スポットライト(BOOK SIDE STORY2018)

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2018.10.27 Saturday

日本海海戦 東郷平八郎の言葉

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    司馬遼太郎の労作「坂の上の雲」もいよいよ最終巻の終盤である。

    文庫本にして計8冊にも及ぶ大長編であったが、一気呵成に読んできた。

    こういう読書体験も今までにあまりないことである。

    それだけ日露戦争というものが自分の心に強く引き寄せられた証拠である。

    先日は陸軍における戦いについて書いた。

    今日は、歴史的な大勝利に終わった日本海海戦についてである。

    作戦参謀のこの物語の主人公の一人である秋山真之は勝利の要因を天祐という言葉を使っている。

    まさに神懸かりのような圧勝であった。

    「わが方の損害は水雷艇3隻」

    極東の海上権を制覇すべくロシア帝国の国力をあげて押し寄せてきた大艦隊が、二十七日の日本海の煙霧とともに蒸発したように消えた。

    イギリスの海軍研究家であるH・W・ウィルソンはこう語った。

    「なんと偉大な勝利であろう。自分は陸戦においても海戦においても歴史上このような完全な勝利というものを見たことがない。」

    そして、この海戦が世界史を変えたことを指摘している。

    「連合艦隊」を解散するときの東郷平八郎の最後の言葉が印象的である。

    「神明はただ平素の鍛錬につとめ戦わずにして既に勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治安に安んずる者よりただちにこれを奪う。古人曰く、勝って兜の緒を締めよと。」

    ウラジオストックに遁走することを主眼においたロジェストウェンスキーと死を賭して旗艦三笠の艦橋に立ち尽くした東郷平八郎の武将としての「覚悟」の違いが戦争の運命を決したといっても過言ではないだろう。

    しかし、その三笠の佐世保港での自爆による終焉というのも事実は小説よりも奇なりという印象を強く残す。

    「坂の上の雲」についてはまだまだ記したいことがある。

    自分の人生に大きな影響を与える本であることは間違いない。


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