スポットライト(BOOK SIDE STORY2018)

本や音楽を思いのままに紹介する。
それでも言葉にこだわり、思いを伝えたい・・・
そして思いの中に魂を込める。
虚飾を排し、嘘を捨て去る。

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2018.11.04 Sunday

潮鳴り

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    JUGEMテーマ:読書

     

    葉室麟の「潮鳴り」(祥伝社)を読み終えた。

     

    ひとは己の思いのみで生きるのではなく、ひとの思いを生きる。

     

    豊後羽根藩の武士 「襤褸蔵」こと伊吹櫂蔵がたどり着いた境地。

    弟の無念の自害、酌婦お芳との出会いを通じて、人の心の温もりを知りはじめて深い愛を得る。

    しかし、待っていたのはお芳の死。

    深い絶望のなかにあって、お芳の最期の言葉を叶えるべく、強く生きることを決意し藩の不正を暴くにいたる。

     

    生きてください 生きてください

    そして見せてください

    櫂蔵様の花を

    落ちた花がもう一度咲くところを

    だから生きてください

     

    潮鳴りの中に聞こえるのはお芳の囁きであった・・・

     

    勧善懲悪という分かりやすい筋立ててはあるが、それぞれの登場人物の造形がしっかり描かれており、読後感もよく十分に読書の楽しさを味わうことができた作品である。

     

     

     


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