漱石の随想集 硝子戸の中 

2017.04.01 Saturday 21:43
0

    JUGEMテーマ:読書

     

    夏目漱石の随想集「硝子戸の中」を一気に読み終えた。

    中でも、興味深かったのが 三十に書かれている「継続」についてである。

    友人からこの言葉を教えてもらった漱石は自分の健康状態について他人にいう時には「どうにかこうにか生きています」をやめて「病気はまだ継続中」に改めたのだ。

    そして、発展してこう考えるようになる。

     

    継続中のものは恐らく私の病気ばかりではないだろう。(中略)人の心の奥には、私の知らない、また自分達さえ気の付かない、継続中のものがいくらでも潜んでいるのではないか。もし彼等の胸に響くような大きな音で、それが一度に破裂したら、彼らは果たしてどう思うだろう。所詮、我々は自分で夢の間に製造した爆裂弾を思い思いに抱きながら、一人残らず、死という遠い所へ談笑しつつ歩いていくのではなかろうか。

     

    この「継続」という考えは、この随想集の後に書かれた自伝的小説「道草」の主人公である健三の「世の中に片付くなんてものはほとんどありゃしない。いっぺん起こったことはいつまでも続くのさ」という言葉に如実に表れている。

    片付かないものに心をとらわれた人間の葛藤を描くことが漱石の小説の大きな命題だったのではないか。

    そんなことをふと考えた。

    スポンサーサイト

    2017.06.26 Monday 21:43
    0
      category:- | by:スポンサードリンク | - | - | -
      Comment








         
      Trackback
      この記事のトラックバックURL

      PR
      Calender
          123
      45678910
      11121314151617
      18192021222324
      252627282930 
      << June 2017 >>
      星座占い
      天気予報
      ようこそ!
      ブログパーツUL5
      Selected entry
      Category
      Archives
      Recent comment
      • 村上春樹の世界にはまっていく
        うなぎ
      • 「幸福な生活」 最後の一行の鮮やかさ
        藍色
      • 過剰なセキュリティがストレスの原因
        うなぎ
      • 田中正造の言葉
        noga
      • 国防軍という言葉
        村石太ダー&コピペ星人
      • 衆議員選挙を前に考えたこと
        noga
      • 規範意識の欠如したアメリカ軍の正体
        noga
      • シリアがかかえるキリスト教徒の複雑な事情
        Takeo Watanabe
      • 天声人語に物申す!
        嫌チャイナ
      • 2030年原発ゼロは嘘八百 国民愚弄内閣の正体
        noga
      Recent trackback
      Link
      Profile
      Search
      Others
      Mobile
      qrcode
      Powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM