。

    その原因は一番はやはり心境の変化であろう。

    殺伐とした事件そのものを取り上げるミステリーに気持ちが傾かない。それよりも、武士道や正義、または人情といった現代社会の中で失われてしまったかつて日本人のもっていた美徳ともいえる資質を希求している自分がいる。これも年齢を重ねた由縁であろうか。

    そして、司馬遼太郎や葉室麟という作家のもつ物語を紡いでいく筆力によるところが大きい。

    しかし、何といっても今年一番読んだのは山本周五郎である。長編、短編あわせて30冊以上を読んだ。

    今日も講談社が編んだ戦国物語「信長と家康」を読了した。

    周五郎の魅力は決して歴史上の有名な人物を取り上げることなく、名もなき者の純粋ともいえる生き様を描き切るところにある。

    この戦国物語にしても、信長、家康にまつわる人々を取り上げたものであり、それぞれ4作品が編まれている。

    「死處」でも触れたが、講談社のこのアンソロジーは素晴らしい企画であると思う。編集者にあっぱれ!と言いたい。

    全部で8作品の中には既読の物も含まれていたが。改めてひとつのまとまりとして読んだとき、信長や家康の人物像がくっきりと浮かび上がってくる思いがした。

    信長編では「あらくれ武道」、家康編では「平八郎聞書」が個人的には気に入っている。

    どちらの作品もし、武士の気概とは何かが直截伝わってくる佳品である。


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