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沢木耕太郎が編む「周五郎」
読書 / カーソン・ライダー 
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    山本周五郎のアンソロジーが編まれた。

    編者は沢木耕太郎である。

    名品館と題されて名品36編が収録されている。

    私はまだ手にとってはいないが、沢木耕太郎が山本周五郎の作品に心惹かれていたという事実が嬉しい。

    「豊饒で芳醇な日本文学の財産」

    最大級の賛辞を寄せていることからもそのことはよく分かる。

     

    私の沢木耕太郎の本との出会いは「敗れざる者たち」である。

    鮮烈なノンフィクションであった。

    特に東京オリンピックのマラソンランナーでありながら悲劇の自殺を遂げた円谷幸吉についての文章は特に心に焼き付いた。

     

    その彼が26歳の時にユーラシア大陸の端を伝うように、陸路でロンドンを目指していた時に、イランである日本人男性から手渡された文庫本が「さぶ」だったそうだ。

     

    「小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶは泣きながら渡っていた。」

    このあまりにも有名な冒頭の一行に涙を流したと述べている。

    この一行で、日本そのものの風景が眼前と立ち現れたようだったと・・・

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