米軍巡航ミサイルによるシリア空軍基地攻撃について

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    米軍の巡航ミサイルによるシリア空軍基地攻撃を受け、国連安全保障理事会が7日に開いた緊急会合で、米国の軍事行動に明確な賛意を表したのは、15カ国のうち米国を除き5カ国にとどまった。軍事行動を支える法的根拠が乏しいためで、安保理を軽視して単独行動主義に突き進む米国への懸念が高まりそうだ。
    非難の口火を切ったのは反米左派政権下の南米ボリビア。ジョレンティソレス国連大使は国連憲章が書かれた冊子を手に「国連憲章は一方的な(軍事)行動を禁じている。国際法違反だ」と批判した。スウェーデンは米国非難を控えつつも「軍事行動は国際法に基づくべきだ。昨夜のミサイル攻撃は国際法上合法かどうか、疑問が残る」と懸念を示した。
    米国の軍事行動を支持した英国も攻撃の法的根拠については口をつぐんだ。ライクロフト国連大使は緊急会合前、「違法なのは自国民に化学兵器を使用したアサド政権の行為だ」と記者団に語った。

     

    国連憲章が軍事行動を認めるのは、世界の平和と安定を守るため安保理の承認を得るか、自衛権に基づく場合に限られる。今回の攻撃は安保理決議に基づいたものではなく、米国に対する差し迫った脅威がなければ自衛権に基づく軍事行動を主張するのも困難だ。

    安保理にはトラウマがある。2003年2月、安保理外相級協議でパウエル米国務長官が、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を開発していると主張して戦争開始を訴えた。このとき米情報機関が収集した「証拠」が示されたが、戦後になっても大量破壊兵器は見つからなかった。

     

    今日の毎日新聞である。

    私は以前 シリア問題、とりわけアサド政権の自国民への無慈悲な独裁的な圧政に対して、西側諸国がシリアの近隣諸国とパイプをつなぎながら毅然とした対応をとる必要があることを主張してきた。

    その過程の中でISの問題が起こり、アサド政権を倒すことよりもISに対応することを優先事項と考え、アサドの圧政の姿が薄まる危機感を感じていた。そして、勢力を回復しつつあったアサドが今回非人道的行為に及んだのではないかと考えている。政権に対しての反対の人々の士気を下げる目的で。

    安保理のトラウマは確かに理解できるが、大量破壊兵器ありきという過程でイラク戦争に突入していった2003年と、今回のシリアでの化学兵器の使用に対しての懲罰的は攻撃は同列に考えてはいけないではないか。何故なら、かつてアサドは同じようなことを再三繰り返してきているという事実があるからだ。

    法的根拠が薄いというが、アサドが全く無関与と考えるほうこそ不自然ではないか。情報収集力が2003年の頃より格段に向上している現代社会で、いかにトランプと言えども確度の低い情報で攻撃命令することなどないだろう。それこそトランプ政権の自滅材料となるのだから。

    私は今回の決断には評価をしたい。一体アサド政権下にあって、今までに何人の子ども、女性、老人など無辜の人々の命が一方的に奪われてきたのか。オバマ政権が下した判断には正直、弱腰であると思ってきた。

    今回の攻撃が化学兵器を使用したアサド政権への懲罰行為であり、長期的な内政干渉ではないという言葉を信じたい。

    ただ、我が国を含めアメリカ、ロシアの関係が難しい局面を迎えてくることは避けられないであろう。

    その難局をどう乗り越えていくのか。しっかり見守っていく必要がある。


    ブルース 自殺という絶望の処方箋

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      戦後のアメリカを代表する作家のひとりであるカート・ヴォネガットの遺作といわれる「国のない男」を読んだ。

      鋭い視点に立った現代社会批判は彼の死後10年以上たったいまでこそ、色褪せることなく輝きに満ちている。

      しかし、どこかに人間らしい温かみが感じられるところが最大の魅力であろう。

       

      心に響く言葉が数多く出てくる。

      そのひとつを紹介したい。それは音楽に関する言葉。

       

      アメリカに奴隷制があった時代、奴隷所有者の自殺率は、奴隷の自殺率をはるかに超えていたらしい。

      マリ(作家名)によれば、その理由は、奴隷たちが絶望の処方箋をもっていたからということだ。白人の奴隷所有者たちにはそれがなかった。奴隷は自殺という疫病神を、ブルースを演奏したり、歌ったりして追い払っていたのだ。

      ブルースは絶望を家の外に追い出すことはできないが、演奏すれば家の隅に追いやることはできる。

       

      この世界中に広がっている鬱状態によく効く特効薬はブルースという贈り物だ。

       

      今日私たちにとって耳に馴染みのポップミュージックの源はブルースであった。

      それはアフリカ系アメリカ人がまだ奴隷だったころに全世界に与えてくれたものである。

      苦しみの中から生まれた音楽の種子はベートーヴェンなどが生み出したクラシック音楽同様に私たちの心に潤いを与える果実となった。


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