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「歳月」 佐賀藩士 江藤新平の物語
読書 / カーソン・ライダー 
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    司馬遼太郎「歳月」を読んでいる。

    時代は幕末から明治維新にかけて。主人公は佐賀藩士 江藤新平である。

    薩長の志士に比べれば。やや地味な存在ではあるが、その人生は波乱万丈。

    彼が中心となって考えた「廃藩置県」による中央集権的な国の統一や司法制度における人民から天下への訴訟権をはじめとするフランスの法律を手本とした法整備など、近代国家への舵取りを進めていく上では、極めて重要な働きを果たした人物である。

    文庫本、上下巻の上を一気に読み終わり、そのままの勢いで下に入ったのだが、丁度、「征韓論」について激しく当時のリーダーたちが激しくやりとりを進めていくところで、あまりの面白さに興奮してしまった。

     

    征韓論を強く推し進める西郷隆盛、板垣退助、江藤新平。

    一方、財政的な問題や国内の秩序という観点から反対する大久保利通、岩倉具視、伊藤博文といった使節団とし外遊した面々。

    今でいうと大臣よりも地位の高い「参議」という役職なのであるが、その丁々発止のやり取りは、臨場感あふれるもので、さすがは司馬遼太郎とうならされた。

     

    結局、天皇に奏上する立場である三条実美の急病により、代理を岩倉具視が務める段になり、おのずと反征韓論の意見が通り、西郷隆盛は下野することになる。

     

    その際の大久保利通と江藤新平の憎悪にも対立がどす黒く浮かび上がってくる。

    明治維新の功臣の中で、大久保と江藤だけが「創造」という才能をもっていたと司馬は綴る。

    「創造」とは国家の基本的な体制をつくりあげるということである。他の人物は西郷であれ、大隈であれ事務処理能力にたけた処理家であると述べている。

    ただ、彼らの不幸は国家の体制を創造するための動機が全く異なっていたということである。

    大久保は徳川家康を崇拝する漸進主義者。江藤は新しさを好み、動乱期に乗じて、勢いのまま直截的かつ大胆な変革を期する先覚者であった。

    どちらの考えがいいとか正しいという話ではない。ただ、歴史はこの違いによってその後の二人の人生に大きな影響を与えるのである。

    それにしても幕末から明治維新にかけての我が国の歴史は、本当に小説のテーマとしては格段に面白いということが分かる。

    この魅力は、まさに「毒」である。興趣は尽きない。物語としての力に平伏するばかりである。

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