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世界との差は歴然 日本のサッカーの現実
スポーツ / カーソン・ライダー 
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    JUGEMテーマ:スポーツ

     

    東アジアのサッカーNO.1を決める大会が始まった。

    初戦は前大会で苦杯を喫した北朝鮮が相手であった。

    解説の小野が、出場する日本の選手は今期のJリーグで活躍した選手なので、そのパフォーマンスに期待すると語っていた。

    海外組がいない中で、ワールドカップに向けて自分を売り込むチャンスともいえる試合であった。

    ところがである。ラインを決めて強固に守る北朝鮮相手になす術なしという前半であった。

    パススピード、精度も低く、創造的なプレーは皆無で、つまらないパスやトラップミスが目立った。

    逆にカウンターでピンチを招くも、GK中村の好セーブで何とか凌いでいるという有様であった。

    後半を見る気にさえならず、プレミアのチェルシー対ウェストハム戦をネットで見ることにした。

    ここ7試合で6勝1分という好調チェルシーに対して監督が代わって巻き返しを図るべくウェストハムがどんな戦いをするかが見どころであった。

    チェルシーはCLの疲れがはっきり感じられる精彩を欠くプレーが多く見られ、一方のウェストハムはコンディションの良さを感じさせる手堅いプレーが光っていた。

    結果は番狂わせともいえるウェストハムの勝利。しかもクリーンシート(無失点)であった。

    日本の低調なプレーと比べてみると、いかにプレミアの下位チームとはいえ、その球際などに見られるインテンシティの高さやパスの精度、スピードは歴然の差であり、世界との差は縮まったとは言えないと率直に感じた。

    結果もさることながら、個人的には面白いプレーを見たい。

    面白い試合とは、つまらないミスがなく、点を取るためのアイデアや守るための工夫が感じられるゲームである。

    正直、Jリーグの試合でも代表戦でも、見ていて楽しい、サッカーって面白いと素直に感じられる試合は少ない。

    歯がゆさやもどかしさばかりが募り、ストレスを感じるのである。特に、プレミアの試合を見るようになってから、痛感する。

    だから、日本のサッカーに正直興味はもてない。海外組が批判されることも多いが、海外組を脅かすような若手が日本で育っていないというのが日本のサッカー界の一番の問題なのではないか。今の姿でワールドカップ本選で勝ちを予想することは難しい。

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    新記録!同一作家連続読破記録。
    読書 / カーソン・ライダー 
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      新記録である。

      ここ連続して司馬遼太郎の作品を読み進めているのであるが、文庫本になおして22冊連続して読んでいる。

      同一作家をこれだけ連続して読むのは初めてである。

      今は「播磨灘物語」を読み終えて、徳川家康を描いた「覇王の家」を読んでいる。

      それも一気に上巻を読破し、下巻である。

      司馬遼太郎の凄さとは小説世界の物語の読みやすさに加えて、膨大な史実資料を駆使しての客観性を浮かび上がらせようとしていることではないかと思う。

      読書レビューなど読んでも、教室では習わなかった歴史のおもしろさを語っている声が多い。特に幕末期から明治維新の作品はその白眉ではないかと思う。

       

      「覇王の家」にしても固陋なほどの三河武士としての誇りをもち、華美をきらい虚飾を徹底的に排した家康と信長及び秀吉の対比が実に興味深く描かれている。

      凡才の家康が天下人になり得ただけでなく、300年という泰平の世を作り上げるその土台となった哲学とは、

      「侍に知略才能あるはもとより良けれども、なくても事は欠かぬなり。ただひたぶるに実直なれば知能をもつに及ばず、武士として義理に欠けたるは、打ち物の刃がきれしごとし」(中泉古老物語)

      つまり、ただひたぶるに実直あるのみという考え方である。

       

      家康はその人生において、謀殺を試みたことがないということが述べられている。よって知略をめぐらせる参謀も実質もたなかったし、決断を人の見識にゆだねるということもしなかった。

      また、陣法などは甲斐の武田信玄の模倣そのままであり、才のなさを隠すことなく、他の良さをそっくりまねるという徹底した合理性でカバーした。独創性や先見性はないが、現実を徹底的に見据えることにかけてはおそらく比類がないのではないだろうか。

      いま、読んでいてそう思う。

      まさに教室では習わない司馬史観である。だから、すこぶる面白いのである。

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      サンタクロースの物語 聖ニコラウスと風刺画家 トマス・ナスト
      雑記 / カーソン・ライダー 
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        JUGEMテーマ:ニュース

         

        街もテレビのCMも一気に年の瀬、クリスマスムードが高まってきた。

        横浜駅西口前のイルミネーションの輝きは眩しいほどだ。

        クリスマスといえば、サンタクロース

        サンタクロースは聖ニコラウスの物語に由来している。

        聖ニコラウスは小アジアのミュラという町の司祭であった。

        その町に父親と三人姉妹の暮らす貧しい家があった。

        「娘が三人いると家がつぶれる」という諺があるくらい、娘をお嫁にだすことは多くのお金がかかり、まして三人になれば、家は破産しかねない状態になるという意味である。

        長女は甲斐性のあるとは言い難い父親に頼るのをやめ、恨み言一つ残さず自分の身を売って妹たちの幸せをかなえてやろうと決意する。

        こんな噂が聖ニコラウスの耳に入った。

        見るに見かねた、ニコラウス。窓から財布をそっと投げ入れてやったのである。

        聖ニコラウスの施しは広く子どもたちのためではなく、自己犠牲を払おうとしていた健気な長女一人を助けるためのものであったのだ。

        そして、この時投げ入れた財布が偶然にも靴下の中に納まったという伝説が語り伝えられてきた。

        現在、定着しているサンタクロース像を作り上げたのはアメリカの風刺画家 トマス・ナストである。

        この人は腐敗した政治家を糾弾するような絵を描いてきた人で、リンカーンの「奴隷解放」を称えた理想主義者である。

        聖ニコラウスとトマス・ナスト。

        女性や弱き者に目を向けた二人がうんだサンタクロース。こういう話がとても好きだ。

        私も実はサンタクロース村の住民である。

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        播磨灘物語
        読書 / カーソン・ライダー 
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          時代が時代だけに仕方がないでは片づけられない物語がある。

          黒田官兵衛の物語である。

          御着城主に裏切られ、入牢1年半の凄惨を極める生活の中で唯一藤の花に思いを寄せ、自分の将来を占うその姿は心を打つものがある。

           

          全身に瘡ができている。

          入牢してこのかた、蚊としらみに悩まされ続けた。やがて、掻くと皮膚や毛がぼろぼろと落ちるようになった。・・・冬になるころには頭髪の三分の一ほどが抜け落ちてしまい、顔を生気を失い、腰の肉が落ち、ひざは骨と皮になって、地獄道の亡者がそこにすわっているようになった。

          (しらみでさえ生きているのだ)と官兵衛は思うようになった。

          しらみ以上のことを考えず、しらみのごとく執念深く生きることだけを考え続ければよいのだ、と思った。

          生きることのみを思え、と官兵衛は自分に言い聞かせた。

           

          また、栄華欲のために肉親や兄弟を裏切ることや計略を用いて謀ることが当たり前のようになっていた戦国期にあって、美しく生きることに人間の本義を求め、強い倫理観を持ち続けた才覚こそ黒田官兵衛が異彩を放っている大きな理由であり人間的な魅力でもあるだろう。

           

          合戦における敵に対しての考え方に哲学が凝集されている。

          「敵を憎んでよい。しかし7つの憎しみのなかに3つの可愛さを入れるようにつとめるのだ。その分だけ、こちらの丈が伸びる。」

          信長のように憎きものを根こそぎ虐殺するのではなく、敵に良いふるまいをさせ、よい最期を飾らせよという考えはこの時代において異質であるが光彩を放っている。

          「播磨灘物語」。自分自身、戦国の物語として初めて読んでいる大長編であるが、深い余韻を噛みしめながら読み進めている。

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          世に棲む日々、殉死を読む
          作家 / カーソン・ライダー 
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            立て続けに司馬遼太郎の作品を読んでいる。

            長編を主に、短編を問わずである。

            いま 「世に棲む日々」を読んでいるのであるが、主人公は松下村塾の吉田松陰と弟子の高杉晋作である。

            「実行の中にのみ学問がある。行動しなければ学問ではない。」という思想こそ、吉田松陰を支えたものであり、陽明学といわれるものである。

            弟子の高杉晋作は行動を欲するがために行動をしているという典型的な人物であり、佐幕保守的な藩の体制に対して反旗を翻し、数十人という手勢で立ち向かい、最終的には奇跡的な「革命」を成し遂げるにいたるその行動は、まさに雷電と語られるにふさわしい天衣無縫ともいえる活躍振りである。

            読んでいて、血がさわいでくるほどの冒険活劇という趣を醸し出している。

            そして、その革命が成功するや、「俺はその日から消えて、洋行でもする。」ときっぱり言い切るのであるから、まさに行動のために生きているという表現がぴったりである。

             

            陽明学といえば、大塩平八郎、大村益次郎、河井継之介、西郷隆盛の名前が浮かぶ。

            最終的には非業の死を遂げるという運命を背負っている。

            陽明学的体質をもった人間と言い換えてもいいだろう。

            正義のために抗しがたきものに抗し、その身を粉砕するという劇的な人間性を有した巨人である。

            そして、その系列に準じようとした人物に乃木希典がいる。

             

            「殉死」を読んだのであるが、彼の劇的な人間性は、常に形式的な演出を帯びたものに傾倒していく。

            日露戦争の最大の攻防戦ともいわれた203高地での死闘。

            司馬遼太郎は徹底して、乃木の軍師としての無能さを批判している。

            そうであっても、彼の詩的情景の役者ぶりが世界的な評価を受けたのはあの有名なロシアのステッセル将軍と共に映った水師営の会見の模様である。

            この映像ひとつで、彼の旅順攻略戦の責任問題は消し飛んでしまったと司馬は語る。

            ただ乃木に対する司馬遼太郎の激越ともいえる酷評は「司馬史観」の誤った例として批判もされた。

            いずれにしても、多面的に人物像をとらえなおすきっかけを与えてくれたという点では、なかなか面白い作品である。

             

            それにしても、司馬遼太郎の描く幕末から明治にかけての物語の面白さは格別である。

            本当に面白い。長編であってもぐんぐん読み進めてしまう自分がいる。

            改めて小説の面白さを堪能している日々である。幸せな時間が過ぎていく。

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            ハイドン交響曲全集を再び・・・
            音楽 / カーソン・ライダー 
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              JUGEMテーマ:音楽

               

              クラシック音楽を中心に聴く生活は相変わらずであり、中でもとりわけベートーヴェンが好きだという話はこのブログ上でも何度も記してきたことであるが、クラシックの聞き始めにおいて、精神安定剤的な役割を果たしていたのはハイドンの交響曲である。

              日本では交響曲の父などという言われ方をするハイドンは、生涯107曲の交響曲を作り出した。

              その全集を聴きまくっていたのである。

              そして、数年ぶりにその全集を取り出していま、聴いている。

              アダム・フィッシャー盤である。

              当然108曲もあれば、名作もあれば凡作もある。しかし、全体的にみればその質は極めて高く、「歌」しかないといわれるモーツァルトの交響曲以上にその端然とした構成は評価されている部分もある。

              最近ずっと寝る前に聴いているのは43番マーキュリー 44番哀悼 45番告別である。

              以前も紹介したことがあるが、いわゆる疾風怒濤期のハイドンの感情を表現したともいわれる短調の交響曲群である。

              (43番のマーキュリーは長調であるが・・・)

              ハイドンにしては珍しく暗めの曲調で、陰影に満ちている。

              107の交響曲のうち11曲しか短調の作品はなにであるが、疾風怒濤期にはなんと6曲が集中している。

              時代そのものが文藝をとっても個人の感情の表出を重んじる傾向が強かったこととも関係しているといわれている。

               

              最初にも述べたが、クラシックに傾倒する時期は自分自身、仕事の面でも、体調特に精神的に病んでいた時期でもある。

              ベートーヴェンのピアノ協奏曲1番の旋律に導かれるようにしてクラシック音楽の門を叩くことになるのだが、すぐにべートーヴェンの交響曲という道をたどった訳ではない。

              なぜ、ハイドンだつたのか?その動機は判然としないのであるが、気づけば全集をもとめるほどにその交響曲に惹かれ、聴くたびに精神の安定を求めていた時期があった。それ以来、多くの作曲家に出会い、いつしか聴く機会も減り、愛聴盤である全集も部屋の片隅に追いやってしまっていた。

               

              しかし、ふとそして無性にハイドンの「音」が聴きたいという思いにとらわれたのである。

              健康診断の結果もぼろぼろで、精神的にもやや疲れている時期と重なるのは偶然ではないだろう。

              聴いてみて感じたこと。やはりハイドンはいいということだ。古典派としての楽章の輪郭の明確なつくりに安心するのである。

              それは癒しなどという言葉では言い尽くせない、精神を安定させる骨太の音だ。

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              アシュケナージの名演 
              音楽 / カーソン・ライダー 
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                JUGEMテーマ:音楽

                 

                ラフマニノフのピアノ協奏曲を聴いている。

                ラフマニノフといえば、ピアノ協奏曲2番が一番有名であるし、演奏機会も多い。

                だが、今聴いているのは3番である。

                「特にアメリカのための作曲した。」と語った名品である。

                初演は彼自身の演奏で、1909年にニューヨーク・フィルの演奏をバックにニューヨークにおいて奏され大好評を博したという。

                 

                確かに2番の成功で気をよくした彼が、その作風を継続させる形で作曲した作品であるので、個性的な要素は薄れ、旋律の面でもやや劣るという評価を受けてはいるが、完成度・成熟度という面からみれば2番に決して劣らぬ傑作であることには間違いはない。

                特に第三楽章のピアノの技巧性は有名である。

                私は、第一楽章も好きである。オーケストラの短い前奏を引き継ぐ形で、憂愁を漂わせるピアノが第1主題を提示するのだが、一気に引き込まれる。

                ハイティンク指揮によるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による演奏。

                ピアノはウラディミール・アシュケナージである。

                アシュケナージ4回目の録音ということであるが、この演奏に勝るものなしとという1985年のお墨付きの名演である。

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                信号機のない横断歩道は自動車優先!?
                記事 / カーソン・ライダー 
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                  JUGEMテーマ:ニュース

                   

                  今日の朝日新聞の「天声人語」には深く共感した。

                  「日本では信号機のない横断歩道では自動車優先」という、名城大准教授のマーク・リバックさんの投稿もとにした内容である。

                  まさにその通りである。

                  私も勤務地の目と鼻の先に同様の横断歩道がある。

                  幹線道路の裏道的な役割を果たしている。だから、早朝から交通量は多い。一方で小学校に近く、子どもたちの通学路にもなっている。

                  しかし、滅多に車が止まることはない。必然的に事故も多い。

                   

                  今年8〜9月にかけて日本自動車連盟(JAF)が全国94か所で実態調査を行った。

                  渡る人がいる横断歩道で停止した車は10251台の内、わずかに867台であった。8%である。

                  これはれっきとした道路交通法違反である。

                  外国では横断歩道では歩行者優先の原則が徹底して守られているらしい。

                  信号があるところでは規則を遵守するが、そうでないところ、つまり決まりがないところでは自分に甘く、緩みがでるという日本社会の今の姿を表しているのではという指摘もある。

                   

                  高齢者の自動車運転についての安全性が云々されているが、それ以前の話として、横断歩道を歩く子どもや女性を優先できない世知辛さの方がよほど深刻であり、情けなくはないか。

                  強くそう思う。

                   

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                  圧巻の法廷劇 江藤新平VS大久保利通
                  読書 / カーソン・ライダー 
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                    自分自身にとって、司馬遼太郎の長編としては4作目となる「歳月」を読了した。

                    佐賀の乱の「敗北」を認めてから、西郷隆盛を頼って薩摩、そして、最後の望みを託しての土佐藩への逃亡。

                    しかし、一縷の望みもついえ、ついには政府の怨敵 大久保利通に捕縛されるまでの江藤新平の行状は実にスリリングである。

                    そして、何と言ってもその裁判における大久保利通がとった方法は、空前絶後、前代未聞の殺人法廷劇であった。

                    「忍人」とは己の目的の遂行のためなら、いかなる残忍非道な手段も選ばない人間という意味である。

                    江藤新平は大久保利通という敵の怨念の凄味を見誤ったのである。

                     

                    かつての江藤の弟子ともいえる河野敏鎌を報奨金を渡して断罪のための裁判長にすえ、江藤自身が編纂した刑法ともいえる新法を無視し、旧法でも前例のない政治犯に対する罰として非道な極刑である「梟首刑」を言い渡させた。

                    大久保利通にとって必要なのは法律ではなくあくまで政略であり、是が非でも江藤を刑殺することで、全国にくすぶり続ける士族の不満を力づくで沈静化させるねらいがあった。

                    そして、天皇の代理に東伏見宮嘉彰親王をたてることで、己の非道な行いに天皇からのお墨付きをもらうという念の入れようであった。日本史上稀代の策謀家といわれた男の生の姿を見る思いがした。

                     

                    このあたりが司馬史観の表れであり、賛否があるところなのだろうが、こと大久保利通に関していえば後世に残すための「大久保日記」が残っており、「忍人」と揶揄された実相とさして違いがないのではないだろうか。

                    大久保利通にしてみれば、日記を残すことで己の行為の正統性を後世の人々に伝えたかったのだろうが、どう考えても肯定的にとらえることはできないだろう。

                     

                    いずれにしても、裁判の場面における二人の緊張感あふれる対峙は凡俗な法廷ミステリーを凌駕するほどもおもしろさであり、ページを繰る手をとめることはできなかった。

                    江藤新平の法廷での公式的な言葉の最後は「裁判長、私は・・・」である。

                    何を語ろうとしたのか。興味を尽きない。

                     

                     

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                    「歳月」 佐賀藩士 江藤新平の物語
                    読書 / カーソン・ライダー 
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                      司馬遼太郎「歳月」を読んでいる。

                      時代は幕末から明治維新にかけて。主人公は佐賀藩士 江藤新平である。

                      薩長の志士に比べれば。やや地味な存在ではあるが、その人生は波乱万丈。

                      彼が中心となって考えた「廃藩置県」による中央集権的な国の統一や司法制度における人民から天下への訴訟権をはじめとするフランスの法律を手本とした法整備など、近代国家への舵取りを進めていく上では、極めて重要な働きを果たした人物である。

                      文庫本、上下巻の上を一気に読み終わり、そのままの勢いで下に入ったのだが、丁度、「征韓論」について激しく当時のリーダーたちが激しくやりとりを進めていくところで、あまりの面白さに興奮してしまった。

                       

                      征韓論を強く推し進める西郷隆盛、板垣退助、江藤新平。

                      一方、財政的な問題や国内の秩序という観点から反対する大久保利通、岩倉具視、伊藤博文といった使節団とし外遊した面々。

                      今でいうと大臣よりも地位の高い「参議」という役職なのであるが、その丁々発止のやり取りは、臨場感あふれるもので、さすがは司馬遼太郎とうならされた。

                       

                      結局、天皇に奏上する立場である三条実美の急病により、代理を岩倉具視が務める段になり、おのずと反征韓論の意見が通り、西郷隆盛は下野することになる。

                       

                      その際の大久保利通と江藤新平の憎悪にも対立がどす黒く浮かび上がってくる。

                      明治維新の功臣の中で、大久保と江藤だけが「創造」という才能をもっていたと司馬は綴る。

                      「創造」とは国家の基本的な体制をつくりあげるということである。他の人物は西郷であれ、大隈であれ事務処理能力にたけた処理家であると述べている。

                      ただ、彼らの不幸は国家の体制を創造するための動機が全く異なっていたということである。

                      大久保は徳川家康を崇拝する漸進主義者。江藤は新しさを好み、動乱期に乗じて、勢いのまま直截的かつ大胆な変革を期する先覚者であった。

                      どちらの考えがいいとか正しいという話ではない。ただ、歴史はこの違いによってその後の二人の人生に大きな影響を与えるのである。

                      それにしても幕末から明治維新にかけての我が国の歴史は、本当に小説のテーマとしては格段に面白いということが分かる。

                      この魅力は、まさに「毒」である。興趣は尽きない。物語としての力に平伏するばかりである。

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