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第157回芥川賞受賞作 影裏
読書 / カーソン・ライダー 
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    JUGEMテーマ:読書

     

    第157回芥川賞受賞作「影裏」(文藝春秋)を読み終えた。

    沼田真佑という新人の書いた処女作である。

    この作品は同時に文學界新人賞も受賞しており、いま注目を集めている作家である。

    読んでまず感じたのは、端正な筆致であるということである。

    言葉への感度の高さがうかがえた。また、北緯39度 岩手の生出川での釣りの場面もとても印象的であり、樹木と川と魚の描写が強い彩を放っている。

    3.11=東日本大震災を契機にして、たったひとりの友人 日浅のもうひとつの顔が立ち現れる終盤はまるでミステリーを読んでいるかのような深みと魅力を感じた。

    津波にのまれた日浅のために行方不明の捜索願を出すべきと強く迫る主人公に、父親が投げつけた言葉の重み。

    「信じる者を裏切った、そんな不実な人間が呑気に釣り糸を垂れなどをしておって津波にのまれたからといって何だというんです?」

     

    電光影裏に春風を斬る。不意に蔑むように冷たい白目を向ける端正な楷書の七文字が、何か非常に狭量な生臭いものに感じられた。

     

    ページを閉じた今でも、日浅の別の顔に秘められた思いについての想像を強く喚起する佳作である。

     

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