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天翔ける
読書 / カーソン・ライダー 
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    先日亡くなった直木賞作家 葉室麟「天翔ける」(角川書店)を読んだ。

    主人公は福井藩主 松平春嶽である。

    賢候のひとりであり、司馬遼太郎の幕末物の作品にも度々登場する人物でもある。

    学校では習わない日本史の側面をみるような思いを強くした。

    たとえば、松平春嶽と坂本竜馬のつながりである。

    竜馬の有名な言葉として「日本を今一度洗濯致し申し候」というものがある。

     

    坂本龍馬が、勝海舟に依頼されて、福井藩に神戸につくるための海軍操練所の資金繰りを頼みに行った際のことである。

    話の流れの中で、攘夷派に対抗する手段として福井藩が挙兵上洛するという考えに対して意見を述べた。

    そして、意見を交わす中で懐刀であった横井小楠と意気投合したのである。

    実は横井小楠という人物の考え方そのものが、日本国の国是となる「五箇条の御誓文」の考えの骨子となるのであるが、あまり知られていない。つまり、五箇条の御誓文というのは松平春嶽が思い描いたいた新政府の構想という見方もできる。

     

    坂本竜馬にしてみれば、福井藩に信頼されたということで大きな法螺を吹きたい気分にさせたのであろう。

    それがさきの言葉である。

     

    一番、強く心に響いたのは、小楠が春嶽に「破私立公」の旗を掲げるように具申する場面である。

    攘夷派と幕府が対立し、長州、薩摩が主役争いを演じ、まさに混迷を極めている際の言葉である。

    「私を捨て、公に立つ者だけがこの国の将来を切り開ける存じます。正しき道を歩む者は必ずやこの世での役目を果たせると存じます。」

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