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季節のない街 異色の人間模様 
読書 / カーソン・ライダー 
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    JUGEMテーマ:読書

     

    世界のクロサワこと黒沢明が山本周五郎の作品を愛し、数多く映画化したのは有名な話である。

    「椿三十郎」「赤ひげ」「雨あがる」。

    そして、「どですかでん」の原作となった「季節のない街」を読み終えた。

     

    「風の吹き溜まりに、塵芥のようにできた貧民街」を舞台にした人間ドラマである。

    周五郎の他の作品と、趣が違い、どこかシニカルで読後感がいいという作品は少ない。

    その悲惨さゆえにやりきれなさを感じさせるものもある。

    どこかレイモンド・カーヴァーの作品と同じテイストを感じた。

    その中で、特に心を惹きつけられたのは「がんもどき」である。

     

    物語の主人公であるおかつがなぜ少年を刺したのか?

    その真相が最後の場面で明らかになる時、心は打ち震えた。

     

    「死んでしまいたいと思ったとき、あんたに忘れられてしまうのがこわかった。

    自分が死んだあとに、すぐに忘れられてしまうだろうと思うと、こわくてこわくてたまらなかった。」

     

    その他、「とうちゃん」「枯れた木」など、心に深く余韻が残る作品を堪能できる。

    そして、この小説に登場する人々には現実のモデルが存在したという周五郎自身の言葉に静かに驚かされる。

     

     

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