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こころ
読書 / カーソン・ライダー 
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    JUGEMテーマ:読書

     

    夏目漱石「こころ」を初めて読んだ。

    この作品は、自分が尊敬する先輩が人生における一冊と言っていた本である。

    読み終えて、深い澱のようなものが心に堆積している。

    それは、「罪と罰」を読了したときの感覚と似ている。

     

    「死んだつもりで生きて行こうと決心した心」をぐいと握りしめて動けなくさせる恐ろしい力。

    その力は「お前はなにもする資格のない男」と締め付ける。

    波瀾も曲折のない単調な生活を続けてきた私(主人公)の内面に常に湧き上がる苦しい戦争。言い換えればそれは決して解放されることのない心の牢獄である。

    己を心の中の牢獄に閉じ込めたものは一瞬の嫉妬に駆られたエゴイズムと罪の意識。

    その根底にあるものは、自分を裏切った叔父を憎みながらも、結局自分も叔父と同じではないかという抜き差しならない「哀しみ」である。

     

    そして、エゴイズムと良心の葛藤が心の中で激しくせめぎ合いを続けていく中で決意した主人公の行動とは・・・

     

    裏切りや不倫が大手を振って闊歩している2017年だからこそ読むべき小説である。

     

    人間の「こころ」の本質を否応なしで突きつけてくる傑作である。

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