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冷戦とクラシック ムラヴィンスキーの凄味の本質
読書 / カーソン・ライダー 
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    JUGEMテーマ:読書

    8月に入った。いよいよ夏本番である。と言いたいところだが、梅雨明けが発表されてから以降、天候がぐずついている。

    昨日は出先の帰り途中で物凄い大雨にたたられた。

    ゲリラ豪雨と言っても良いほどの雨量であった。

    そんな時は、やはり静かに読書またはクラシック音楽に浸るに限る。

    7月は都合計13冊の本を読破した。

    作家でいえば、西加奈子、町田康、西村健太、石持浅海である。

    あとは新書2冊を読んだ。「冷戦とクラシック」(NHK新書)と「中島敦「山月記伝説」の真実」(文藝春秋)である。

    エッセイも含めると普段の月以上にバラエティに富んでいたと言える。

    「冷戦とクラシック」の主軸をなしているのはバーンスタインとムラヴィンスキーという米ソの指揮者である。

    どちらの指揮者も大好きであるので、それだけでも興味をそそられ、一気読みした。

    アメリカ、ソ連という2大大国の冷戦下において、各々の指揮者がどのような立場に立ち、または立たされ行動したのか?

    特にバーンスタインはユダヤ系ということもあり、第二次大戦後の立ち位置は戦争のない世界を求めての世界行脚の旅という意味合いが強く現れている。盟友ケネディ大統領との交流など興味深い内容にも触れられており、面白く読めた。

    一方、ムラヴィンスキーであるがあの風貌からも想像できるように頑な信念に貫かれた一生であった。

    スターリン政権下であっても共産党員になることを拒み続けた。生涯を通じて旧ソビエト指導部に対して強い疑念と反感を持ち続けたのである。

    有名なエピソードとしてソビエト共産党政府が作家のソルジェニーツィンへの弾劾決議文を文化人に求めた際、当局の強硬な姿勢にショスタコーヴィチらはいやいや署名した。しかし、ムラヴィンスキーは「彼の本は国内で発禁処分にされていますので、私は読めません」との理由で署名を拒否した。また、ニューヨーク公演でレニングラード・フィルの団員が亡命騒ぎを起こした時、「君の楽団の団員が逃げたのは君の監督不行届ではないか」と糾弾する党政府に対し、ムラヴィンスキーは決然と「(私の楽団から逃げたのではなく)あなたの党から逃げたんですよ」と言い放つなど、ソビエト共産党政府に対して剛直な姿勢を取り続けた。共産党政府側も、彼の国際的な名声もあって迂闊に手が出せなかった。

    そういったところを理解すると彼のドライブする指揮の凄味がより伝わってくる。

    特にショスタコービッチの交響曲第5番と8番はこの演奏の白眉であろう。

     

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