スポットライト(BOOK SIDE STORY2019)

本や音楽を思いのままに紹介する。
それでも言葉にこだわり、気持ちを伝えたい・・・
そして思いの中に魂を込める。
虚飾を排し、嘘を捨て去る。

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2019.04.14 Sunday

The Isle of Orleans

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    JUGEMテーマ:音楽

    Tim Laughlinにはまっている。

    古き良き時代のジャズを現代に再現しようと試みているミュージシャンである。

    日本では輸入盤もほとんど大手のCDショップでは手に入れることは出来なので、もっぱらitunesで購入して聞いているのだが、どのアルバムもご機嫌な気持ちになるナンバー揃いだ。

    彼はクラリネット奏者なのであるが、その音色は暗い気持ちを一掃させてくれるほどの爽快感に満ちている。

    ジャンルで言えば、トラディショナル・ジャズということになるのであろうが、懐古趣味のどこが悪い。

    グッドミュージックここにありといった感が強い。

    今、聞いているのは2003年発表の「The Isle of Orleans」である。

    最近の寒暖の差と花粉症に祟られ、体調が落ち気味なのであるが、このアルバムを聞いていたらそんな憂鬱な気持ちも和らいだ。

    音楽に身を委ねているだけで、自然と体が動いてくる心地よさ。

    何ものにも変え難い音楽の愉悦である。


    2019.03.26 Tuesday

    スイング!! 自分にとってのジャズの魅力

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      最近は就寝時にはベートーヴェンのピアノソナタを聴いている。

      1番好きなのは14番の「月光」である。

       

      だが、昼間つまり働いているときは自薦のジャズをかけている。

      パソコンに集中している生徒さんの妨げにならないように、しかし下手なBGMではなく気持ちをちょっぴり浮き立たせてくれるようなジャズを選曲している。

      今日は、一匹狼ソニー・スティットとズート・シムズが共演した「INTERACTION」をかけた。

      2局目の「SABER」。実にいい。冒頭から浮き立つようなスイング感が堪らない。

      思えば、今から10数年前、ジャズなど聴いたことのなかった自分がジャズに入るきっかけはブルーノートであった。

      名盤といわれるものを買い求め、聴きまくっていた。

      そこで、ジミー・スミスやウェス・モンゴメリーなどと出会い好きになったのだが、正直、心から沸き立つような音楽であるかと聞かれれば素直にYESとは言えないものがあった。絶対に近づけない距離感を感じる音楽であった。

      必然、聴く機会は減り、クラシック一辺倒になった。

      しかし、精神的にも肉体的にも不調に陥り、クラシックからも遠ざかった自分にとって救いとなったのは「ジャズ」であった。それも古き良き時代の1930年代から50年代のジャズである。

      「小難しい理屈なんか要らない。とにかくスイングした者勝ち」とでも言える音楽であった。

      そのきっかけはオスカー・ピータソンとカウント・ベイシーのピアノ共演盤であった。そして、立て続けにiTUNESでダウンロードしては聴きまくった。

      今も、このブログを書いている背景ではボブ・ウィルバーとケニー・ダバーンという両者ソプラノサックス奏者のアルバムを聴いている。「Yellow Dog Bul」である。

      確かに、名盤の類の音楽ではなく、時代の先鞭をつけるという音楽ではない。結論からいえば、懐古趣味的な味わいの強い音楽である。しかし、聴いていて心からリラックスできる音楽がここにはある。それでいいのではないかと思う。

      色々な蘊蓄話はマニアックなジャズ評論家に任せておけばいい。そんなものは音楽の愉悦とは無縁の話だからである。

      本来のジャズという音楽の持つ魅力にようやくちょっぴり気づいた気がする。

      私はスイングするジャズをこれからも愛して聴き続けたい。


      2019.03.18 Monday

      再びクラシック 弦楽六重奏曲第1番

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        JUGEMテーマ:音楽

        再び、クラシック音楽を聴いている。

         

        自分の中で今年に入ってからずっとジャズを聴き続けてきたことには意味があったのだろう。

        ジャズという音楽を体に通すことによって、精神が浄化されるという一つの装置としての機能を果たしていたのではないかとさえ思える。しかも、それは多くは古き良き時代のジャズである。

        ボビー・ハケットであり、ビックス・ベイダーベックであり、シェリー・マンである。

        本当に心は軽くなった。

         

        そして、クラシックに帰ってきた。

        今、バックで流れてるのはブラームスの弦楽六重奏曲第1番である。

        弦楽六重奏曲というのは著名な音楽家では作品がほとんどない。

        それくらい、ブラームスの作曲した1番と2番はこのジャンルにおいては孤高の作品である。

        当の本人には新しいジャンルを確立させたいなどという思いは全くなく、単純に内声をさらに充実させ、響きと厚みと深みを求めようとした結果であり、ブラームスの純粋器楽曲としての音への飽くなきこだわりが伺える。

        しかも、若き日のブラームスのほとばしるような情熱と哀切な響きが心に深い余韻を残す作品となっている。

        特に、第2楽章のニ短調はため息しか出てこない見事な音楽表現である。

        ブラームスお得意の変奏曲である。作家の百田尚樹も絶賛しているが、クラシックを聴かない人でも一度は耳にしたことのある旋律であろう。当時、27歳のブラームスには恋人がいた。アガーテ・フォン・シーボルトである。

        結局は叶わぬ恋であったが、よく取りざたされる2番よりも時期的に恋愛が影響したと考えられるのはこの1番である。

        確かに、情念のほとばしりのようなものを感じるのは確かである。


        2019.03.10 Sunday

        ジャズばかり聴いている7〜白人ジャズの原点 ビックス・バイダーベック

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          JUGEMテーマ:音楽

          村上春樹の文庫本「Portrait in Jazz」の表紙絵になっているアーチストは誰だろうかとずっと氣になつていた。

          そんなことを頭の片隅に残しながら、今年に入ってからずっとジャズを聴きまくっていた。

          そして、先日お気に入りの曲として「Jazz me Blues」を紹介した。図書館に行って、この曲についてすらべたら1920年代に作られたスタンダードナンバーだということが分かり、作者を調べたらビックス・バイダーベックであることが分かった。

          その人こそ、先の表紙絵の人だったのである。

          白人ジャズを確立した天才でありながら、飲酒癖による病のために28歳という若さで夭折したということも分かった。

          考えてみれば、自分は白人のジャズが好きである。

          別に人種を意識したことはないのだが、ブルーベックにしても、デスモンド、ハービーマン、シェリー・マン、ボビー・ハケットなど好きなアーチストに不思議と白人が多い。

           

          そしてJazzの中でもとりわけスイングが大好きである。

          小難しい理屈など関係ない、本質的な音楽の楽しさを直接的に感じられるからである。

          その原点にいるのがこのビックス・バイダーベックなのである。

          今、彼の代表曲15を集めた「Here's Bix」を聴いているが、古い録音ながら色褪せない音楽がここにはある。

          純粋に音楽はいいものだという愉悦を楽しんでいる。


          2019.03.06 Wednesday

          キボウノヒカリ

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            JUGEMテーマ:音楽

            今年も3.11がやって来る。東日本大震災から丸8年経過した。

            このブログ上でもその日のことは何度も記してきているので繰り返しになるが、それでもやはり自分自身にとってはあの日には特別な思いがある。だから何度でも書く。

            あの年は体の変調を感じながら過ごしていたのであるが、3月に入り突然左耳の聞こえが悪くなり聞こえなくなってしまった。

            心療内科に行って下されたのは「突発性難聴」。

            3.11は療養休暇の初日であった。

            そして、突然の揺れ。食器棚の中のガラスが音を立てながら崩れ、割れる。

            本棚の多くの本が落下してきた。正直、「この世は終わりだ。」と思った。本当の恐怖を感じた。

            まさか、その時には東北地方を未曾有の津波が襲っているとは思いもよらなかった。

            精神的な不安と大震災の揺れはリンクしている。今でもその感覚は残っている。

            横浜に住む私は直接的に大きな被害を被ったわけではないが、その後の人生の大きな分岐点になっていることは間違いない。

            生きることはとても大事なことなのだ。

            そのあたり前の事実を噛みしめるように悟った。

             

            今、当時の心境を思い出しながら、槇原敬之の新譜からの一曲「キボウノヒカリ」を聴いている。

             

            きっとホントの闇なんて この世界のどこにもない

            星や月が輝きながら 暗い夜を照らすように

             

            きっとホントの闇なんて この世界のどこにもない 

            あるならきつく目を閉じてる 僕らの中にだけだ

             

            そうキボウノヒカリは僕らに届き続けている


            2019.03.04 Monday

            ジャズばかり聴いている6〜 Hello Louis!〜

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              JUGEMテーマ:音楽

              今、おなじみの図書館に来て、仕事半分趣味半分の時間を過ごしている。

              ジャズ関連の本をパラパラっとめくってみたのだが、先日紹介したボビー・ハケットに関して記してあるものは皆無で、当然おすすめ100選にも入っていない。

              確かに「歴史的名盤」というのとは異なるとは思うのだが、少なくともジャズの良き時代を醸し出す空気感は伝わってくる演奏だと思う。

              1964年に発表されたルイ・アームストロングの作品ばかりを軽快に演奏する「Hello Louis!」はまさに好アルバムである。

              12曲で32分という今の時代では考えられない演奏時間である。

              曲間も短く、まさにメドレーを聴いているような感覚であり、その潔い疾走感は堪らない魅力である。

              ルイ・アームストロングはトランペットの技術だけでなく、その独特のしゃがれ声のボーカルも有名であるが、改めて楽曲を聴いていて名曲揃いだということを感じた。

              ジャズの基礎を作った人であることは間違いない。

              有名な話として、英米でビートルズ旋風が巻き起こり、ヒットチャートを席巻している中、当時60歳を過ぎた御大ルイ・アームストロングの歌う「ハロー・ドーリー」が1位を奪い返したというので世界的な話題になった。

              音楽評論家の湯川れい子氏はこの事実を今の日本に当てはめるならば、1位のAKBを北島三郎が奪い返すことくらいあり得ない「奇跡」と表現している。

              まさに、『音楽界の巨人』である。

              あと、ラルフ・サットン&ケニー・ダバーンのアルバムもいい。

              古き良き時代のジャズの再現ということをテーマにして、アルバムを発表しているラルフ・サットンのスインぎーなピアノとダバーンのソプラノサックスとの絡みが絶妙で思わず体が動いてくるのだ。

              特に「Jazz Me Blues」が最高である。


              2019.03.01 Friday

              村上春樹の磁力

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                JUGEMテーマ:音楽

                前回のブログで誤った情報を記してしまった。

                「雑踏」の作詞は三宅伸治ではなく、Bossこと忌野清志郎であった。

                恥ずかしい間違いである。

                さて、早くも今日から弥生3月のスタートである。

                毎年、2月に体調の崩れを経験していたので、今年は例年以上に体調管理に気をつけて過ごしてきた。

                加湿器をフル活用したこともあり、喉を痛めることなくなんとか自分にとっては悪しき月である2月をクリアし、ホッとしている。

                ただ、昨日のように急な冷え込みも予想されるので、引き続き注意していきたい。

                新しい仕事に就いた関係で、1月はほとんど読書する時間もなく、ややストレスが溜まっていたのだが、先月は10冊の本を読むことができた。

                内訳は、山本周五郎1冊、村上春樹8冊、レイモンド・カーヴァー1冊である。

                村上春樹の未読のエッセイや短編を主に読んだ。

                感じることはやはりどのジャンルであっても村上春樹の文体には読み手の心を引きつける磁力のようなものがあると痛感した。

                この前に、ジャズとは何かという質問に対しての素晴らしい引用を示しての答えが「雑文集」に書いてあると記したのだが、村上春樹の作品の挿絵や表紙画などでタッグを組んでいる安西水丸と和田誠がそのあとがきとなる対談で非常に興味深い話をしていた。

                このジャズとは何かについて「ビリー・ホリディが出てくる話」として、あれなんかはいいよねと絶賛しているのである。

                「ジャズとはどういう音楽かが、小さな物語に込められている。」

                この部分を読んだとき、我が意を得たりと思った。

                村上春樹が好きな人は、同じ文章表現に惹きつけられるのだなあと確信したし、それこそが村上春樹の磁力であろう。

                そして、個人的に彼が天才だなあと感じるのは比喩の使い方である。

                圧倒的な説得力を持ちながら、わざとらしさのない表現にいつも感心させられるのである。

                自分にとって、村上春樹の作品に触れるということは、比喩表現そのものを楽しむということでもある。

                そんな作家は他にはいない。


                2019.02.24 Sunday

                どうしようもなく逢いたい人がいるんだ

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                  JUGEMテーマ:音楽

                  丸12年もブログを書いていると、同じことを書いてしまっていることもあると思う。

                  多分、今回もその内の一つだろう。

                  今から、7〜8年前、精神的に不安定な時期があり毎日、繰り返して聴いていた曲がある。

                  それは、忌野清志郎のアルバムである。

                  中でも「雑踏」には激しく心を揺さぶられた。

                  曲を提供したのは三宅伸治である。一昨年、三宅伸治のデビュー30周年を記念してのトリビュートアルバムが発売されたのだが、その中に収録されているのがBIGINのバージョンである。

                  確か、清志郎と共演した動画を見たことがあるが、鳥肌ものであった。

                  その当時、一人の女性に恋をしていて、なかなか会えない日々が続いていた心境に覆いかぶさるように、この曲にすっぽりと包まれていた記憶がある。

                   

                  朝の街の雑踏の中で 

                  全てが消えて なくなったように感じる

                  気のせいだろう 君がいないことも

                   

                  Hey 逢いたい人がいるんだ どうしようもなく

                  どうしようもなく

                  どうしようもなく 逢いたい人がいるんだ

                   

                  たったこれだけのシンプルな詩であるが 心に突き刺さってくる

                  そして、逢いたい どうしようもなくの部分が

                  魂の叫びにようにずっと繰り返される

                   

                  どうしようもなく どうしようもなく

                  そして、痺れたように動けなくなる自分がいるのだ

                  これ以上に切実なラブソングはない 

                   

                  「真夜中」という曲では 『泣きたいほどの淋しさだ』というフレーズが出てくる

                  そして、闇を突き破る力をくれと叫ぶ

                  曲を聴きながら歌の中の主人公の心と共振している自分がいる。

                  だから、僕は三宅伸治の歌を愛し、信じているのだ。

                  日本のミュージシャンの中では稀有な存在である。

                   

                   


                  2019.02.22 Friday

                  ジャズばかり聴いている5 〜スイング感が堪らない ボビー・ハケットライブ盤〜

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                    JUGEMテーマ:音楽

                    本当に、連日ジャズばかり聴いて過ごしている。

                    村上春樹のようにジャズとは何かという質問に対して、見事な例えを引いて「うまい」と思わせるようなことなど言えないが、煎じ詰めれば余白のたっぷりある懐の深い音楽であるということに行き着く。

                    ジャズのスタンダードと言われる名曲は山ほどあるが、演者の解釈一つで似て非なるものに変わるし、そこが醍醐味の一つでもある。

                    即興の熱いプレイもクールに決めるフレーズもジャズという音楽が持っている特性である。

                    だから、聴いていて肩が凝らないし、構える必要もない。

                    前にも書いたが、しつこく心に纏わりついてくるようなこともない。そこがいい。

                    多分、今の自分の心境がジャズにビッタリあっているということなのだろう。

                    昨日は、ボビー・ハケットのライブ盤「Sextet &Quintet」を聴いていた。

                    ピアノが自分の大好きなデイブ・マッケンナということも決め手の一つであるが、クラリネット奏者ボブ・ウィルバーが実にいい味を出しているのである。まさに二人揃えば、思う存分にスイングしかないといった感じで、聴いていて自然と体が動くのである。

                    音楽を聴いていてこんなにご機嫌な気分になったのは久しぶりである。

                    因みにジャズとという質問に対して村上春樹がどう語ったか知りたい人は「雑文集」を読んでください。


                    2019.02.17 Sunday

                    村上春樹のエッセイと極上のジャズと・・・

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                      JUGEMテーマ:音楽

                      JUGEMテーマ:読書

                      友人と会う予定がキャンセル、延期になり、突然何もない状態に放り出されたような気分になり、終日ゴロゴロとジャズを聴き、起きれば村上春樹のエッセイを読んで過ごしていた。

                      それを怠惰と呼ぶのか贅沢というのか分からないが、真実は確実に時間は過ぎていくということである。

                      エッセイは「村上ラヂオ2 おおきなかぶ、むずかしいアボカド」(新潮文庫)である。

                      最終章は音楽に関する話題であった。

                      「この人生においてこれまで、本当に悲しい思いをしたことが何度かある。それを通過することによって、体の仕組みがあちこちで変化してしまうくらいきつい出来事。言うまでもないことだけど、無傷で人生をくぐり抜けることなんて誰にもできない。その度にそこには何か特別な音楽があった。というか、そのたびにその場所で、僕は何か特別な音楽を必要としたということだろう。

                      ある時にはそれはマイルス・デイヴィスのアルバムだったし、ある時にはブラームスのピアノ協奏曲だった。」

                       

                      この文章を読んで、深く頷き、共感する自分がいた。

                      まさにその通りだと。

                       

                      今の自分にとって聴くべきその音楽はジャズである。今日もひたすら聴いていた。

                      白人ドラマーの最高峰の一人と言われるシェリー・マンのリーダー作である「マイ・フェア・レディ」である。

                      村上春樹もジャズにはまった時期に朝から晩までこのアルバムを聞いていたと述べているが、実に素晴らしいアルバムである。

                      シェリー・マンの決して前面に出すぎることはない的をえたシャープなリズムはマックス・ローチでは味わえない粋な味わいに溢れている。断っておくがマックス・ローチも大好きである。

                      個人的な意見であるが、ジャズは決して内面までまとわりついて来ないところが魅力である。

                      寡黙でありながらも、そばで見守ってくれているという人間の包容力と似ている。

                      そのままシェリー・マンのドラムと共通している。

                       


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