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6時27分の電車に乗って、僕は本を読む
読書 / カーソン・ライダー 
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    JUGEMテーマ:読書

     

    休みの日は「読書」に徹している。

    「読書」こそ最大の娯楽という思いは変わらない。

     

    「6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む」

    フランスの小説を読んだ。著者は、ジャン=ポール・ディディエローラン。

    短編で二度、ヘミングウェイ賞を受賞しているだけあって、物語を紡ぎあげていく構成の巧みさに感心した。

     

    廃棄になる本を集めて、リサイクルするために破壊し、ドロドロのヘドロ状にする仕事に就いているギレン・ヴィニョール。

    大きな事件が起こるわけでもなく、淡々と過ぎていく日々の中で、電車の中であっとランダムに選んだ廃棄処理から零れ落ちた本のページを読むことがヴィニョールの一日に彩を与える出来事であった。

    そんな中、電車の中に残されていたUSBメモリーを手に入れたことが彼の人生を大きく変えていく力となる。

    そのUSBメモリーに書かれていたこととは・・・

     

    ギレンの恋愛前夜の物語である。

     

    ノートに並べて書いた数字の一番下に「1」と書き加えた。「14,718」は恋の始まりにふさわしい数字かもしれない。

     

    この世界には、色という色をより鮮やかにできる、深刻なことを深刻でなくせる、寒い冬を暖かくできる、耐えがたいことを耐えられるようにできる、美しいものをより美しくでき、醜いものを少し美しくできる、そんな力を持った人がいると僕は知ったのです。

    つまり、僕の人生をより美しいものにできる人ということです。

    人生に変えられないことなど一つもありません。たとえば、「14,717」というつまらない数字だって、ちょっとした助けで美しく変えられるかもしれない。

     

    地味だけれど、読み終わった後に心に吹く風は暖かく柔らかい。そんな気持ちにさせてくれる小説である。

    登場人物一人一人の造形描写の輪郭も鮮やかである。

    素晴らしい作品である。

     

     

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