スポットライト(BOOK SIDE STORY2018)

本や音楽を思いのままに紹介する。
それでも言葉にこだわり、思いを伝えたい・・・
そして思いの中に魂を込める。
虚飾を排し、嘘を捨て去る。

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2018.08.17 Friday

宮沢賢治の聴いたクラシック

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    JUGEMテーマ:音楽

     

    今日は風もあり、湿度も低いので過ごしやすい夜だ。

    この夏は、ひたすら読書とクラシック音楽に親しんだ。

    子供の頃、大好きだった高校野球も全く見なくなった。高校野球だけでなくテレビ自体、夜のニュース以外見ない。

    地上波の番組はほとんど新味がなくつまらないの一言だ。

    逆にラジコでFM放送をザッピングして聴くほうがおもしろい。

    さて、小学生の夏休みの宿題ではないが、毎年自分なりにテーマを決めて何かひとつの物やことに焦点をあてて調べることをしている。

    去年は指揮者のバーンスタインであった。今年は宮沢賢治である。

    賢治の関連本も数冊読んだが一番衝撃を受けたのは「宮沢賢治の真実〜修羅を生きた詩人〜」(新潮社)である。

    銀河鉄道の夜のジョバンニとカンパネルラについての解釈は目からうろことでもいうべきものであった。

    それともう一冊、「宮沢賢治の聴いたクラシック」(小学館)である。

    宮沢賢治といえば俯き加減に大地を歩く画像が有名であるが、あの姿は著名な人物の模倣であることがこの書を通して分かった。

    それは、彼の文学的な表現活動に大きな影響を与えた作曲家である。

    それはベートーヴェンである。

    確かにベートーヴェンのカリカチュアや田園を歩く画像が残っているがよく似ている。

    それもそのはず。なけなしの給料を賢治はクラシックのレコードにつぎ込んだのは有名な話で、レコード会社のポリドールから表彰をされたくらいである。特に、交響曲第5番「運命」があったからこそ、「春と修羅」は生まれたのである。

    「宮沢賢治の聴いたクラシック」の凄さとは、その当時賢治が聴いたそのままの音源を世界初復刻というかたちで2枚組のCDにしているところである。賢治の聴いた「運命」はジョセフ・バスターナック指揮による1916年録音のビクター・コンサート管弦楽団の演奏である。

    早速聴いてみた。今の時代の演奏よりも相対的にはやいという印象である。この演奏は賢治以外にも高村幸太郎や寺田寅彦などにも大きな影響を及ぼしたものである。それが世界初復刻CD化されたのである。このことだけでも素晴らしいの一言である。

    また、弟の清六と聴いたブラームス交響曲第3番三楽章やドヴォルザークの新世界よりなど、当時の賢治の心境を探るうえでは歴史的価値のあるこの上ない音楽的資料である。


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