「モノ」で読み解く世界史 宮崎正勝(大和書房)を読んだ。
歴史好きには興味のある話が多く、一気読みした。
中でも、レストランの起こりについては印象に残った。
レストランとはフランス語で「元気を回復させる」という意味すら知らなかった。
1765年、パリにおいてブーランジェという人物が羊の肉の入った「レストラン」という名の活力をつけるスープを売り出したところ、大評判になった。
以降、この料理の名前が新しいタイプの料理店の名称になったのである。
そして、フランス革命の直前の1986年の法令において、正式に決定されたのである。
もともと、貴族の特権的な料理であったフランス料理が街に拡散していったのは、1989年のフランス革命において、国王ルイ16世が処刑されたことで貴族が特権を失い、多数抱えていた宮廷料理人たちが職を求めて、街に出ていったからである。
フランス革命がなければ、洗練されたフランス料理特有のソースの味は庶民の間には広まらなかったのである。
そして、コックが被る白い帽子も、実はお客が被っていた白い帽子をもとにしたというのだから驚きである。
「モノ」にまつわる意外な話はたまらなく面白い。