スポットライト(BOOK SIDE STORY2018)

本や音楽を思いのままに紹介する。
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2018.09.02 Sunday

ベートーヴェンが嫌悪したオペラ

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    JUGEMテーマ:音楽

     

    この前に、ベートーヴェン唯一のオペラのことを書いたばかりだが、その続きである。

    ベートーヴェンが「フィデリア」を完成させるために多大な心血を注いだことは周知の事実であり、出だしの音楽はモーツァルトの「フィガロの結婚」を参考にしたのは有名な話である。

    いま、私は「フィガロの結婚」を聴きながらこのブログをしたためている。

    だが、彼はモーツァルトのオペラを嫌っていた。特に最高傑作と名高い「ドン・ジョバンニ」に対してである。

    主人公、ジョバンニは女性のことしか考えていない破廉恥な男である。

    常に新しい獲物を狙い、甘言を弄して犯すことだけ考えている。

    オペラの出だしが婦女暴行未遂というのも前代未聞であろう。

    ベートーヴェンはこれが許せなかった。

    音楽とは人間の精神を高める崇高なる使命をもった芸術であるという思いが強いからである。

    彼にとって、モーツァルトの創り出すオペラはポルノそのものであった。

    だからこそ、オペラを創り出すことも敬遠していたという識者の論もある。

    その一方で晩年の傑作「ディアベリ変奏曲」の中の22変奏において、「ドン・ジョバンニ」の中の「昼も夜もこきつかわれて」というメロデイを挿入した。それは依頼者への異種返しともいえるものであった。

    オペラの内容そのものは毛嫌いしていたのだが、その歌劇の中で使われるメロデイの美しさには目をとめていたということであろう。

    面白い逸話である。


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