LATEST ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
ARCHIVES
CATEGORIES
OTHERS
SEARCH

その名さえとどめずに・・・
読書 / カーソン・ライダー 
0

    GWに入った。

    とは言っても暦通りの勤務なので、さして特別な計画や遠出をする予定はなく、静かに過ごしている。

    このブログを読んでくださる方には申し訳ないが、やはり山本周五郎を読んでいる。

    『一人ならじ』(新潮文庫)は個人的には周五郎の3本の指に入る短編集である。

    かつて、己の利を捨てて、藩や主君のために命を捨てて戦った無名の人々がいた。

     

    もののふの多くはその名さえとどめずに戦場の露と散っている。

    「その名さえとどめずに」

    武士にとって戦場へ臨むことは異常事ではない、改めて覚悟すべきことなどある筈はなかった。

    自分はつねづね「死にざま」ということを考えていた、潔く死ぬ決意こそもののふの面目だと信じていたが、死にざまなどを考えるのは寧ろ我執である、死にざまなどはどうでもよい、功名手柄が末のことだとすれば死にざまなども末の末だ、生も死も超えてひたむきに闘う、名をとどめずに戦場に屍をさらす、そこにこそ真の面目があるのだ。

    与八郎は、静かに一歩踏み出した。「楯輿」

     

    このほかにも真実の夫婦の愛について静かに物語る「柘榴」など名品ぞろいである。

     

    テレビをつければ「セクハラ」「強制ワイセツ」「不倫」の言葉がやかましく踊っている。

    共通項は我執。自分の欲望や利しか考えられない人間が増えているということだ。

    今の日本人に足りないのは「山本周五郎」が描いた人間の心根である。

    強くそう思う。

    だから私はひたすら読む。

     

    | comments(0) | trackbacks(0) |
    pagetop
    << TIGER TEETH | main | 沢木耕太郎が編む「周五郎」 >>
    スポンサーサイト
    - / スポンサードリンク
    0
      | - | - |
      pagetop









      url: http://grantgreen.jugem.jp/trackback/1391

      10
      --
      1
      2
      3
      4
      5
      6
      7
      8
      9
      10
      11
      12
      13
      14
      15
      16
      17
      18
      19
      20
      21
      22
      23
      24
      25
      26
      27
      28
      29
      30
      31
      --
      >>
      <<
      --