ディスコミュニケーションの小説

2017.01.07 Saturday 18:25
0

    JUGEMテーマ:読書

     

    今日は七草粥である。

    新しい年を迎えて、一週間が過ぎた。

    今日も図書館で読書に耽っていたのであるが、既に3冊の本を読んだ。

    「ピアッシング」「ラッフルズホテル」「KYOKO」である。全て、村上龍の未読の作品である。

    一番、読後感が良かったのは「KYOKO」である。

    村上龍自身が監督として撮った映画の元本である。だが、映画は見ていない。

    一言でいえば、希望と再生のロードノベルという括りになるのだろう。

    アメリカの大地において日本からやってきた無垢なKYOKOのもつ純粋な善に惹かれる人々。

    そして、ラストの一条の光。

    村上龍にしてはストレイトに心に届く分かりやすい物語である。

    村上龍初心者や「限りなく透明に近いブルー」に拒絶反応を示す人たちに読んでもらいたい小説である。

    3冊の中で一番、刺激的だったのは「ピアッシング」である。

    一種のサイコスリラーのような内容であるが、その背景にあるものは児童虐待であり、殺人衝動、多人格障害など現代の病巣が横たわっている。

    「僕は人間はお互いにコミュニケーションするのがほぼ不可能な存在なんだという認識から小説を書くべきだと思っています。」

    だからこそ、他者とかかわるときに言葉を探さなくてはならないのだという考えに共感する。

    「ピアッシング」は密室心理劇である。

    登場人物はふたり。そして、ふたりの会話は全く成立しない。最初から最後まで。

    そのズレの中でのふたりの緊張感を孕んだ対峙が脳を鋭角に刺激して止まない。

    そこが村上龍の最大の魅力である。

     

    スポンサーサイト

    2017.04.24 Monday 18:25
    0
      category:- | by:スポンサードリンク | - | - | -
      Comment








         
      Trackback
      この記事のトラックバックURL

      PR
      Calender
            1
      2345678
      9101112131415
      16171819202122
      23242526272829
      30      
      << April 2017 >>
      星座占い
      天気予報
      ようこそ!
      ブログパーツUL5
      Selected entry
      Category
      Archives
      Recent comment
      • 村上春樹の世界にはまっていく
        うなぎ
      • 「幸福な生活」 最後の一行の鮮やかさ
        藍色
      • 過剰なセキュリティがストレスの原因
        うなぎ
      • 田中正造の言葉
        noga
      • 国防軍という言葉
        村石太ダー&コピペ星人
      • 衆議員選挙を前に考えたこと
        noga
      • 規範意識の欠如したアメリカ軍の正体
        noga
      • シリアがかかえるキリスト教徒の複雑な事情
        Takeo Watanabe
      • 天声人語に物申す!
        嫌チャイナ
      • 2030年原発ゼロは嘘八百 国民愚弄内閣の正体
        noga
      Recent trackback
      Link
      Profile
      Search
      Others
      Mobile
      qrcode
      Powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM