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「司馬遼太郎」で学ぶ日本史
読書 / カーソン・ライダー 
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    NHK出版新書「司馬遼太郎」で学ぶ日本史を読んだ。

    特に印象深かったのは、明治期においてヨーロッパという名の憲法国家のブティックに日本が入り、どの服が自分に合うかと模索していたところ、フランスとの戦いに勝利をおさめたドイツ・プロイセンに目がとまった。そして、着てみたら、天皇や政府といった頭や上半身の大きな当時の日本の身の丈にジャストフィットした。そこからドイツ服を買って帰ろうということになった。

    勿論、イギリス服がよいと主張していた大隈重信や福沢諭吉の考えはしりぞけられ、伊藤博文らの意見が大勢を占めるに至った。

    そして、ドイツ式の作戦思想が後の日露戦争に有効であり、勝利を収めたことでいよいよ「ドイツへの傾斜」を助長させる結果になったという部分である。

    このことを司馬遼太郎は「この国のかたち」に書いている。

    しかし、明治期はまだ日本の軍人は自国を客観視し、他国と比較する能力を有していたと指摘する。

    結局、昭和期の軍人がひたすらに勝ち目のない戦争に没入していったのは、あたかもドイツ人になったかのような自国中心の、まわりに目を向けることのなかったその独善性にあったと述べている。

    そして、ただ一種類の文化を濃縮駐車し続ければ、薬物中毒になるのは必然と指摘している。

    ドイツという薬物注射の中での「統帥権」こそが日本という人体を蝕んでいった。

    やはり、この辺の語りは強い説得力をもって胸に迫るものがある。

    この新書の著者は「武士の家計簿」で評判をとった磯田道史氏である。

    司馬遼太郎が、昭和期の物語を書く代わりに「この国のかたち」に込めた思いを知ることができた。

    大変、興味深い一冊である。

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